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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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幸せのちから

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「人間万事塞翁が馬」という故事成語がある(ちなみに「人間」は「じんかん」と読み、人間のことでなく世間一般のことを指す)が、このサクセス・ストーリーはそもそも骨密度測定器を購入するという大馬鹿なことを起こさなければ、成功には繋がらなかったとと、逆に買わなかったらあんな悲惨な生活にはならなかったと考えれば、「塞翁が馬」であろう。

そういえば、日本がバブリーな時代(ちょうどそんな邦画も公開しているが)反対にアメリカは不況で、日米首脳会談では必ず日本の貿易黒字が取り沙汰された。貿易黒字なんて、とどのつまりは為替の影響だから別にアメリカの不況や就業率に直接影響だどないのだが、1ドル80円なんて時代に触発され、馬鹿な経済学者は1ドル4円時代が来るなんて喚いているから、外交巧者アメリカの思う壷であったのだ。アメリカの失業率も過去最高となり、ようするにそんな時代の話であるが、資本主義の機能成長レベルから行くと、15年くらい遅れている日本にとってはまさに今、現在の話であると思って良いと思う。当時は、リアルタイムで結構サクセスストーリー的、ビジネスマン作品が多かった。シリアルなものよりコメディっぽい方が面白かったりするが、ここのところはそういう作品も少なくなっていたのは、やはりアメノカンドリームは不況な時ほど、その憧れを大きくするのであろう。しかし、厳しいよね。日本が幾ら成功報酬主義になったとしたって、こんなに厳しくはないよ。尤も、無給研修期間に31人の顧客を得て、そのまま就職できたとすれば、多分それはそのまま彼の成績給として計上されるから、(というか、初任給はその契約ロイヤルティーが支払われる。1ヶ月分にだと思うと相当な額の筈だ)成功者は良いが、後の19人はそのまま解雇だから、その契約報奨金って、結局会社に入るのだから、資本主義というのはどういう形をとっても企業が儲かるように出来ている。但し、企業主はこういうだろう。「6ヶ月間シスコの一等地のオフィスを自分ひとりで借りれるか」と。要するに、契約形態が少し違うが、フルコミッションの保険営業みたいなもので、だから成功者とそうでない者の比率で考えたら、日本だったら20対1でなく、2000対1くらい。本当にそれで成功している人間なんて一握りもいないのであるから。

逆にいうと「チャンス」をくれるだけでも、日本は肝要(安易という単語が正しいかも)で、アメリカの場合、その入口に立つまでが大変である。ハーバード並の学歴とビッグビジネスの経験、若しくは会計士や弁護士程度の資格が無い限り、その入口に立つことすら許されない。しかも、推薦人には推薦した責任も生じる訳で、つまりは誰にも失敗は許されない。この辺りが日本とも企業における責任の範囲と度合いのレベルの差がありすぎるのであり、トヨタを除いて日本が世界企業、特にアメリカの企業に適わないのはこういう責任観念とリスクヘッジを常に念頭においているという重さであろう。そういう意味では、この作品でガードナー(ウィル・スミス)は、人材課長のトゥイッスル(ブライアン・ハウ)が彼を判断する力が無かったら、ただのルービック・キューブ王者で終わってしまうところだったのである。だが、そのルービック・キューブを持ってきたのは妻のクリス(タンディ・ニュートン)だったのだから、やはり「塞翁が馬」。

どうも、この作品は妙に予備知識が邪魔をして、やたらと「ペーパームーン」とダブってしまい、ただ、ストーリーを追うはずが余計なところへも関心が行ってしまった。特にウィル・スミスの実子、弱冠8歳のシェイデン・クリストファー・サイア・スミスで、もしオスカーを取れば、ティタム・オニールの9歳の記録を破るとす何とか言われていたが、残念ながらノミネートはされなかった。というか、特に光る個性や勘を感じることはなかった。それよりも、ウィル・スミスの方で、今年はオスカーのチャンスであろう。前回ノミネートされた「ALI」の時には、同じ黒人男優のデンゼルに譲った。(でも、あの年はどう考えても、2年連続でラッセル・クロウだったね・・・)。まだ日本では男優賞のノミネート作品は他に見ることができない(レオさまも「ブラッド・ダイヤモンド」だから)が、この作品は、「ALI」や「エネミー・オブ・アメリカ」の様に全編で演技の上手さを感じる作品ではない。ただ、ラストの雑踏の演技は見事(あの場面だけは泣けた)。117分間見てきた総括をたった30秒余りで演じているところは見事だったと思う。

「塞翁が馬」に戻るが、ああいう結末になって幸せになったとしたら、何もコメントされなかったが、可哀想なのは妻のクリスだと思う。特にタンディ・ニュートンは「クラッシュ」の役柄と重なり余計に不憫な気がしてしまったのは、多分、筆者だけでは無い筈だと思う。


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by turtoone | 2007-02-11 17:00 | 映画(さ行)