暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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まず最初に驚きの数字を・・・。
今年映画館で観た新作映画の本数を最終的にカウントして唖然とした。なんと98本。ついに100本を割ってしまった。これは、本格的に映画を観るようになった学生時代からカウントして、年間の最低の数字である。少ないと思っていた昨年ですら109本だったが、更にそれを下回った。(因みに2005年が159本、2004年が177本だからここのところずっと右下がりである。このままではいかんな・・・) 更に、邦画は18本だった。このような現状で果たして、えらそうに年間ランキングなんて発表しても良いのだろうか? 疑問の中、それでも恒例の、筆者の中では27年間続けてきた発表をさせて頂く。採点方法はいつも通り。今回もB+(85点以上)の作品を公表させて頂いた。


1. クィーン 93点
2. 魔笛 92点
3. ブラックブック 91点
4. ルワンダの涙 91点
4. ブラッド・ダイヤモンド 91点
6. 善き人のためのソナタ 90点
7. アポカリプト 90点
8 リトル・ミス・サンシャイン 90点
9 パンズ・ラビリンス 89点
10.それでもボクはやっていない 88点
11.ボビー 87点
12.墨攻 87点
13. ドリーム・ガールズ 87点
14. ディパーテッド 85点
15. ミス・ポター 85点

(点数が同じ場合、物語20点満点の配点を上位に、それが同点の場合は10点満点の獲得項目が多い作品を上位にしている。)

b0046687_016275.jpg自分で振り返っても、かなり今年は点数や志向にバラツキを感じる。採点者としての自分が一定の基準を保っていないようだ。ただ、印象としては、「アフリカ」関連が多かったことと、アメリカだけでなく、色々な国の作品を鑑賞できたとも思う。そんな中「クィーン」(この作品をベスト1にした人は殆どいらっしゃらないのではないかと思う・・・)が特A作品(95点以上)にならなかったもののトップだったのは、ひとえに作品の安定感を評価した。一方で「魔笛」は、筆者が常に提唱する「実験的斬新ミュージカル」に近い冒険があった。だから1位と2位は、作品としては両極端である。「ブラックブック」は、オランダという視点からのナチスを描き、「ルワンダ」は、昨年消化不良だった「ホテル・ルワンダ」(殆どの方はこっちの作品の評価が高いが、当時現地には行ってないが雑誌にこの紛争のコラムを書いていたひとりとしては、この作品の真実性を高く評価した)を払拭してくれた。お分かり頂けるようにハリウッド作品は少なく、色々な国の新しい作品が多い。今年はそんな印象だった。邦画は1作品だけだった。
(「リトル・ミス~」に関しては公開日が12月23日だから昨年の作品だが、筆者が鑑賞したのが今年の1月なので、今年のランキングに入れさせて頂いた)


次に各賞の発表も、この鑑賞本数ではどうかと思うが、例年のことなので。作品賞は最高得点の「クィーン」である。
主演男優 レオナルド・ディカプリオ (ブラッド・ダイヤモンド/ディパーテッド)
主演女優 アネット・ベニング (華麗なる恋の舞台で)
助演男優 セバスチャン・コッホ (ブラックブック/善き人のためのソナタ)
助演女優 ケイト・ブランシェット (あるスキャンダルの覚え書き)
最優秀監督 スティーヴン・クリアーズ (クィーン)
脚本賞 リトル・ミス・サンシャイン
美術賞 アポカリプト
音楽賞 魔笛
撮影賞 パンズ・ラビリンス
効果賞 パンズ・ラビリンス
特殊効果賞 アポカリプト
編集賞 バベル
最優秀アニメーション レミーのおいしいレストラン 
最優秀邦画 それでもボクはやってない
企画賞 パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド
特別賞 魔笛

