暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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遥かなる大地へ ~My Collection~

b0046687_10162481.jpgアメリカという国の歴史は浅い。勿論この場合の国という定義は、ヨーロッパ仕様の近代的国家に当てはまる言い方で、大地に根付いた民族の存在は古い。コロンブスがこの大地を発見したのが1492年で、歴史的発見の如くのたまっているが、ヨーロッパ暦に初めてこの地域が認知されただけである。そういう言い方をすれば、この発見が今日の国際情勢の悲劇の始まりだったかも知れない、なんて書いていると、論旨がつい先日アップした「パールハーバー」と変わらなくなってしまうので、ここらで止めておく。

土地への執着というのは、世界中、どこの民族にも共通して持っている観念だ。いや、言い方が悪かったかも知れない、一言で言えば人類は皆、土地に執着がある。しかし何故最初に別の表現をしたかと言うと、執着はしているものの、その内容が細部で、民族毎、あるいは人それぞれでかなり違う。たとえば、ネイティブアメリカンなどは、大地こそが神に近い存在であると考える。アフリカンもそう考える者が多い。新大陸発見時代、地元のアフリカンに道案内兼荷物持ちを依頼したヨーロピアンが、ある場所から何日もアフリカン達が動かなかったという。不思議に思ったヨーロピアンが通訳を介して尋ねたところ、「体はこの場所に着いたがまだ魂が到着していない。この土地に、まだ魂が入ることを許されていない」と答えたそうだ。

我が国などは、もっと現実的且つ顕著である。源頼朝が武家社会を立ち上げた理由のもっとも大きな要因は御家人の地べたを守り、従来の貴族支配下の荘園に対しての争議にあたり、個々に争うよりも集団で対応した方が断然有利だと考え、武士達も、その交渉団の団長として、源頼朝が適切だと考えたからである。要するに、頼朝と言う人は現代で言えば、被害者団体会長である。が、しかし、その団長により力をもたらすために彼は幕府を開く7年も前の1185年に、全国に守護・地頭を配置している。義経が悲劇のヒーローの様に言われるが、源氏と平家の喧嘩に勝っただけ。武家社会という運動会の騎馬戦大将として活躍しただけで、生活の恩恵を何ももたらしていない。それは、実は清盛も一緒である。封建制度が武家の間で領地という土地を媒介に成立した一方で、農民はひたすらアジアでもっとも稲作に適した肥沃な土壌で米作りに撤していた。結果、江戸時代には世界にも極めて稀な大名の勢力が土地の広さではなく石高で比較された。武家は稲作生産の多い土地を求め、一方農民はより豊作を願った。戦後は各個人が不動産という有形でありながら実際は帳簿上の資産の虜になった。と言うわけでこの物語の根底を為す土地への執着とは可成、異質である。

この物語は全編が土地の話である。自分の土地を持てという父の遺言から始まり、その実現が大団円になるが、合間に新地を求めた人間の足跡をアメリカ開拓史とうまくリンクさせて描いている。しかし、一方でこの作品は最初にシアターで鑑賞したときの感動がその後ビデオやDVDで観ても全く感じられない。その原因は未だ分からないが、もしかしたら、トムクルーズとニコールキッドマンの当時夫婦の共演作品であるからかも知れない。公開当時、熱々のこの二人は、どちらもスターダムに伸し上がる発展途上だった。この作品を観て誰もがこの夫妻がハリウッドのトップスターになることを確信する、そんな役者の勢いと、夫婦共演として呼吸のピッタリあったところの両面を堪能できたのだと思う。
この作品の夫婦共演の呼吸の良さと比べると、名作であるが「アイズ・ワイド・シャット」の方は、各々の演技力は上がっているものの、何か二人の間に深い溝があると思うのは、結果論からの偏見だろうか(逆に作品としては「アイズ~」は、それが良いのだが・・・)

いつも言うようだが、この時代のアメリカ史を扱った作品をもっと製作して欲しいと願う。


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by turtoone | 2005-11-19 10:44 | 映画(は行)