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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ウォルター少年と、夏の休日 ~My Collection~

ウォルター少年と、夏の休日 ~My Collection~_b0046687_1132887.jpg女性が自立したり、女性の生き方を考えたりという作品が多い反面、男のロマンとか、男たるものとか、映画作品の中でそういう題材をメインにした物は意外に少ない。というか、咄嗟に思い出せない。違った視点から考えると、実生活でもそういうシーンはあるかというと、そんなに稀にあるものでもない。大体、男ってなんなのだろうと考えると、女性の様に、色々あれもこれも要素が出てくるものでも無い。要するに、社会では余り「男らしさ」なんてものはそんなに必要されていないのである。

この作品は、日本では7月という夏の公開で、表題通り「夏の休日」であったが、単に夏の休日を大叔父ふたりと過ごしたのでなく、人生とは素晴らしい物であり、しかもそれは、男だからこれだけの冒険が出来るという事を心身を遣い伝えている。兎角、大人というのは、言葉で理詰めにしたり、自分の子供にすら、きちんと正面から向かうことが無い。これは現代だからではなく、昔から、特に日本という国にはそういう風潮がある。ただ、少子化時代に入り、それが如実に現れているだけで、その辺りの親子の基本的なスタンスは変わり無い。勿論、その風習に捉われず、世間体や枠を気にせず、立派に子供を導いている人も僅かであるが、わが国にもいる。

アメリカという国も現況は似ている。思うに、この国には欧州と違い生活に「文化」が無い。又、自身のルーツが何処にあるのかをはっきりさせたくない人が沢山いる。しかし一方で「マイ・ファット・ウェディング」という映画で、ギリシャの人の文化色豊かな一般人の生活が紹介されたり、「あなたが寝ている間に・・・」でも、アメリカの都会で生きる文化の異なる人たちを描いている作品が多いが、漸く、アメリカ映画も歴史作品にそういう部分を委ねるのでなく、現代にある隣人の問題としてこういうことの直視を提言してくるようになったのである。

そういう中にあって、この作品は「男の人生」とは何なのか、何を後継するべきかを、具体的に且つ、決して自慢では無く、生き様として語り、行動しているところに惹かれるのである。
そしてその「男らしい」ということは決して「男臭い」ということと違い、力強さや戦いだけが男では無いということをはっきり伝えている。そしとそれが作品として可能だったのは、マイケル・ケインとロバート・デュバルという、二人のオスカー俳優が織り成す貫禄かつ繊細な演技があってこそであり、見るのをグイグイ物語に引き込んでいく。このキャスティングには脱帽であり、このテーマに不可欠な二人であった。

ラストも実に良く、見終わった後の満足感も大変高い作品である。


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by turtoone | 2005-02-06 12:57 | 映画(あ行)