暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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2005年総括

昨日、今年度のベスト20その他を発表させて頂いたので、序ながら、当プログでレビューを書いた作品の採点を纏めさせて頂く。


特A作品
97点 「ダンス・ウィズ・ウルブス」
96点 「グラディエイター」
95点 「アマデウス」
     「JFK」
     「ショーシャンクの空に」 
A作品
94点 「カッコーの巣の上で」「ガンジー」 「ジョー・ブラックをよろしく」 「ネバーランド」  
93点 「ビューティフル・マインド」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「パッション」「ロング・エンゲージメント」、 「ヒトラー 最期の12日間」 
92点 「ラスト・エンペラー」「アイズ・ワイド・シャット」「グリーンマイル」「アメリ」「グッバイ・レーニン」「モーターサイクル・ダイアリーズ」「愛についてのキンゼイ・レポート」 
91点 「ショコラ」「マジェスティック」「五線譜のラブレター」「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」「スターウォーズ エピソード3 ~シスの復讐~」
90点 「シッピング・ニュース」「アビエイター」「コンスタンティン」「リンダ リンダ リンダ」「モディリアーニ 真実の愛」

旧作に関しては随時DVD鑑賞で(年末で結構新しい過去作のDVDも手に入れたので)、また、新作を見逃したり、見ていてもレビューをしていない作品に関しても、随時、レビューを書いていくようにしたい。この自己満足なランキングも半年に一度は更新していきたい。


また、今年、当ブログにTBの多かった作品は以下である。(12/29現在)
1位 宇宙戦争 199
2位 スターウォーズ エピソード3 ~シスの復讐~ 189
3位 アビエイター 167
4位 チャーリーとチョコレート工場 156
5位 ミリオンダラー・ベイビー 148
6位 バットマンビギンズ 136
7位 コンスタンティン 121
8位 ロングエンゲージメント 117
8位 アイランド 117
10位 エターナル・サンシャイン 113
次点 キングダム・オブ・ヘヴン 112

こんな拙いブログの記事にTB頂いた皆様方に改めて感謝・感激である。いつも思うが、だからコメントとかをきめ細かくお返しできない自分を不甲斐ないと思うと同時に、できるだけ時間を見つけて、御礼と情報交換をしたいと思う。

最後に今年の総括をしておくと、ハリウッドが手詰まりになっている一方で、各国の映画作品が良くなってきている印象がある。特に、フランス映画と韓国映画、また、ロシア映画にもその片鱗がみられる。邦画も今年は例年に比べ随分観た。そして、なかなか良い方向性を見せていると思う一方で、「終戦60年」という戦後還暦の年に、太平洋戦争の半ば肯定する節のみられる傾向の作品があつたのは残念だ。ドイツがそうでなかった様に、映画という土壌からの終戦60年への提言がなかったのは残念。この部分のメッセージ性はテレビの方が積極的かつ上であった。日本の作品をハリウッドでリメイクされたら、全く内容的にも興行的にも叶わないように、(そういう意味では日米の映画の差は、宇宙開発の差を同じレベルだとは思わないか?)だから日本は、大規模な作品を製作するのでなく、アニメーションとか現代的文芸作品とか、その路線を
忠実に作り上げることで、日本らしさを世界にアピールして欲しいと思う。世界のクロサワと、何故彼が本国以上に世界中から支持され持て囃されるのかを、もう一度(筆者も考えるので・・・)映画製作者、そして、ブロガーでも考えて欲しいと思う次第である。

尚、筆者の年末・年始(12/31~1/3)は、一家の恒例・年中行事として箱根に滞在する(駅伝を観戦)ので年内はこの記事が最後。本年の愛顧と共に、当ブログに訪問頂いたすべての皆様が、2006年も益々の飛躍・健勝されることを心から祈念申し上げる。
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by turtoone | 2005-12-30 16:31 | 映画関連
事実は小説より奇なりという言葉がぴったりの一年であった。それだからかどうか分からないが、映画作品でも、現代社会をまともに描こうという趣旨の作品が大幅に少なくなった気がする。また、現代を題材にしていても、超人間という部分で結論を誤魔化してしまう類いの傾向が多かった。もしくは、極端な部分への依存であろう。「スターウォーズ」が完結した年でもあるが、中々これに続く大作の予感もなかったのは事実。ハリウッドもリメイクが多かったり、同様に混沌とした時代の中で一本の筋を求めるのには、どうしても過去の人物モノだったり、続編や、名作の再来へ走るのは致し方ないと思う。一方で、ミニシアター系も昨年と比較すると決定打にかけていた。というか、シネコンが増えて、スクリーン数の多いところだと結構短期で上映スケジュールを組んでくれたりしたので、渋谷や恵比寿からは足が遠のいたかも知れない。それとは別に後半は本当に時間がなく、何とか鑑賞は出来ても、当ブログに上げるのが遅れてしまい、最近は殆ど書いていないという状況もある。この辺りは、早く、元に戻したいと思っている。


