暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ナイロビの蜂

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今年のオスカーでレイチェル・ワイズが助演女優賞を獲得しなかったら、多分、見向きもしなかった作品である。というか、勝手にこの部門はフェリシティ・マクドーマンドで決まりだと思っていたから、レイチェルの名前が呼ばれたとき、「エ~ノミネートされてたっけ~?」って。これは実は、助演男優も同じ現象で、ここもジアマッティで決まっていたから、クルーニーの名前が挙がったときは監督賞だと思った。そんなわけで知り合った作品も、「ホテル・ルワンダ」(しまった、これもレビュー買いてなかった)の後でアフリカモノを観たところで、多分、色々不平不満を残すんだろうなと思いながら、しかし、レイチェルの演技だけは抑えておきたいという一念の鑑賞である。

しかしながら、正直なところこの作品の意図、及び主題が全く分からないという結論である。アフリカという地域のことを考えてみると、ヨーロッパの犠牲であるということは、何も今に始まったことでは無い。冷たい言い方をしているのでなく、ヨーロッパが16世紀以降にやって来たことは、全世界に対してであり、何も対アフリカに限ったことでない。21世紀の人間社会の軸で考えると、世界の飢えている人たちは殆どアフリカに集中しているとか、エイズを筆頭に人類科学では未知の領域にある病原の源であるとか、文明社会と名の着く人間、つまり我々は勝手なことをほざいた挙句、哀れむ。これは人間のエゴである。筆者も勿論勝手側の人間であり、「アフリカの~」なんていう言い方や思い方をしている段階では、エゴの固まりなのであり、あんたなんかにこの地域の現状を語るは愚か、考える資格すらないというものだ。そう、何もしていないのは、何の思いも無いのと同じ、「クリックで救える命がある」は毎日クリックしているから、それが一体なんだっていうんだろうと、自己の無力さと不甲斐なさをいつも感じる。

だから、こんな無力の認識は日常のニュースで充分である。この作品、一体、何を、問題にしたかった?製薬会社の人体実験? アフリカに今日はびこる不正、利権、汚職の数々?そんなことはわざわざ映画作品にしなくても分かっているのが当然。日本経済新聞やNews week読んでいれば、NHKスペシャルやCNNを観ていれば、最低月1回はこんなニュースを報道してくれる。つまり作品にするには、可也突っ込みが甘かった。単なるドキュメントタッチだけでなく、文芸作品に仕上げたかったのか、それとも、冒頭の展開から、ミステリー要素を入れたかったのか、ストーリーは問題点が確信に近づくと男女の愛と誤解にアングルが振られ、同時にそのたびに焦点が惚ける連続であった。筆者の鑑賞の仕方が甘いのかもしれないが、この作品の様に、鑑賞側のエモーショナル・ラインをぶっつん・ぶっつん切られてしまうと、正直、最初から「鑑賞の方針」を決めている訳でないので、最後の最後まで戸惑った。穿った見方かも知れないが、人間愛という観点から考えると、愛なのか任務なのかその線引きを妙に暈かしつつ、最終的にジャスティン(レイフ・ファインズ)の後半の行動を、アフリカの現状と同軸で描こうとしている「エゴ」が妙に鼻につき、又、悲しかった。無論、前述したように、筆者にそんな悲しむ資格などないのであるが。

また、残念ながらレイチェルの演技はオスカーモノだとも思えない。冒頭は「コンスタンティン」のパロディかと思ったが、この作品の演技と然程かわらないのは、テッサの中にある真実が彼女の演技から伝わってこなかったからであろう。尤も、これはレイチェルの演技の問題でなく、前述したエモーショナル・ラインをぶつ切りにしてしまった脚本の問題だと思うが。寧ろダニー・ヒューストンの演技が見事であった。この人って監督業が本業なのだろうが、「功名が辻」の三谷なんかと違って、役者としての活躍も今後期待できそうだ。ヒューストンってどこかで聞いた名前だと思ったら、父は「黄金」でオスカーを獲得したジョニー・ヒューストン監督。この人も監督と役者の両建てだった。次いでながら、この「黄金」に出て、助演男優賞を取ったのが、ジョニーの父、ウォルター・ヒューストン。って、ことは、あのアンジェリカ・ヒューストンはダニーの姉(彼女も「女と男の名誉」でオスカー助演女優を獲得)ってことで、そう、知らなかったこととはいえ、最後はオスカー一家ヒューストン家の紹介になってしまったようだか・・・。そうそう、音楽は良かった。

早いもので、オスカー主演女優作となった「ウォーク・ザ・ライン」のDVDが発売されたので早速購入して改めて鑑賞したが、このレイチェルが助演なら、あごムスメの主演もありかって妙に納得してしまった。この作品は随分身近に観にいきたいという人が沢山いるのであるが、筆者的にはDVD、それもレンタルで充分だと思う。


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by turtoone | 2006-05-30 21:27 | 映画(な行)