b0046687_0173786.jpgすっごく・・・、本当に凄く悩んだ上記の選出である。レオさまは2作併せての受賞。筆者的にレオの受賞は「ギャング・オブ~」以来3度目。そういう意味で対抗馬はこちらも4作併せてのジュード・ロウだったかな。際立った演技作品がなかったのも事実。主演女優もヘレン・ミレンなのかもしれないが、ここは、一昨年のオスカーで破れたアネットの演技は筆者的にはこっちが上という総括として、ヘレンには申し訳ないが、ヒラリー・スワンクより上という意味で選出。助演男優も、この高評価2作に良い役で出て、印象的な演技をしてくれたことから、セバスチャンに・・・、但し、助演女優は結構すんなりケイトに決まったが、一昨年もそうだったし、最近ケイトばっかり選んでいる気がするのは気のせいかな。
監督も決め手がなかった。エミリオ・エステベスも捨てがたかったが、だったら三度、メル・ギブソンという選出もあるわけだし、色々考え結局、最優秀作品と同じという意味でこの監督を選出b0046687_0191122.jpgした。脚本も決め手に欠けたが、現代アメリカの病巣を100分足らずに凝縮してくれたので、この作品を、また、音楽も「ドリーム・ガールズ」でも良かったのだが、ビヨンセが若干、期待を裏切ったのと、まぁ、こっちはアマデウスですからね。ずるいっちゃあずるいかもしれないが特別賞と一緒に「魔笛」に。「アポカリプト」と「パンズ」は、視聴覚面では大変印象に残った。だから、当然、この辺りの賞を分け合った。また、「バベル」には「JFK」以来の斬新さと、昨年の「ユナイテッド93」に迫る映画人魂(ロケハンね良かった、撮影賞も上げたかったが・・・)を感じたので編集賞を今年は追加した。また、敢えて上記しないが、残念賞として「マリー・アントワネット」と「トランスフォーマー」をさりげなくここに記しておく。


序ながら、最近10年間の最優秀作品を羅列しておく。
2006年 ミュンヘン 95点
2005年 ネバーランド 94点
2004年 パッション 93点
2003年 ギャング・オブ・ニューヨーク 93点
2002年 ビューティフル・マインド 93点
2001年 アメリ 92点
2000年 グラディエーター 96点
1999年 恋におちたシェイクスピア 98点
1998年 ジョーブラックをよろしく 94点
1997年 恋愛小説家 90点


最後に、今年は本数が少なかったのが残念だが、結構作品ひとつひとつを大事に鑑賞できたのかもしれない。またすぐにレビューを書けないような作品が多かったのも事実で、DVDで見直してから鑑賞記を書いたものも多かった。時間は少なかったけれど、作品に向き合えたものも多かったのかもしれない。来年はどうなるのか、自分でも全く予想がつかないが・・・。


ご参考までに・・・
発表!2006年 シネマの総合評
発表!2005年 シネマの総合評
発表!2004年 シネマの総合評



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by turtoone | 2007-12-31 23:55 | 映画関連
b0046687_1827075.jpg1930年代の後半、イギリスはロンドンという設定だけで、筆者には是が非でも観なくてはてけない1本である。しかも、ウエストエンド地区ソーホーに実在するウィンドミル(風車)劇場復興の物語と聞けば捨て置くわけにはいかない内容である。この作品自体は昨年末の公開で、でも劇場鑑賞したのは今年になってからではなかったか。ジュディ・デンチが主演ということもありこのテーマなら、思いっきりコメディになってしまうのではないかと危惧したが、思いっきりコメディまではいかなくても、イギリス映画らしいテイストで中々納まるところに納まってくれた観がある。最近では「2本に1本」という確率高い、できそこないのハリウッド作品と比べて、イギリス映画は絶好調ではないか。

親友の「何でも好きなものを」という忠告から劇場を買ってしまったり、自分で飛行機を操縦してフランスまで飛んでいってしまったりと、この時代にすごい老未亡人である。この辺りが同じ貴族社会のあったヨーロッパでもイギリスが抜きん出ている部分だし、同じ島国同士でも、小金持ちしかいない我国とも全然スケールの違う話である。ただ、同じなのは、「○○候の奥方」というのは、相当な知識と教養と決断力を持った才媛だったようで、それはフランスやわが国とも一致する。既に、この時代にもうイギリスでは女性の時代が始まっていたといえよう。流石に「女王陛下」のお国柄である。それにまた、ジュディ・デンチにしか出来ないようなこの役柄も作品を終始引っ張っていた。ジュディが凄いのか、役柄が凄いのか、両方凄いんだろうと納得する。

物語は全編にわたり、ローラ・ヘンダーソンの思考感覚の痛快さに脱帽してしまう。また、人を見る目も鋭く、最初にヴァンダム氏にあったときから彼の才能と素性のでも見破ってしまうのだが、この作品の年代設定から、終盤には色々このあたりが絡んでくるというのも、先に鑑賞者に手の内を明かしてしまうという脚本も見事。こんなコメディ感覚の溢れる近代史ものは大歓迎である。また俳優が良い。特に、相手役のボブ・ホプキンスと、劇場花形スターのモー・リーンを演じるケリー・ライリー。ボブはどうしても「モナリザ」を、ケリーは「ロシアン・ドールズ」を思い出してしまうが、この作品をより幅の広いものにしたのはこのふたりである。

