暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ビヨンド the シー 夢見るように歌えば

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前評判の大変高い作品で、公開前から期待していたのだが、映画館によって上映スケジュールが区々であったために、結果、最終日に滑り込み鑑賞になった。とはいうものの、筆者の周りの特に音楽関係者の間では大変評価が高く、周辺で見ていないのは自分だけという状況だった。そして、結果は大変満足のいくものであった。

作品の題材である、ボビー・ダーリンに関してはこの記事では省略させて頂くが、丁度同じ時期に「Ray/レイ」が公開され、オスカーやグラミーという話題性が高かったために、こちらの方が霞んでしまった観があるが、この作品におけるケビン・スペイシーの演技は、もはや形容しようものが無い次元のものである。映画作品で比較的最近の人物を扱った作品は多く、例えば、前述のレイ・チャールズであったり、「アリ」のウィル・スミス、「マルコムX」のデンゼル・ワシントン、「ガンジー」のベン・キングレーのどれもが決して物真似というレベルだけでなくそれぞれが素晴らしいが、今回のスペイシーは、そういう次元ではなかった。なんと表現すれば良いのだろうか、最早、これはスペイシー自身がひとりのエンタティナーとして確立されている。そういうレベルなのである。この作品の彼を見たときに、勿論俳優として大成功を収めているのは承知の上でも、実は道を間違えたのではないかと思った。彼自身のこのテーマを10年以上も暖めたというが、よく、ハリウッドでの成功者でも、本業はミュージシャンだったという人も多い。なかなか本業では認められず、バイトやエキストラの副業をやっている内にこちらで認められたと言う人は多い。日本などはその典型で、特に、ミュージシャンというのは、俳優にするといい味を出す。これは天性の勘とかセンスの良さなのだろうと思う。くどいようだか、スペイシーの次元はもっとレベルが違うが・・・。

作品の構成も良かった。この物語は、ボビー・ダーリンという一人の主役に、進行形の主役ともうひとり少年時代のホビーが常に介在している。こういう手法、表現法というのは決して珍しいものではないが、同時に構成が難解になる。観客としては、主人公に感情移入していく中で、これが、単なるフラッシュ・バックならついていけても、もうひとりの主役の存在で、どこに観客の感情を位置したら良いかが分かりにくくなるのだが、この辺りは常に、この少年時代のボビーを二人称的な扱いで第三者的に処理し、その上で心情を共有している見せ方だったために最初は少し困惑したものの、全体を通して主人公の心境を描写するという点では、大変分かり易くなった。更に言えば、この処理の仕方がエンディングをも、とても感動的な物に導いた。

全体を通して、「生きるということは、今までに何をしたかということでなく、これから何をしていくか、今、何を行動できるかに価値がある」という主張を貫いた作品になったが、これは、実はケビン・スペイシー自身の生き方であり、この作品を作り上げた熱意の根源であり、今後の彼の取組みだろうということを強く感じる。スペイシー自身が監督も出演もやり、更に私財を投げ打って作り上げた作品の出来栄えは、イコール熱意に比例した感動を観客に与えたと言って良い。兎角、映画作品は最新技術や興行成績ばかりに注目されるが、こういう作品を正しく評価して欲しい、絶賛でないのなら、どこが良くないのかを論じて欲しいと思う。

最後にひとつだけ、少年時代のボビーを演じた、ウィリアム・ウルリッチが大変良かった。現在11歳でありながら、既に、ブロード・ウェイでは4年の経歴があるという。これからの彼の活躍に注目したい。

東京での劇場公開は終了したが、是非、可能性のある方はDVDでなく、劇場で見て頂きたい。


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by turtoone | 2005-04-08 21:50 | 映画(は行)