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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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モディリアーニ ~真実の愛~

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人物モノとしては、先日のヒトラーの興奮が冷めやらないまま、一週置きでこの鑑賞となった。実は先週の鑑賞予定だったのだが、急用が入り一週延ばしたが、結果的にはそれで良かったと思うほど、同じジャンルとしてヒトラーが衝撃的過ぎた。

アメデオ・モディリアーニという画家は独特の線を持っており(というか、この時代の画家は皆何かが独特である)、一般教養程度以上に絵画には造詣の浅い筆者でも、シャガールやマティス程ではないが好きな画家である。しかし、その生涯は、ゴッホと並んで波乱な一生という印象が強く、特にこの人の場合は、愛人ジャンヌ・エビュテルヌ(最後はモディリアーニ夫人になったという説もある)の悲劇というのが、当人の作品と同じくらい後世には有名で、芸術家の生涯というのは、当人も周辺も波乱含みで大変である。しかしながら、それくらいでないと映画の題材にもならないのも事実である。今作品は冒頭にわざわざ「フィクションである」という趣旨の断りが入っているが、偉大なる芸術家・モディリアーニの「小説よりも奇」なる事実を、更に「芸術作品」として描くには、子孫への配慮があったのであろう。

さて、作品についてであるが、ラストの前、逆に言うと一番いい場面でこの作品は何を思ったのか思いっきり「下げ」てしまった。予告編にも出ている、画家が各々の作品を発表している直前に酒場で浴びるほど飲んでしまうという心理と、その結果の悲劇に関しては全く解せない。そもそもこのコンテスト自体がフィクションであるだろうから、事実ではないはずだが、如何に冒頭に断り書きを入れたとしてもこういう展開はないだろう。正直、この意図は全く理解できなかった。ネタバレで出来ないのでこの程度にしておくが、この1シーンがなければ、この作品のレビューは絶賛の連呼で終わっただけに残念であった。

パリのサロンの再現も見事であった。この作品、キャスティングと美術、それに撮影効果はそれぞれ満点に近い。同時に脚本に関しても、モディリアーニの影ともいうべき少年を設定した。この試みは当った。以前、「五線譜のラブレター」の設定を絶賛したように、この少年お陰で、モディリアーニの生涯を客観視しながら、一方で同時に主題になっている「愛」の部分は、モディリアーニか、ジャンヌのどちらかに感情移入できることにより、この数奇な運命を辿った天才芸術家とその愛人の生涯を描写し観客に理解させることが出来たのだった。それだけに、本当にそれだけに前述のクライマックスの展開、物語の進行はこれらのエンディングに向けての流れを一刀両断のもとに絶ってしまったのである。何度も言うが残念だ。

配役も期待通りだった。特に、主要3人は素晴らしい演技だった。アンディ・ガルシアは「アンタッチャブル」と並ぶ(「ゴッド・ファーザーPART3」もあるがアンタッチャブルとジャンルがかぶるので)彼の代表作になった。年齢も50に近づき、一段と深みを増してきた。これから益々良い俳優になっていく片鱗をみせ、今後は大器晩成型の俳優になって行くと思う。ピカソを演じたオミット・ジャリリ。彼も最近注目している俳優のひとりだが、チョイ役が多かっただけに、この作品は彼の演技を十二分に堪能できた。筆者は多分、DVD化されたら彼の演技を見るためだけの目的で購入すると思う。しかし、一方でこの作品は英語だったのが残念だった。筆者は外国語に疎いが、その筆者ですら違和感を感じたのであるから、言語に堪能な方々や、フランスが好きな方は、やはり仏語で演じて欲しかったであろうと思う。

総じて、歴史上の人物を如何に魅力的かつ内面的に描写する際の実験を色々と試みた結果、成功と失敗を同時に生み出した作品であるといえる。以降の同ジャンル作品の製作は、この作品の成功と失敗を是非参考にして欲しい、そういう判例法のような作品である。

最後に日比谷シャンテがリニューアルしていた。座席も指定になっているので、まだ新しいシャンテの利用が無い方はご注意を・・・。


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by turtoone | 2005-07-22 23:37 | 映画(ま行)