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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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人生は、奇跡の詩

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勝手な偏見かも知れないがイタリア人というのは皆、詩人の様だ。観光程度にしかこの国を訪れたことが無いから、筆者のこの国民との接点レベルでは致し方ない。それと、やたら早口?良くもあんなに沢山喋ることがあるのと、どこで息継ぎをしているのだろうというのは、未だもって不思議である。以前に某大学のイタリア語劇なるものを観たが、そう思うのはアクセントのせいなのかも知れない。いずれにしても、やはりイタリアにはラテンな血統的感覚と陽気な慣習の二つは、ぬぐいされないのは事実。

ロベルト・ベニーニは、かの「ライフ・イズ・ビューティフル」以外に、そんなに良く知っている人ではないが、とにかく彼の「ラ・リ・ル・レ・ロ」は気持ちが良い。勿論、それだけでは無い類稀な才能には感服というより嫉妬に近い感慨がある。ただ、この作品に関しては公開前より、賛否両論があり、それもかなり両極端で、いわゆるテレビのお茶の間濁し系は、「ライフ・イズ~」に匹敵の名作という評価から、専門誌やウェブの個人評価は厳しい物が多く、この暮のせわしない合間に、出来不出来、好き嫌いは別として、結構抑えておかなくてはいけない作品が並びたつ中、余計に気になったのも事実である。

しかし、筆者の結論を言ってしまうと作品の発想は良かったが、残念ながら構成に関しては捏ね繰り回し過ぎた観があるのは歪めない。それは、例えば文学でいうところの、純文学という定義とは少し分類が違うかも知れないが、所謂、最近、日常の中の非日常を現すのにやたらと人間を超えた領域を使う事に対して、この作品は人間世界の中だけで処理しようとした。筆者が純文といったのは、いわゆるSFとか、超次元での解釈を加味しないと解決しない問題提起とその決着方法が多い最近の映画作品に対し、それらの反則技を使わずに、この物語を完結させた試みに関して、発想は良かったと申し上げたい。しかしながら、そのために物語の設定や進行に無理が生じたのも事実で、この構成は物語を完結させる為にはこれで良いのかもしれなかったが、鑑賞者としては何とも頭の中が整理されない内に終わってしまったというのが率直な感想である。特に、イラクという空間を何故選んだのかは、もしかしたら超現象よりも理解し難いのは事実。恐らく、この映画作品をご覧になった人の殆どは、この点に関して違和感があるだろうと思う。しかも、詩人だからこそこのイラクという場所で何かを残せるのではないかという大方の期待が、このベニーニ作品だからこそ有りうるというのは、「ライフ・イズ~」を引きずっている鑑賞者には、筆者も含めて当然の成り行きだと思う。しかし、あの名作と違いイラクである必然性も無いし、それ以上に訴える物も少なかった。

一方で二コレッタ・ブラスキが美しくて良かった。筆者が常々述べている女優を美しく撮るという映画世界の言わば鉄則をひたすら実践してくれる、数少ない監督の一人である。ブラスキュを綺麗に撮れるのは、流石にご主人の特権であり、愛情である。最愛の女性をこれだけ美しく撮っているという銀幕に映写された事実だけで、この物語は見事に完結するのであるのだから、そのプライベートをリンクさせるのは常道では無いかもしれないが、だからこそ、必要以上に設定と展開をこねくりまわして欲しくなかったのである。

それと、何と言ってもトム・ウェイツである。ある場面にしか出てこないが、トム・ウェイツは最高のミュージシャンだ。まだ10代の頃、久保講堂(だったと思う。今は無きの・・・)で聴いた彼の渋い声は、この映画で完全に脳裏に蘇った。

前述した様に、試みは良かったが結果的に無理があった。しかも「ライフ・イズ~」を皆で引きずってしまい、期待も大き過ぎた。これだけだと大した作品ではないのだが、女優ニコレッタ・ブラスキの美しさとトム・ウェイツの音楽で作品的な満足はあった。DVD化したら何度も観る必要性を感じた。なぜなら、それはやはりベニーニだからである。


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by turtoone | 2006-12-24 00:32 | 映画(さ行)