暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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星になった少年 Shining Boy and Little Randy

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すごい体験だった。予告編を何度も観ているから、「泣き」のポイントが何処だか分かっていて、しかもその場所の直前でも「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」と分かっていたにも係わらず、涙だけでなく鼻水まで止まらなくなった。すごい、常盤貴子って一体何者なんだろう。以前から彼女の演技力は日本女優でダントツなのは分かっていた。分かっていて、しかも、繰り返すようだが、この作品は何処で泣かされるかも分かっていたのに、そして精神的に張り巡らした防御シールドは殆ど完璧だったのに。そう、言い換えれば邦画でこんなに泣いた作品はないだろうな。

以前にプーケットにバカンスで滞在したときに、毎朝、朝食が終わった頃に必ずホテルに現れるのが、子像と象使いとその小僧。当時、小僧の年が5歳で長女と同じ、子像は18ヶ月で次女と同じ、象使いの年は不明の何処か境遇に親近感が漂うトリオが、やはり、ハーモニカを首を振り振り吹きながら踊ったり、客の鞄を鼻で取り上げて周囲を歩いてから持ち主に返したりという芸をやっていた。長女は子象の背中に乗って得意満面、次女は象が怖くて狂喜乱舞。序ながら言えば、彼等の生活に密着してなくてはならない象を神聖な動物として尊重しているこの国のお土産といえば、被服類は殆どの物に象がデザインされている。かくいう筆者も象のネクタイを記念に買った。子象と象使いとその小僧に出会った記念。ではなく旅行の記念に。

その象使いが小僧ではなくて子象の方に、芸の合間に人影で額をつけていたりしたが、そうかあれが象と会話している姿なのかとこの作品を観て理解した。

しかし、トキワには泣かされることは予定内だったので、これはこれで良いのだが、驚いたのは、柳楽優弥という俳優に関してである。筆者は「誰も知らない」は観ていないので、カンヌを感嘆させた演技というのは知らない。だが、この作品の彼の演技でそれは十分理解できた。彼はどうして「素」で演技が出来るのだろうか? よく舞台から映画に転向した俳優が、オーバーアクションだと演出家に注意され、「自然体」を強調されるのはこの世界の常であるが、柳楽くんはまったく「自然体」である。しかも、台詞が自分のものになっている。多分、彼は台詞が入るのも早いのだろうと推測するし、ちょっとの台詞違いでも誰も気づかなかったりするだろう。これがホントの「誰も知らない」、なんて冗談ではなく、彼の持つ天性の役者勘に感服してしまった。不思議と、トキワさんも高橋氏も、ある意味くさーい相島氏も、彼と絡んでいるときは、芝居が自然体だった。武田鉄矢は象を仕込んだことでなく、彼の演技を褒め称えるべきだとつっこんだりしてみた。

さらにいえば、この作品にはもうひとつ「真の家族とは何か」を考えさせられる。少年の家庭もしかり、象使いとして集団生活している姿もしかり。そして何より、芸を演じる象たちは、母親象から親離れさせられ、海をわたり異国の地に訪れ、更には破産したサーカス団や、移転した動物園などから寄せ集めにされた「偽りの家族」(そう、ここが「誰も知らない」の設定に似ている)である。であるが、芸をしているときの象たちは「真の家族」以上の信頼感と連帯感を漂わせている、と、これは柳楽くんの作品中台詞の受け売りであるが、この作品の主題が、最後のシーンまでその緊張感を引っ張り続けた構成は見事であった。これが、トキワに泣かされると分かっていて、さらに張り巡らせた防御シールドを突き破って号泣した所以である。

「涙は心の汗だ」なんて青春番組があったが、連日真夏日が続く今日この頃に、心の汗をありったけだすには最高の作品である。

最後に我が家では「象になった少年」と半分ふざけて間違いていたが、あながち間違いではなかったことを付加させて頂く。


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by turtoone | 2005-08-06 23:26 | 映画(は行)