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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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THE有頂天ホテル ~My Collection~

b0046687_2195870.jpg確かこの作品が公開されたのは今年の頭だったと思うのだが、勝手にそう考えて慌てて年内にレビューをアップしようとDVDを再鑑賞した。三谷作品というのは、テレビ・映画を問わず、他の日本モノよりも若干評価が高かったりするのだけれど、表題作品に関しては、物語も脚本も細かいところの工夫はよく研究されているが、全体的には何だったのかなァという感想が残ってしまったために、邦画ということもあってこのブログでのアップはついつい後回しになってしまっていたようだ。所謂、「ラヂオの時間」の様な強いインパクトを感じられなかったというのが正直なところ。この人、公開前に「これだけの俳優が集まったのはひとえにボクの人徳です」の様なことを半分冗談、半分本気でのたまわれていたが、筆者に言わせると逆に、そんな有名人なんかを使ったがために台無しにしたシーンが幾つもあったことを最初に指摘しておきたい。また、彼の作品の特徴でもある、幾つかのショート・ストーリーの連繋によって、全体のストーリーを構成しているものの、前述同様、明らかにこのショートはいらないというものがはっきりしていた。敢えてここで、どのキャストが不要で、どのストーリーが不要だったかは指摘したくないが、こういう無駄をカットすることによって、120分以内のよりベターな作品時間に落ち着かせることが出来(もっといえば、この作品のコンセプトなら100分程度で良かった)、評価も高くなったと思う。これでも結構編集で削ったと思われるが、ごっそり落として良い設定があったのだから残念だ。

細かい部分で賞賛したいところは、ストーリーでいえば、お守りとアヒル。この流れと他のショートストーリーに絡む連繋は見事であった。つまり、三谷というのは、こういう「短編」が非常に上手い。その手法は映画でいえばすべて「ラヂオ~」で発揮されている。要はあの作品で次々に台本が変わっていく流れと、本作品における三谷の短編に関する姿勢と拘りは全く変わっていない。しかも、あの作品ではキャスティングが見事だった。「みんなの家」は唐沢、田中を除く主要キャストを失敗したために、作品の繋がりが悪くなっていたが、それらから比べるとご自身の人徳で集められた今回の俳優陣はビッグネームが多すぎたという言い方も出来る。これでは、「○○が▲▲をやっているのが面白い」という、ストーリーではなく、役者の興味の方に行ってしまうという点が上げられるからである。代表的なのが例えばオダギリで、彼の役者としてのスタンスを考えれば、もっと他の役(この映画の中には見当たらないが)があっても良いのに、こういうように使われると、この役柄の人の「苦悩」より、二枚目俳優ゆえヅラ姿のオダギリばかりにおかしさを感じてしまい、この役柄とストーリーの繋がりを忘れしまう。同時に、伊東四郎の総支配人も同じで、途中からあんな状態になってしまうのなら(だから彼を使ったのだろうが・・・)ここは伊東である必要はない。とどのつまりは最終的にこのふたりがリンクする「謹賀新年」も、途中から興味の外に出てしまうのだ。良い俳優を使うという贅沢も大事であるが、役柄ありき、更には物語ありきが先であることを今一度考察して欲しい。たまたまふたりを挙げたが、勿論、もっとたくさん使い方を間違えられた俳優は沢山いる。残念である。

一方で、携帯電話待受画面の一件に関しては、「裏の裏」をかいてくれたり、代議士脱出に関してもラストに繋がる意外性があったりと、前述したように細かいところは上手い。三谷は日本のエンタメ界には貴重かつ逸材である。だからどうしても厳しく(今回はそういう積りはなかったが、過去作やテレビの名作比べると質が低かった)批評してしまいがちであるが、益々この国の大衆娯楽の全体的な底上げのためにも、もっと頑張って欲しいし、今回のような、言い方は悪いが誰でも気がつくようなテーマではなく、あっと驚くような内容の作品化をして欲しい。そう、好き嫌いは別として、故伊丹十三作品の様な「発想の驚き」が欲しいのである。贅沢かも知れないが、彼にはそこまで今後も求めてしまうであろう。


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by turtoone | 2006-11-05 21:15 | 映画(さ行)