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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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SAYURI

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「Mr.&Mrs.スミス」のレビューにこの作品はコメディだと書いてしまったが、尤も、筆者は「ラスト・サムライ」同様、この作品に描かれている「いい加減な日本」を観にいったのだから、そういう意味では大変満足のいく作品だった。なぜか筆者だけは、最初から最後まで笑いの連続で、しかし、場内に笑い(を堪えているのは他に家内だけ・・・)がまったくないので、少々窮屈で苦しかったとも言える。だが、敢えて言っておきたい。本日筆者と同じ回に鑑賞した諸兄は、この作品の日本描写を笑えないのなら、せめて、「馬鹿にするな」と怒って欲しい。ロブ・マーシャルが作ったかどうかしらないが、こんな作品、文芸作品でもなんでも無い。

鑑賞の記念に幾つか記しておこう。アイスクリーム・コーンに入ったチェリー味のカキ氷ってなんだ。そんなもの日本の何処に売ってるんだ? 神社にお賽銭を上げたらゴーンと鐘の音、ここは一体どこなんだ? そういえば、あの幾重にも連なる鳥居の様式は「豊川稲荷」に似ている。そうか、間違いない、ここは神仏混合している場所なのだ。その他最初の方のBGMは中国の音楽、おばさんは家の中で杖をついているし、風鈴を呼び鈴にしている文化も珍しい、ジャグジーの様な混浴温泉、襖に丸い窓があったり、町中提灯がぶら下がっていて、まるで台湾みたい。しかもなんの模様だあれは・・・。あの文様は以前に寺院でみたことがあったが、一般家屋の軒下に吊るすものではない。そうそうお寺の木魚の原型みたいのが店の看板にも使われていたね。一体どういう文化なんだろう。芸妓の踊りも、くるくる回す扇子は(いつもより多く回っておりますって、漫才だぁ~)、序に傘の上でも回して欲しかったし、「花祭り」のサユリの踊りって芸者ではなく、どさまわりの芝居小屋に通じるものがある。へんなスポットが当っていたし。しかし、お座敷も照明はランプだったねぇ~、まだ行灯なら分かるけど・・・。筆者もそんなに花街で遊んでいた訳ではないが、遊んでない人だって、この滅茶苦茶な描写は酷いと思うし、失礼ながら大体この町は何処? 東寺の五重塔らしいのがあるが、碁盤の目ではないから京都ではない。吉原だとしたら浅草寺の五重塔はこんなに近景でない。料亭の庭も酷い。どうしてああいう中国みたいな庭になってしまうのだろう。一年中桜が咲いているし、恐らく、日本でああいう庭を持っていたのは、鎌倉時代に日本に貿易をしていた宋の豪商が小倉あたりに当時立てた屋敷くらいだと思う。しかし、それでいて、相撲の土俵は、ちゃんと4角の「房」の柱があるという時代考証は間違っていない。しかし、その時代考証的はなしをすれば、この時代に明治末期みたいな格好をしているから可笑しい。少なくとも、後半は戦後の話になるのだから。

そして兎に角許せないのがキャスティングの名前。「さゆり」と「千代」って一体どっちが源氏名だ? 「豆葉」、「初桃」ってなに、最近流行っている焼酎でも、こんな名前はしらないし、工藤夕貴の「おかぼ」ってパンプキンのことなんだろうか?なんでも花の咲く植物の名前をつけりゃあ言い訳ではないだろう? おねえちゃんの「佐津」って名前も凄いね。おそらく「ちず」とか「さと」にしたかったのだと思う。いやいや、上げれば限が無いけれど、これはこれで又、DVDになったらじっくり、「馬鹿にされた日本」の描写を楽しみたいと思う。予告編で一番気になっていた「着物の着付け」だが、桃井かおりなんかは自分で着ているのだが、他の俳優が着ているのはどうやら、着物の形をした洋服のようだ。但し、座敷に上がる前から皺になっているシーンは、もう少し美術が気を使って欲しかった。

物語も何を言いたいのか分からなかった。「芸者」という西洋からすると奇異な感覚をクローズ・アップしたかったのなら、もっとさゆりの「心」を描いて欲しかった。そういう意味では、工藤夕貴が一番印象に残ったのは、日本人であり、且つ、ハリウッドでも成功している女優として、日本の文化を世界に紹介する担い手の役割りを努めていたのだと思う。そのあたりが、チャン・ツィーも、コン・リーにしても同様で、中国の俳優だから、本質的に日本文化の「謙虚な美」という部分での凝縮された「花街」の感覚を演じきることは無理だった様だ。しかし、流石だと思ったのは、ミシェル・ヨーで、アジアの国際スターもこのクラスになると、迫力と彼女自身の意志で、役作りをこなしてしまうんだなぁと感服した。少し歳は隠せないが、内面の強さと美しさを持つ「アジアン・ビューティー」とは、寧ろこの人のことだと確信する。

もし、誤った日本描写に抱腹絶倒したい人にはお薦め。但し、会場内はとてもそういう雰囲気ではないが。


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by turtoone | 2005-12-11 18:57 | 映画(さ行)