暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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パールハーバー ~My Collection~

b0046687_23183042.jpgこの作品を見ていると、結果的にアメリカという大国を世界の大戦に巻き込んだのはどうやら日本国らしい。実際問題、アメリカは他国との戦争で本国が戦場となったことは一度もない。アメリカは長いこと国内で南北戦争とその後の問題の処理に奔走していたからであろう。当時は世界に冠たる軍事戦闘力を兼ね備えた日本軍に対しての真珠湾後の応対と米国民の動揺は計り知れなく、この作品にも描かれている通り、政治も、そして国民生活もある種の不安な日々を送っていたに違いない。冒頭に書いたように、結果的にはこれが「世界の警察」アメリカの序章になっているとしたら(事実なってしまった・・・)現在の世界状況を基礎をわが国の安易な発想で作り出してしまったのである。確かに日本は、欧州の植民地支配からアジアを守ろうという大きなビジョンがあった。しかし、それはあくまでも後世、つまり現代の見方からすると、必ずしもその方法論は正しかったとは言えない。良く「それは歴史に委ねよう」という種の言葉を、その時期その時期の偉大なる政治家はしばしば口にするが、もしこの時期のことを「委ねた」としたら、残念ながら、大いなる間違いだったとしか言えない。但し、これだけは申し上げるのは、敗戦国だからとして日本やドイツだけが悪い言い方をされるのは、「勝てば官軍」の理屈であり、やはりどう考えても、世界中が間違った時代だったのであり、しかもアメリカの参戦は、新世紀に入ってもそれを継続させてしまっているのである。

Remenber pearl harborは、現在でも米国民の根底を形成する一要素になっているようだし、この作品が真珠湾攻撃60年(アメリカにも還暦って感覚があるのか?)を記念して制作をされているという意図があるとしたら、なんと疑心暗鬼な国民性だと疑ってしまう。我が国は浮沈空母(それも困るが…)では無かったのか?

作品についてだが、ブラッカイマー制作の中でも特に撮影効果と技術の拘りを感じる。真珠湾攻撃にスポットを宛てた作品としては、「トラトラトラ」や「ファイナル・カウントダウン」等があるがたとえば零戦の低空飛行シーンといい、或いは、戦艦アリゾナ沈没シーン(個人的にこのカメラワークは後のキングアーサーの氷原シーンに連携していると思う)の描写は流石だと言わざるを得ない。但し、この作品は娯楽作品ではないので、残念な点をあげれば、人物に感情移入するのが難しかったと言える。主役の二人は竹馬の友で飛行機乗りが夢。しかし一人は文字認識の障害が、もう一人は先の世界大戦で外傷的精神傷害になった父を持ち、そして愛している。戦争の持つ悲劇として、形あるものの破壊・崩壊と共に、人間の絆を引き裂くという無形な残酷を表現するのは常であるが、前述した撮影効果に比較すると、ストーリー構成が余りにも平坦であるが故に後半30分は、ルーズベルトが車椅子から立ち上がる場面以外に見所はなかった。

この作品は日本でも、特にシニア層に支持された。筆者は以前サイパンにいった際、広島原爆投下の任を受けたパイロットが、その重さに妙切れず失意のどん底に落ちて任務を執行できずに裁判にかけられたり、実際に参加した人間が帰還してからより、自問自答、自己嫌悪に陥り志願除隊や自殺、はたまた精神障害に至った米軍兵が何人も居たことを現地の老人から聞いた。その史実と比較して、この作品におけるRemenber pearl harborはこんなにいとも簡単に描いてしまって良いのかという疑問符を投げ掛けたく思う。歴史に学ぶという事は、過去を忠実に再現することも然りだが、もう一つ過去の反省に立った改善のための提言だと思うからである。勿論、歴史は人が作るものである。が、だからといってこのアメリカの進路を左右するほどの大きな歴史的分岐点を竹馬の友だけで表現するというのは、余りにも短絡的過ぎないだろうか?

180分つきあって、残ったのは疲労感だけであった。

最後に俳優については敢えていう必要もない、既に御馴染みである3人、「グッド・ウィル・ハンティング」のベン・アフレック、「ブラック・ホーク・ダウン」のジョシュ・ハートネット、そして「セレンディピティ」ケイト・ベッキンセイルが共演している。ここでも輝いているのは、ケイトであり、その後の「ヴァンヘルシンク」「アビエイター」の好演の予感を既にこの作品の時点で感じることが出来る。イギリス出身でオックス・フォード在学中から映画出演し、ついに3年で中退してしまうほどのめり込んでしまった彼女は、それでいて妙にインテリぶっていないところに好感が持てる女優である。久々に、モノクロフィルム映像で観てみたい、そんな女優だと思う。但し、この作品は、真珠湾60年記念作品化以外に、何も得るものは無いが・・・。


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by turtoone | 2005-11-14 23:30 | 映画(は行)