人気ブログランキング |

暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

エリザベス:ゴールデン・エイジ

b0046687_22513412.jpg
英国史の中で、彼女ほど、絵にも物語にもなる人物というのはそんなに沢山いないであろう。わが国でいえば、信長、秀吉、家康といったところであろうか。不思議と年代的にも似通っているから不思議である。最近思うに、やはり世界的に色々なことが起こる潮流というのはどこかに存在していてこれは単なる偶然ではない、バタフライ・エフェクトだったり、別の言い方をすれば「神の意思」だったりするのであろう。そして、日本での織豊時代の英雄と同じく、後世にも物語になりやすいのが、このエリザベス1世であり、彼女の生きた時代である。しかしながら筆者ともあろうことか、前作の「エリザベス」を鑑賞していないのである。これは本当に不覚だった。この続編の制作が決まってからというもの、高を括っていたのでDVDで観れば良いやと思いきや、DVDは未発売。ビデオなんぞ市場に売っている訳もなく、普段は余り訪れないレンタルへ行ったものの、東京といえど、北の住宅街に隣接するレンタル店には全く扱いがなかった。ということで、続編というひとつの映画作品の楽しみは失ったものの、このエリザベスの物語は高い期待度の中鑑賞が始まった。

しかし、前作を観ていないからか、前半はかなり退屈した。史実の部分、つまり、エリザベスと姉のメアリー1世の生い立ちと処遇は、多分前作で終わっているのかどうか、この部分が、妙に簡単に描かれ過ぎてしまい、やはり筆者の様に(歴史は知っているが・・・)続編から観るものへの配慮が全くされてなかった。特に、なぜ、メアリーがあれだけカトリックを信仰しているかの理由というのが、前作も歴史も知らない鑑賞者には恐らく分からなかったと思う。これは大変不親切な脚本だった。もし、前作がなかったとしても時代的には、メアリーの斬首刑がひとつの大きなポイントになる時代背景だから、もっと丁寧に描いて欲しかった。折角、作品的には中盤のピークに達するところで上手い演出と構成だったが、その陰で脚本は甘かったと言えよう。

それからこれはイギリス映画(フランスと合作)だからかもしれないが、やたらと史実に忠実だった。しかし、逆に後述するが肝心な部分を歴史に中軸ではなかったので、少し白けたところもあった。世界史上でも十指に入ると思われる大事件、それがスペイン無敵艦隊の敗北である。エリザベス1世といえばこのアルマダの海戦であるから、ここが映画の最大の見所でもあるし、また、彼女の生涯でも最も大きな決断であった。
作品では当然だが、「カレー沖の海戦」を最も重要視した。イギリス艦隊による火船攻撃は、一方で赤壁の戦いの連環の計などを思い出させるが、この滅茶苦茶とでも言える戦法によりイギリス軍は大勝利を収めた。しかし、元寇ではあるまいし「神風」は吹いちゃいけないでしょ。この辺りは如何にスペイン艦隊が当時強かったということの証であるが、いつも言うように歴史というのは「勝者」の定義で塗り替えられる。スペインが強ければ強い方がそりに勝ったイギリスの方がより強いということで、後々に「無敵艦隊」と言われたが、正直このアルマダの海戦前にスペイン軍は相当疲弊していたし、逆に言えば唯一の戦争の口実であったイギリスに於けるカトリックの頭を失ったというので、大義名分が立たなくなったのも事実。歴史は既に東へ向かっており、スペインにとっては、小さな島国イギリスよりも、大きな大きな南米大陸の方が興味があったのである。簡単に言えばこれが無敵艦隊敗北の顛末であるが、大英帝国たるものそうは言えない。だからこそ、やはりメアリー1世はもっときちんと描いて欲しかった。そうでないと基督教に興味の無い方には分かり辛かったと思う。

そんな中でも、ジェフリー・ラッシュのウォルシンガム卿の「貴方のための法なのだ」という言葉は、神の法より王の法を重視し新しい時代の到来を示唆したこの時代のイギリスを象徴する名ゼリフである。そういえば、海戦前にエリザベスが宮殿で戦略を練っている際に床に描かれていた地図のイギリスとフランスがとても遠い距離に描かれていたのが当時の地理的感覚なのか、とても気になった美術だった。この距離感が英国を強く、誇り高い欧州一の民族に育て上げたゆとりなんだと思う。

最近の研究ではエリザベス1世は正式には王位に就いていないという説が強く、これはひとえにローマ教皇側からの見解であるが、そんなの関係ないっていう強い信念があった人であり、そういう島国風土だったのだ。しかし、戦闘の際に着用していた鎧は、時代が少し古くなかったかな。(突然ジャンヌ・ダルクの百年戦争時代にタイム・スリップしたのかと思った。)

しかし、このシリーズ続編がある?実は、エリザベス1世は晩年も面白いから、ケイトがその歳になったらパート3を制作したらどうだろうか?そうそう、ケイト・ブランシェットはお見事、また一段と好きな女優になった。


公式サイト


allcinema ONLINEの作品ページ
goo映画の作品ページ


よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング


ついでながら姉妹ブログへもどうぞ
「情報過多で悩むあなたに」
「東京の原景を探して」
「turtoone主義」
by turtoone | 2008-02-20 22:55 | 映画(あ行)