Dear フランキー
2005年 07月 20日
作品の途中から、改めて「真実」とは何かに関して暫く考えてしまった。人はいつの日も「真実」というのを必要以上に追求することがあるが、その真実というのは果たして「正しい」ことなのかというとそうでないことが多い。そして「真実であるが故に」それに惑わされ画策されることが多い。同時に、誰かのための真実を追求するがあまり、別の人間の虚偽を続けること。しかし、この母親には、その嘘を続け通す必要があるだけの、「たったひとつの過ち」があり、その過ちは紛れも無い真実なのである。この物語に、必要以上に感動してしまう点はこの真実の連繋にある。だからこの作品は、シアターでも感極まってしまう場面が、観る人によって区々であるところも特徴的である。恐らく、感情移入がし易く、同時にそれぞれの人が同調するポイントが随所にある物語だからである。そして、ラストも極めてソフト・ランディングで、この後の話は、観客がどう考えても良い様に作られている。中々の構成だと感服する。
筆者はエミリー・モティマーの表情が大好きである。「キッド」の時も良かったが、今回の母親役は今までの彼女になかった「強い意志を持った女性」を表現した。そもそもが「癒し系」表情が素で出来る貴重な存在なので(日本でいうとさとう珠緒さんの表情が近い?)こういう芯の強い母親役というのは、今後も彼女の活躍の場になることを期待したい。子役のジャック・マケルホーンは、初めてである。確かユアン・マクレガー主演の「猟人日記」に出演していた(おっと、この作品にはエミリーも出ていた筈だ)が、ティルダ・スウィントンも出ているこの作品をまだ観ていないので、近々鑑賞を予定。それから、ジェラルド・バトラーは、何というかとても「人の良さ」が演技に溢れている。「オペラ座の怪人」でも、何処か「怪人」というより、その悲哀さに共感してしまったのは、この俳優の根からの人の良さだと考える。
ふと気が付いたのだが、この物語の設定って、日本のテレビドラマに適している。というか、次のクール辺りでドラマ化の計画があるかも知れない。勿論10話構成だから、可也色々なサイド・ストーリーが必要であるが、結末は別として、日本人の好きな設定である。但し、スコットランドのこの景色と、「船乗り」という職業は、海洋国日本の割には余りピンと来ないから、何か別の設定が必要だが。誰も書かないんだったら、脚本を書いてみようかなと、真剣に思っている。
舞台は旬な「知床」、職業は「サーカス団」か何かで書いてみたらどうだろうか?
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by turtoone
| 2005-07-20 23:13
| 映画(た行)