さて、恒例の作品採点ランキングを発表させて頂く。

1. ネバーランド 94点
2. ロング・エンゲージメント 93点
3. ヒトラー ~最期の12日間~ 93点
4. 愛についてのキンゼイ・レポート 92点
5. スターウォーズ エピソード3 ~シスの復讐~ 91点
6. シンデレラ・マン 91点
7. アビエイター 90点
7. コンスタンティン 90点
9. リンダ リンダ リンダ 90点
10. モディリアーニ 真実の愛 90点
11. エターナル・サンシャイン 89点
12. チャーリーとチョコレート工場 89点
13. ヴェニスの商人 88点
14. 宇宙戦争 88点
15. キングダム・オブ・ヘヴン 86点
16. ミリオンダラー・ベイビー 85点
17. コーラス 85点
18. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 85点
19. ビヨンド the シー 84点
20. バタフライ・エフェクト 84点
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筆者の採点方法は9項目に分かれて、それを合計した100点満点なので、どうしても総合力評価になってしまう。つまり大仕掛けの作品は点数が高くなる傾向にある。このランキングは、純粋に感動した順序とはイコールでは無い。そして95点を越えると特A作品になるが、今年も残念ながら特A作品は出ていない。因みに、遡ってもっとも最近特A作品になったのは、2000年の「グラディエーター」である。「ネバーランド」は、もうひとつスケールが小さかったと思う。
総合的に、昨年より若干上位作品の点数は高く、ベスト10がすべて90点以上という年は初めてであった。そういう意味で例年はベスト10プラス1しか発表しないのだが、今年は20位まで発表させて頂いた。なるほど、ミニシアター系は随分減っている。邦画の90点超えは、「千と千尋~」以来、また、昨年の「笑の大学」に続き、二年連続でトップ10入りした。今年は邦画を見直した年でもあったが、そのきっかけが「電車男」だったのも笑える。「リンダ~」の評価が高かったのは、邦画の進むべき方向性の提言に繋がる作品だと思ったから。



次に、各最優秀賞も発表させて頂く。
主演男優 ブルーノ・ガンツ (ヒトラー 最期の12日間)
主演女優 オドレイ・トトゥ (ロング・エンゲージメント)
助演男優 ポール・ジアマッティ (シンデレラマン)
助演女優 ケイト・ブランシェット (アビエイター)
脚本賞 バタフライ・エフェクト
美術賞 キングダム・オブ・ヘヴン
音楽賞 オペラ座の怪人
撮影賞 ネバーランド
効果賞 ヒトラー 最期の12日間
特殊効果賞 エピソード3 シスの復讐
最優秀アニメーション コープスブライド 
最優秀邦画 リンダ リンダ リンダ
最優秀監督 ジャン・ピエール・ジュネ(ロング・エンゲージメント)
企画賞 コンスタンティン
特別賞 エピソード3 シスの復讐

これらを選出した理由は、それぞれの作品レビューを読んで頂けるとこ理解頂けると思う。主演男優は実はジョニデを選びたかったのだが、対象作品が「ネバーランド」だと、友人のkeenanに怒られそうだったから? という意味ではないが、実は、来年の「リバティーン」に多大な期待をしているので・・・。「パイレーツ~」もあるし、来年は、ジョニデ、ディカプリオ、「ミュンヘン」のエリック・バナ辺りが有力だろうか?

