暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


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ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ~新作DVD~

b0046687_17492177.jpgローリング・ストーンズは、1960年代から第一線で活躍し続ける、名実共に「世界最高のロックバンド」である。この「活動し続ける」ということが特に価値のあることで、例えば、再結成をしたバンドだったり、或いは、バンドは残っていても、それぞれのメンバーが別の活動をしていて、もう5年も経つ、なんていう例のある中で、やはりストーンズは別格である。更に、もうひとつ、ストーンズは活動し続ける中でも、殆どメンバーが変わっていない。敢えていえば、オリジナル・メンバーの5人の中で、このブライアン・ジョーンズの穴を埋めただけであり、それも、ミック・テイラー、ロン・ウッドと受け継がれ、それも1975年に移籍し、既に30年以上も一緒だから、オリジナル・メンバーと言っても過言ではない。しかし、このローリング・ストーンズという名前を聞いて、ミックでも、キースでもなく、ブライアン・ジョーンズの名前をすぐに脳裏に浮かべる人というのは相当な音楽通である。(筆者は自分でいうのも可笑しいがそのひとり) この作品でも一部描かれているように、ストーンズの初期の音楽と、同時に、彼等が第一線まで上ってこれたのは、ブライアン無しでは全く考えられなかったことであるから。

ブライアン・ジョーンズの変死因は、1969年以降、長いことドラックよる自殺だと言われて来たが、ブライアンと交流のあった建築業者フランク・サラグッドが1993年の死の床で殺害を認め、さらに、当時人工呼吸を試みたスウェーデン人のガールフレンド、アンナ・ウォーリンが2000年にサラグッドの殺害を主張したことを受けて、今回の映画作品化に繋がった。この映画作品はその殺害に至るまでのブライアンのプライベートを中心に、ストーンズ創生時代の回顧シーンを織り込んで製作されているが、いまひとつ残念なのは、音楽才能溢れるブライアンの描写はたいへん少なく、酒とドラッグと女に溺れて破滅して行くところが中心にあることだ。ミュージシャンにつきものの三点主義、しかし、その犠牲の上によって作られる天才的な音楽、なんて構図はわざわざ映画作品にしなくったって大方の事は大方の人が了解済みな訳で今更である。

ストーンズの創世記は、当時のイギリスのミュージシャンの殆どがそうであったように、黒人のブルースである。デビュー曲の「カム・オン」はチャック・ベリーのカバー曲であることも有名だ。しかし、ストーンズが他のグループとは違い、例えば取り訳同時代の超ヒットメーカー、白人なのに黒人の様に歌うと評されたプレスリーや、ブルースもそのひとつとして様々な音楽を取り入れたものの最終的にはアングロ・サクソンの域に留まったビートルズと違い、完全に黒人になりきったところにあり、それが現在でも黒人ミュージャンに敬意を表される数少ないバンドでもある訳だ。そして、その黒人音楽の可能性を更に広げていった側面を担っているのがブライアンの一際高い音楽性であった。特に、楽器に対しての執着は強く、ギターやスライドギターだけでなく、ハーモニカ、ピアノはもとより、シタール、ダルシマー、メロトロン、木琴、マリンバ、リコーダー、クラリネットといった多彩な楽器の演奏に現れた。そして、面白いことに、このブライアンの音楽への探求というのが、ブルースという音楽法則の中で、キース・リチャードのリズムギターと、チャリー・ワッツのドラムというリズムの核に繋がった。それが、前述した、後々のメンバーはブライアンの後釜で補強することで事なきを得た部分で済んだのである。ミック・テイラーにしても、ロン・ウッドにしても、何れもリード・ギターでありながら、このポストが変わったとしても、ストーンズに大きな音楽性の変化がなかったのは、ブライアンによって作り上げられた磐石のストーンズ基礎が揺らぐことがなく、今日まで続いていると言える。更に言えば、ブライアンの後ストーンズの看板を背負ったのは、キースでなく、ミック・ジャガーであったということも大きい。磐石の音楽基礎はそのまま、その上にエンタメ性を積んでいったのが、1970年代以降のストーンズである(勿論、看板はミックであるが、根底はキースが守っていた)。このエンタメ性は、解散したビートルズの後継を担うことにも繋がった。これがポピュラーミュージックの中心に君臨するストーンズを作り上げたのである。

映画作品としては、そんなに面白い作品ではないが、今、創生期のストーンズを扱ってくれたことは一音楽ファンとしは大変有り難いことだと思った。ストーンズイコールブライアンだとしても、そろそろ筆者の中でも忘れかけていた訳で、そういう意味では、この作品を観て、恐らく20年ぶりくらいにストーンズのファースト・アルバム「The Rolling Stones(英盤)」(米盤は「England's Newest Hitmakers The Rolling Stones」)をターンテーブル(CDでも、ipodでもないぞ!!)に乗せた。この作品がなければ、この機会も当分無かったかも知れない。余談であるが、アニタ・パレンバーグに関しては、イギリス映画「パフォーマンス」で、ミック・ジャガーと共演したのは知っているが、この映画に出てくる作品に関しては良くわからない。同時に、ブライアンがこの作品音楽担当したのかも筆者には分りえず、お詳しい方がいらしたらお教え頂きたい。


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by turtoone | 2007-04-12 01:38 | 映画(は行)