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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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バッド・エデュケーション

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この作品は、昨年の「モーターサイクル・ダイヤリーズ」が予想以上の出来で、且つ、主演のガエル・ガルシア・ベルナルが大変好演をしたので、この筆者の「春夏シネマランキング」では、期待度第1位であった。筆者のように期待を持った映画ファンも大変多かったらしく、平日にも関わらず、朝から入場者も多く、特に、シルバー層が多いのには可也驚いた。確かに、東京のミニシアターは、ここ1年くらい若いカップルより、シルバー・カップル(割引もあるからかも知れないが)が多いのが目に付く。映画ファンの裾野拡大には素晴らしいことだと思う。

しかしながら、この作品は一点だけ、「事前情報」で掴みきれない点があり、筆者としてはその部分で鑑賞前に心の準備が無く、その点が大きなマイナス要因になった。そう、ネタバレに近いが、筆者は「男色映像」は嫌いなのである。決して偏見でなく、女性の同性愛映像は違和感が無く、むしろ演じる人間によっては(「トリコロール燃えて」のセロンとペネロペの様に)美しいとすら思ってしまう。しかし、やはり男性の「映像」は絶対にいただけない。妙なもので、自分もモノ書きの端くれなのだが、男性の同性愛を文章で描写したり表現したりするのは、そういう趣味はないが違和感が無い。でも現実の映像は嫌だ。そういうスタンスで観たレビューである。

また、ひとりで3役こなすガエル・ガルシア・ベルナルであるが、申し訳ないが、「女装」が似合う顔立ちでは無い。これは好き嫌いの範疇であろうが、少なくとも筆者の「好みの女装」では無い。この部分が鑑賞中に何度も興醒めさせられたのも、残念な点であった。つまり、3役やっているにも関わらずその中に均等に感情移入できんないために、ファンという役の部分のストーリーだけが進行してしまった。これ以上書くとネタバレになるが、その役柄にも映像的に裏切られることになってしまうのだが・・・。

確かに、テーマとして描きたい部分は良くわかるし、これだけの問題点を背負っていながら、展開が難解にならなかった部分は大変高い評価ができる。また、劇中劇である「訪れ・・・」との区分けも実に明解で、同時にその劇中劇の進行と、映画自体の進行にまったく違和感が無く、スムースに処理されているのも、脚本の出来の良さを感じるのである。これも本当に高い評点をつけられる。音楽も最高。だからこの作品、採点としては客観視重視なので高得点ではある。しかし、映画は「総合芸術」であると同時に「嗜好品」でもある。残念ながら筆者の嗜好にはならなかったというのが、この作品の総じてのレビューとさせて頂きたい。

前述したようにシルバー層が多かったが、あの方たちは、こういう映像をどう思われたのか、少し心配だった。


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by turtoone | 2005-05-02 18:31 | 映画(は行)