来年こそ、特A作品の製作を期待するところ大なり、である。

上半期 新作シネマランキング
発表!2004年 シネマの総合評


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by turtoone | 2005-12-30 00:58 | 映画関連

SAYURI

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「Mr.&Mrs.スミス」のレビューにこの作品はコメディだと書いてしまったが、尤も、筆者は「ラスト・サムライ」同様、この作品に描かれている「いい加減な日本」を観にいったのだから、そういう意味では大変満足のいく作品だった。なぜか筆者だけは、最初から最後まで笑いの連続で、しかし、場内に笑い(を堪えているのは他に家内だけ・・・)がまったくないので、少々窮屈で苦しかったとも言える。だが、敢えて言っておきたい。本日筆者と同じ回に鑑賞した諸兄は、この作品の日本描写を笑えないのなら、せめて、「馬鹿にするな」と怒って欲しい。ロブ・マーシャルが作ったかどうかしらないが、こんな作品、文芸作品でもなんでも無い。

鑑賞の記念に幾つか記しておこう。アイスクリーム・コーンに入ったチェリー味のカキ氷ってなんだ。そんなもの日本の何処に売ってるんだ? 神社にお賽銭を上げたらゴーンと鐘の音、ここは一体どこなんだ? そういえば、あの幾重にも連なる鳥居の様式は「豊川稲荷」に似ている。そうか、間違いない、ここは神仏混合している場所なのだ。その他最初の方のBGMは中国の音楽、おばさんは家の中で杖をついているし、風鈴を呼び鈴にしている文化も珍しい、ジャグジーの様な混浴温泉、襖に丸い窓があったり、町中提灯がぶら下がっていて、まるで台湾みたい。しかもなんの模様だあれは・・・。あの文様は以前に寺院でみたことがあったが、一般家屋の軒下に吊るすものではない。そうそうお寺の木魚の原型みたいのが店の看板にも使われていたね。一体どういう文化なんだろう。芸妓の踊りも、くるくる回す扇子は(いつもより多く回っておりますって、漫才だぁ~)、序に傘の上でも回して欲しかったし、「花祭り」のサユリの踊りって芸者ではなく、どさまわりの芝居小屋に通じるものがある。へんなスポットが当っていたし。しかし、お座敷も照明はランプだったねぇ~、まだ行灯なら分かるけど・・・。筆者もそんなに花街で遊んでいた訳ではないが、遊んでない人だって、この滅茶苦茶な描写は酷いと思うし、失礼ながら大体この町は何処? 東寺の五重塔らしいのがあるが、碁盤の目ではないから京都ではない。吉原だとしたら浅草寺の五重塔はこんなに近景でない。料亭の庭も酷い。どうしてああいう中国みたいな庭になってしまうのだろう。一年中桜が咲いているし、恐らく、日本でああいう庭を持っていたのは、鎌倉時代に日本に貿易をしていた宋の豪商が小倉あたりに当時立てた屋敷くらいだと思う。しかし、それでいて、相撲の土俵は、ちゃんと4角の「房」の柱があるという時代考証は間違っていない。しかし、その時代考証的はなしをすれば、この時代に明治末期みたいな格好をしているから可笑しい。少なくとも、後半は戦後の話になるのだから。

そして兎に角許せないのがキャスティングの名前。「さゆり」と「千代」って一体どっちが源氏名だ? 「豆葉」、「初桃」ってなに、最近流行っている焼酎でも、こんな名前はしらないし、工藤夕貴の「おかぼ」ってパンプキンのことなんだろうか?なんでも花の咲く植物の名前をつけりゃあ言い訳ではないだろう? おねえちゃんの「佐津」って名前も凄いね。おそらく「ちず」とか「さと」にしたかったのだと思う。いやいや、上げれば限が無いけれど、これはこれで又、DVDになったらじっくり、「馬鹿にされた日本」の描写を楽しみたいと思う。予告編で一番気になっていた「着物の着付け」だが、桃井かおりなんかは自分で着ているのだが、他の俳優が着ているのはどうやら、着物の形をした洋服のようだ。但し、座敷に上がる前から皺になっているシーンは、もう少し美術が気を使って欲しかった。

