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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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アンタッチャブル ~My Collection~

アンタッチャブル ~My Collection~_b0046687_2255468.jpgケビン・コスナーの大出世作である。この作品と、2年後の「フィールド・オブ・ドリームス」により、彼の人気は確定的なものになった。しかし、彼の悲劇は1990年「ダンス・ウィズ・ウルブス」で、オスカーの作品賞と監督賞を取りながら、主演男優賞を取れなかったことにある。この「ダンス~」という作品は、筆者の中では三本の指に入る映画なので、この辺りの考察は、この作品のレビューの時(五十音順なので、まだ少し先のことであるが・・・)触れてみたいと思う。(もしかしたらその前に「JFK」で触れるかもしれない・・・)。

さて、この作品は見所が多すぎて、中々限られたスペースでは書ききれない。特に注目して欲しいのは兎に角「カメラ・ワーク」の良さに尽きる。例えば、後半の「駅階段」のシーンの構図といいカメラのフットワークといいこれだけでも、映画史上名シーンとして後世に残る素晴らしさだ。それ以外にも、カメラの引き出す「焦燥感」が、役者の台詞以上に緊迫感を与えてくれる。ショーンコネリー宅のシーンでも、技法的には、ヒッチコックなんかがすでに使っている手法であるが、必要以上に観客を煽り立てるのは、前後の構成及び脚本の妙である。

そして役者が素晴らしい。ショーン・コネリーはこの作品から以降は、本当に演技が上手くなった。007時代はお世辞でも言えなかったが、彼自身の分岐点になっている役柄でもある。又、アンディ・ガルシア。若い頃のアル・パシーノやロバート・デニーロに通じる風貌とイタリアの香りがするスタイルは、この映画に出演したことで、その将来を約束されたと言っても過言では無い。オーシャンズの悪役も良いが、彼には、ゴッド・ファーザーPt.3の流れ、所謂、マフィア物の作品に出演して欲しい。そしてデニーロ。この作品のために「スーパー・サイズ・ミー」のような食生活をはじめ、見事カポネに相応しい体格になった。この映画に出ているデニーロという俳優は、「ゴッド・ファーザー」や「タクシー・ドライバー」、ましてや「レイジング・ブル」に出ている俳優と同一人物だとは、映画に詳しくない人なら分からないだろうし、筆者も信じたくない。最近では女優がこのような体格や風貌を変え(役者魂というよりも、ある意味で女優であることを捨て)大きな賞に輝くのが流行のようだが、デニーロには叶わないだろうし、個人的には女優に関しては認めたく無い。

ただ、これだけ賞賛していても、肝心の個人評価はそんなに高くなく、Bランクである。
(AA、A+、A、B+、Bだから上から5ランク目の評価。評点は83/100点)。評価を落としているのは「斬新性」と「問題提起」の配点である。1930年代を復元させた割には、残念ながらこの時代の香りというものを嗅ぐ事ができず、その辺りのコンセプトに斬新性を感じなかったのと、ではこの公開された1987年当時に「禁酒法時代」の作品を通して何を訴えたかったのかの問題提起が弱かったのが、意外に点数を低くした要因である。

また、それらを説明していくには、多分この120分という中では説明しきれず、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の様に物凄く長い作品になってしまっただろう。それを避けた替りにデニーロを肥やし、カポネにした話題性を先行してしまったことが、この名作になるはずの作品をフツーの映画にしてしまったのだと思う。とても残念ではあるが・・・。




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by turtoone | 2005-01-13 23:38 | 映画(あ行)