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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ザ・エージェント ~My Collection~

ザ・エージェント ~My Collection~_b0046687_2326378.jpgごぞんじ、トム・クルーズの代表作である。筆者はこの作品でレッド・カーペットに乗り込んだ時のオスカー会場における彼の表情を良く覚えている。特に、キューバー・グッディング・Jr.が、助演男優賞にコールされたときの喜びようは尋常ではなかった。当然、自身の主演男優賞も誰もが獲得すると思ったに違いない。というか、この作品におけるトムの演技は、20世紀の映画史上に残るといっても過言ではない。ジェフリー・ラッシュには申し訳ないが、オスカー史上最悪のミスジャッジだった。そして、その後も素晴らしい演技をみせてくれている彼であるが、この作品のレベルには中々到達していない。ちなみに、前哨戦のゴールデン・グローブ賞ではこの逆で、トムが主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)を獲得、キューバーは残念ながら受賞を逃している。

この作品は、前半、主人公である、ジェリーのバースディーを祝う、ビックリ・パーティから始まるが、彼の私生活や人と成り、映像化された美女達の評判を追う限り、トム・クルーズ本人ととても印象がダブって来る。この「入り」の流れがとても良く、全く違和感がないので、彼の甘いマスクと併せて、主人公にグッと感情移入できてしまう。この効果がとても大きく、次のヤマとしては、キューバー演ずる二流アメフト選手・ロッドとの契約であり、トムと一緒に"show me the money !"と叫んだ人は多いのではないだろうか。(実は筆者) ここまでで、殆どの観客はすっかりジェリーの気持ちと一緒になってしまうから、この後の展開は何があっても、すっかりスクリーンの中に溶け込んでしまい、あまりストーリー展開は気にしなかった筈である。

正直、物語は大したことがないし、ストーリー展開の中での大きな山場は殆ど無い。しかし、前述したように、映画作品としては序盤の演出と脚本の妙で、見事に観客を取り込んでいる点は高く評価できる。だからこそ、エンディングも平凡だし、男と女のラブ・ストーリーもありきたりであるのに、引き込まれてしまう部分がシネマ・マジックである。

相手役にレニー・ゼルウィガーを選んだのも良かった。当時のこの女優は、如何にも、「すぐ隣にいそうな女性」という感じで、そのキャラを十分理解した上での夫と死別した母をキュートに演じきったレニーは、トムに感情移入した観客の現実性を、より明確なものに仕上げた。同時に、女性観客にも、親近感を与え、途中からレニーに感情移入をワープした女性客も多いと思う。役どころも良かったが、レニーの嫌味の全くない演技が好感を抱けた筈である。そんな一途なレニーに対し、「チビはカワイイ」と言ってのけるトムの台詞に、再び、トム自身をオーバーラップさせられ、男性はそうだよな、トムの言うとおり、ここで一緒にはなれないなぁと考え、一方、すっかりレニーに感情移入した女性ファンは、なによ、このプレイボーイは憎らしい、男だろ、はっきりしろ、と、すっかりレニーに入ってしまう。この中盤からクライマックスに向けての構成は、映画作品の教科書的存在であると思う。勿論、これを演じきれる俳優の能力も不可欠である。

これらのことを総合すると、この作品は、トムを中心に、素晴らしいキャストとスタッフのマンパワーで作り上げた、映画界に残る作品である。監督は「リッチ・モンド・ハイ」のキャメロン・クロウ。「あの頃ペニーレインと」で、オスカーの脚本賞を受賞している。益々、これからが期待される監督であり、トム・クルーズとのコンビネーションも良く、近々オスカーで共に栄誉に輝いてくれる筈である。

かならず・・・。


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by turtoone | 2005-03-18 23:58 | 映画(さ行)