物語も何を言いたいのか分からなかった。「芸者」という西洋からすると奇異な感覚をクローズ・アップしたかったのなら、もっとさゆりの「心」を描いて欲しかった。そういう意味では、工藤夕貴が一番印象に残ったのは、日本人であり、且つ、ハリウッドでも成功している女優として、日本の文化を世界に紹介する担い手の役割りを努めていたのだと思う。そのあたりが、チャン・ツィーも、コン・リーにしても同様で、中国の俳優だから、本質的に日本文化の「謙虚な美」という部分での凝縮された「花街」の感覚を演じきることは無理だった様だ。しかし、流石だと思ったのは、ミシェル・ヨーで、アジアの国際スターもこのクラスになると、迫力と彼女自身の意志で、役作りをこなしてしまうんだなぁと感服した。少し歳は隠せないが、内面の強さと美しさを持つ「アジアン・ビューティー」とは、寧ろこの人のことだと確信する。

もし、誤った日本描写に抱腹絶倒したい人にはお薦め。但し、会場内はとてもそういう雰囲気ではないが。


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by turtoone | 2005-12-11 18:57 | 映画(さ行)

Mr.&Mrs.スミス

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ブラピとアンジーの初共演、その後のプライベートや来日など諸々の話題の方が先走っていた中、筆者的には年末のくそ忙しい中、久々にこの作品と「SAYURI」2本の作品を鑑賞できたが、何れもがコメディ作品であったのは意外であった。もう一本のレビューは別の記事に書くが、この「Mr.&Mrs.スミス」もこの2大スターが共演したということ意外は、多分どうでも良い内容であった。物語の設定というのも、なるほど、良く考えてあるなと思うが、それもブラピとアンジーだから二人が敵対する組織の殺し屋だっていう内容で納得できるのであって、他の誰かがこのどちらかの役をやったとしても、多分、ピンと来なかったであろう。そういえぱ、この作品はブラピにとっては「トロイ」、アンジーにとっては「トゥームレイダー」というふたり共これまでの最高の興行成績を更新することとなった。つまりは、全世界で、このストーリーとこのキャスティングが受け入れられた訳で、その結果から見る限り作品の内容云々よりも、これはこれで成功だったのでと思う。

更に言えば、この主役のふたりの持ち味が十分発揮されていたと思う。ブラピは、そもそも2枚目役が多かったが、どちらかというと、彼の良さは3枚目で、カッコいいのだけどちょっと間抜けな役があっている。「オーシャンズ」だったり、503のCM等がはまり役だ。勿論、「トロイ」なんかも悪くないが、例えば、シリアスな役はどうかと思う。トム・クルーズや、ジョニデなんかも3枚目を演じたりするが、彼等は3枚目を演じるにはかっこよすぎる。また、ブラピは「トロイ」や「ファイト・クラブ」でも見せているように、肉体派でもありアクションは思った以上に似合う。

アンジーも同様で、現代のミス・アメリカ同様の彼女は、セクシーを前面に出す役も良いが、やはり彼女の持ち味は「カッコ良さ」であり、その中にチラッと感じるセクシーさ(しかも人並みでない)が良いのであり、やはりこの役は本当に填まっている。それが証拠に、この作品に出てくるブラピとアンジー以外のことは良く覚えていない。エンドロールを見ていて、ケリー・ワシントンが出ていたらしいが、「そうだっけ?」と思ってしまった。アクションも可也ハチャメチャなのだが、この二人が演じているとオーケーだと思ってしまうところが凄い。そういう意味ではやっと実現した夢の共演である。しかも、ブラピは、「メキシカン」ではこれもスーパースター同士としてジュリア・ロバーツと共演したが、このときはふたりの仲が悪く、二人とも「二度と共演したくない」といっていたそうだが、今回はふたりともやりたい事を思いっきり出来たのだと思う。

そんな、娯楽映画である一方で、一応、テーマは奥深い。大体、夫婦って何だろうかと思う。「子は鎹」で、子供が居て初めて繋がりがあるものの、一番身近にいる他人であることに間違い無い。だからこの夫婦は5~6年間、お互いの素性を知らなかったが、案外夫婦の本質なんてそんなものだと思う。特に、彼等は子供が居ないからまだしも、子供が出来てしまったら、特に、女親は「母性」という新しい意識が目覚め、旦那のことなんか、何処で何をやっていてもどうでも良くなってしまう。この夫婦は、5~6年目にやっとお互いの本質を理解しあったのだから、それはそれで良いと思う。

