暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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イキガミ

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この作品も原作はコミックらしい。今日本が世界に誇れる文化というのは、コミックとアニメとゲームの三つだということを本当に痛感する。同時に、文学とか美術とか音楽という芸術文化の基礎が底上げされずに、付帯的な文化の質だけが上がっていることに関して考えると、未来がどうなのかという点に関しては多少
心配な気がする。新しい文化の潮流であることには違いないのだが、基礎もまた重要で、その辺りが確立されていないと新しいものは生まれて来ないから。

「国家繁栄維持法」というネーミングも余り良くない(繁栄という言葉は維持するものではないから日本語的に少し可笑しい)法律が可決施行されるのは今世紀にあって、社会主義国はもとより、北朝鮮だって有り得ないだろうが、その辺りは原作者の一流の嘲笑だろう。要はそんな「形」はどうでも良いのであって、重要なことは生命の尊さを認識することが、長い歴史の中で人間ら根本から忘れ去れたものであり、同時にそれを回復することが世界平和に繋がる、基本的なことであるが、だから故、それは人類とか国家とかという大きな単位に課せられたものではなく、一個人と、個人の次に大きな集合体である、家族に課せられているというところがこの作品の根底にあるコンセプトであり、その総論のために、沢山の各論としての例を出している。実に良く考えられた内容であり、このコミック原作の土壌と展開には脱帽する。エンドロールで(連載中)とあるから、今もこの物語はショートストーリー的に色々な「イキガミ」のケースが示されていると思うが、湯川教授ではないが、実に興味深い(このレビューは次回予定)作品である。

今回映画作品で取り上げられた3話は、実際にコミックにあったものかどうかは知らないが、この3話共に実に良く出来た内容である。ストリートミュージシャンが最後に歌う歌。自分の選挙に息子ら届いたイキガミを利用する女性議員。そして、事故で失明した妹に最後の望みで角膜移植を願う兄。どれもが「精一杯生きようとしている人間」を表していて、しかし、なんらかの理由で社会から逸脱しつつある現実は、本人にも社会にも責任があると同時に、だからちょっとしたきっかけがあれば、それは変える事だって出来るのだと言っている。そのチャンスと対称軸に置かれる「厚生保健省」(ついでながらこのネーミングも少しおかしい。厚生と保健は同意語であるから行政の機関名としては不適当。敢えて言うのなら保健厚生か、省庁ではなく、委員会とかNPO・・・一例としては海外の機関で「保健省」としか和訳が無いこともあるが。まぁいいか)の存在が本来この法律の意図するところと正反対の恐怖を押し付けているところがブラックユーモアで面白い。しかも、この法律に対する罪が「思想犯」というのも可笑しく、最早、この厚生保健省なるものは、警察庁と同等の権限があるという、まさに自由主義国家には考えられない発想だ。だからこそ逆にこの物語のメッセージを伝える重要な役割になっている。

松田翔平の演技も良い。この作品は法律とか機関に捉われるのでなく、鑑賞者も人間にスポットを当てて欲しい。1000人の一人という確率は他人事ではないし、また「イキガミ」というオンも「生き神」を想像できて、また尚、面白いではないか。


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by turtoone | 2008-10-04 23:08 | 映画(あ行)