美術や音楽は合格点というところ? もっと凝って欲しかったと思ったのは筆者だけだろうか。特にイギリス作品で「劇場」物は多く、だから随分と見慣れた大きさであり、その辺りの工夫も欲しかったと思う。舞台が主題の作品であるのに、その辺りの演出は、「ネバーランド」 や「華麗なの恋の舞台で」などにも負けてしまっていたのが残念。しかしながら、こういう作品は同じ脚本があってもハリウッドでは作れないのは、やはり「貴族式」とでもいう英国ならではのテイストなのであろうか。


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by turtoone | 2007-12-07 02:30 | 映画(は行)
b0046687_1703654.jpgこの作品は、「ホテル・ルワンダ」に先んじられてしまったが、アフリカ大陸における、16世紀以降ヨーロッパ諸国による線引きに始まり、世界各国の餌食とされた悲劇の時代を最も象徴的に表した出来事の作品化である。筆者がアフリカの「いま」に興味を持ったのが、丁度この、フツ族、ツチ族の対立の頃だというのは、以前「ホテル・ルワンダ」のレビューで触れた。ただ、ホテルは、筆者が一番興味を持ったところとは、少し時代が外れていた。「ホテル~」はある意味でその第一報的に要素があったために、可也注目されたが、筆者にとっては期待以上、いや期待を満たせてくれるまでの内容だしなかった。というか、時代的に少し後になってしまい、悲劇が最高潮にあった時期からズレてしまったといえる。正直、映像的な残虐さを求めていた訳ではない。いまや、文芸作品ですら残虐なシーンはつきものになっている。映像として残虐かどうかより、作品の背景となる当時の事件が残虐なのであるから、それを表現するには時代の軸が作品の持つ時間軸を一定でなければ本当の事実は伝わってこない。そういう意味で「ホテル・ルワンダ」より良いと思ったのは、筆者の知っているこの部族の争いとその背景にある出来事との時間軸がぴったり当て嵌まっていたからだと考える。

この両族の争いはヨーロッパ諸国がこの大陸に介入するずっと前から起こっている、いわば、世界の至るところで起こっている民族の紛争である。もともとルワンダには農耕民だったフツ族が定住していた。牧畜民のツチ族がやってきたのは15世紀になったから。彼らは武力によってフツ族を支配し、その後1962年に独立した。90年代に入ると両民族間の抗争は激化し、フツ族が実権を握る政府に対して、ツチ族のゲリラが優勢になっていった。1994年、フツ族の大統領がなぞの飛行機事故で死去したことをきっかけに、今度はフツ族政府が組織的にツチ族を殺害しはじめたが、ツチ族ゲリラが政権を奪取し、結果、復讐を恐れる多数のフツ族が西隣のコンゴに亡命し、難民キャンプがつくられた。大変簡単に書いてしまったが、これがこの争いの背景である。「ホテルルワンダ」の「ミル・コン」同様、何か、フツ族が攻撃的でツチ族が被害者的に表現されているのが不可解であるが、このルワンダの問題だけを取上げるとそうなる。なので、この作品ではその後から現代に至る流れも描き、かつ、本当の真実はどこにあるのかを追求している。

文明国家だといいたくないが少なくとも欧米と同じ側に立っている国民から色々研究しても、やはりこの大陸の民族に対する細かいことは分からない。無論、分かろうとしても民族を超えることはできないが、ただ、余りにも他の地域に比べ、言語が多様化し、筆者から見るとみな同じに見えてしまうが沢山の民族があり、その数だけ風習があり。例えば、彼らには余り「宗教的」な感じがしないが、それは我々の言っている宗教であって、彼らの考えにあるのは自然教に近く、いわば、彼らの方がずっと「神」という存在が身近なのかもしれない。だから、この作品では牧師という立場にあるクリストファー神父の存在が大きい。そして、神父と接する現地の民族の中に、かすかではあるが、今後、この地域の人たちと共にどう人間の営みを良い方向へ創造していけるのかという希望が感じられるのである。