しかし、色々良く壊しまくったね。昔、「西部警察」ってテレビドラマが毎週色々な物を壊しまくっていたが、比では無い。物を壊すのは簡単だけど、壊れた物を直すのは難しい。物も心も絆も一緒であり、その後の理解や判断は、鑑賞者それぞれに委ねているラストも、この作品がストーリーに拘っていない部分であろう。

少しでもブラピやアンジーが気になる人ならどうぞ。別に特にお薦めもしないし、反対もしないという作品だ。


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by turtoone | 2005-12-10 23:38 | 映画(ま行)

HERO 英雄 ~My Collection~

b0046687_23185135.jpg秦の政。所謂、後の秦始皇帝には様々な伝説・逸話が残っているが、中でも群を抜いて多いのが、この作品の冒頭でも語られているように暗殺の話である(先日も地上波でそのような番組を放映していたそうだが見逃してしまった…残念)。中国4000年の歴史に於いて、その以前には無かった皇帝という地位と概念を取り入れたのも秦王だし、その後にこの大陸を統一した政権国家は20世紀の半ば迄この方式を取り入れた。中国の歴史が名称は同じでも全世界の何処にも存在しないこの皇帝という考えは全くもって不思議且つ、奇異である。始皇帝はそれ以外にも、多種多彩な統一国家としての力を民百姓に迄浸透させる制度や理念を確立したが、余りにも多いのでここでは割愛する。

作品に戻ると、以前に「ラスト・エンペラー」でも触れたが、中国の歴史を取り上げた作品で、中国国内で制作された物を除いては圧倒的に近世史が多い。だが、この作品はアメリカに輸出され、公開時期は日本よりずっと後だったが、興業成績は観客動員3週連続1位になるなど大ヒットであった。この作品の何処にアメリカで支持される要素があるのかは筆者には分からない。勿論、アジアの一員としてこの豪華キャストの共演は見逃せない。しかし、それよりもこの作品が、たとえばオスカー作品の「ラスト・エンペラー」が人間の内面を必用に描写したのに比べ、本作は舞台設定か紀元前230年にあるものの、内容は同時期のローマ帝国のテイストを使ったところが受けたのではないか?始皇帝とは、アジアの歴史の中でも最も壮大なる「人物」である。

しかし、この作品では、敢えて彼の本質には触れていない。秦王が偉大なことは、この作品に出てくる様な、歴史のオモテ舞台には出てこないものの、たくさんの賢人に支えられその創意だったというところに終着してしまうのが、まさに新しいタイプの、悠久なる中国の現代的歴史顛末の新境地なのであろう。科学や数学と違い、歴史には正確さがない。学問としては常に想定が付きまとう。勿論、科学も仮設から始まるが証明をされなければこの学問は成立しない。しかし、歴史というのは何時の時代に於いても、支配者の概念であり、それは時に簡単に上書きされることもある。今の中国という国は残念ながら、始皇帝に成りたくてなれない輩は五万といるが、その他の賢人たち、所謂「英雄」が居ないのである。この辺りの隠された風刺は中々ではないか?

映画作品としては、ワイヤーアクションの不自然さは歪めないものの「グリーンディスティニー」等と比較するとずっと良くなった。この辺りがまだまだハリウッドの足元にも及ばないのは、アクションの技術や人間工学としての不自然さでなく、構成や脚本というトータル的な部分でのアクションの取り入れ方である。「カンフーハッスル」の様な娯楽作品なら何も文句は言わないが、この作品は歴史ドラマという側面が強いのだから、そのドラマという組立の中の一要素としてアクションを考えないと、この傾向は変わらないと思う。折角、「秦王に10歩まで接近」という良い意味で物語のねっこを持っていたのだから、その部分だけに拘って欲しかった。

しかし一方で色は鮮やかだった。美術全体では、ラストエンペラーに見劣りしてしまうのは当然仕方ないが、よくそれらの色の示す意味合いが掴みきれなかった(これは筆者の鑑賞力、分析力不足)けれども、この色彩感覚は無条件で好きだ。それと、上映時間が丁度良かった。これは公開当時、チャンイーモア監督も自負していた
部分である。氏の取り組みがよくわかる。

アジアの作品としては良くここまで頑張って作ったと思っただけに、敢えて課題を羅列させて頂いた。


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by turtoone | 2005-12-06 23:34 | 映画(は行)