マリーの最後の台詞に、どんな境遇でも時間は平等にあることを示唆。エンドロールも含めて静かたが説得力があり印象深いラストだ。だから余計に悲しく、最後は邦題通り、涙のオンパレードになる。


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by turtoone | 2007-12-05 22:07 | 映画(ら行)
b0046687_1242316.jpgメルの作品は何かがある。監督作品としてはこれが多分、4作目になるはずであるが、筆者の評価も「ブレイブハート」(96点・特A作品)、 「パッション」(93点・A作品)は、いずれもその年の年間1位に評価されている程高い。今回の舞台はマヤ。だが、メルの作品だから最初っからマヤ文明の興亡を歴史の観点から正当に描こうなんてことをこの監督がするはずないということは、ウィリアム・ウォレスを描いたときからこちらも承知済み。だからどんな観点なのかは公開時から大変興味の高かったところだ。他の監督だったら、例えば、極端に言えば、リドリー・スコットがマヤを題材にするというのとは、全く異質の期待感に満ち溢れていた。
また丁度劇場公開時には、前後して「インカ・マヤ・アステカ文明展」の開催があったが、その後の発掘や研究において国の成立や民俗など色々なことが分かってきているインカ文明に比べて、マヤやアステカはまだまだ未知の部分が多く、特に出土品の年代の特定はかなり大雑把だった。逆に言えば、今現在なら色々な考察や製作者自身の思いが込められるのも事実。「ブレイブハート」同様、そういう「歴史の想像」には大きな期待ができる作品であった。

実際に、美術が素晴らしかった。とくにマヤ文明の民俗考証はそれが正しいかどうかではなく、考え方が中々のものでとても参考になった。生贄のシーンに出てくる死刑台(あの建造物は長いことピラミッドだと思っていたが… どうもこの辺りは筆者もいい加減で、マヤとアステカが混在している?)、集落の表情、儀式の進行、民衆の装飾品、そして生贄を見送る女達の踊りといい、このシーンはすべてに見応えがあった。特に、途中で描かれ、彼らが人物たちの運命を悟る壁面というのは原型が残っているのだろうか?大変興味深いシーンである。

物語の面白さという点では、皆既日食のシーン。かなり全体の時間的には無理があったが、この場面は必須である。この時代の中南米地域の文明は太陽を神と崇めていた訳だから、この儀式と自然現象の絡みで、祈祷者(キリスト教圏で言えば教皇であろう)の立場が益々強くなって行き、結果ラスト辺りの来航者をリンクさせた時に、この文明の行く末が長くないことを想定させられる。この短時間に文明国の衰退と新文明国の侵略という歴史の展開を纏めているのは良い繋がりである。

映画として歴史的な新事実発見には繋がらない作品であったが、それは、ウィリアム・ウォレスと違い、そもそもの題材に歴史的考察の価値がない時代であるから、その部分は致し方ないが、ある意味で終盤の「追いかけっこ」には大変驚いたのは事実。いやぁ、良く走ったと思う。「炎のランナー」やフォレストよりも走ってくれた。メルの作品というのはこういうサディスティックな要素が多く、「ブレイブハート」ではエグイだけであったが、「パッション」では人間の奥底に存在するサディスティックな部分を前面に押し出した。今回は、必用に「走り」のシーンを繰り返すことによって、鑑賞者をある意味で「いじめて」いる。いつまでそんなに走るのかいと・・・、というか普通の監督なら、どこかに息抜きシーンを作るのであるが、メルは殆どといって作らなかった。しかし、一方で追いかける方もずっと着いてきているわけだから、そういうことでこの時代のこの民族は「良く走った」のだということは印象づけられたのは事実。同時に序盤に出てくるシーンとの対象で、色々な要素や仕掛け、攻略で追いかける方が徐々に脱落していくのは、「森を守る」という彼らの使命をここでも強調している。アジア人とも、ヨーロッパ人とも違う、「森の民族」の描写と主張には効果的だったかもしれない。

但し、総合的にはこの後半の走りのシーンは減点にこそならないが、間延びに繋がったのは残念。結果「パッション」よりも総合評価は低くなってしまったが、それでも高得点作品である。

折しも、この作品の公開時には「300」も劇場上映していたが、作品の質といい完成度といい、メルは筆者にとっては今後も評価が高く、目が離せない存在である。


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by turtoone | 2007-12-03 23:54 | 映画(あ行)