アメリカン・ビューティー ~My Collection~
2005年 01月 09日
1999年第72回のオスカーで、作品・監督・主演男優賞をはじめ、5部門の栄冠に輝いた作品である。この年は近年に無い大接戦で僅差であり、何が獲得してもおかしく無い授賞式となったが、因みに筆者としてこの「アメリカン・ビューティー」に関しては、脚本賞(実際にも獲得)と、主演女優のアネット・ベニングの獲得だけで、後は他の作品が勝っていると予想していただけに、驚きの授賞式であった。(当時の予想は作品「グリーン・マイル」、監督・ラッセ・ハルストレム、男優・ラッセル・クロウ) 特に、主演女優だけは絶対だと思っていたのでケビンスペイシーの受賞が一番驚いた。
作品に描かれているのは、歪んだ米社会の現状であるが、作風は暗いものの、ウィットにとんだ「言葉」が幾つもちりばめていることと、所謂ストーリー展開は「コメディ」である。確かにサム・メンデス監督は、この作品以外に「ロード・トゥー・パティション」位しか知らないが、これもストーリーの流れは大変暗い。当作品もひとつ間違うとドキュメントになってしまうのだが、それをぎりぎりのところで「コメディ」に変えているのがアネット・ベニングの役割である。彼女の喜怒哀楽に対して一番感情移入しやすく、またすることによって、作品内容を主体性を持って取り入れることができる点が、彼女の演技力を高く評価した所以である。ケビン・スペイシーも決して悪くないが、アネットのパワーを吹き飛ばす力もなければ、交わす技量も無いところに、やはり、今でもアメリカは女性にイニシアチブがあるということを払拭できない。残念である。
他の出演者ではクリス・クーパーの演技が必見である。現代に生きる軍人の苦悩を見事に演じている。この作品では賞の対象になれなかったが、2年後に「アダプテーション」でオスカーその他の助演男優賞を見事に受賞している。
テーマも、また主人公の設定も筆者に通じるものもあり他人事では無く本来好きな作品に入る筈なのだが、職を変えたりする部分の動機が不明で、その辺りが現代の「米社会の病巣」という簡単な熟語で片付けられるものでは無く、同時に作品の幅を狭くしてしまっているのが大変残念だ。
以前、「アメリ」の鑑賞について色のことを書いたが、この作品も「赤」に色々な意味を含んでいる。しかし、この点に関しては、最近知りえた、筆者も大好きなブログ、「映画の心理プロファイル」の「アメリカン・ビューティー」に詳細な記述があるので、是非、こちらをご参考にして頂きたい。
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作品に描かれているのは、歪んだ米社会の現状であるが、作風は暗いものの、ウィットにとんだ「言葉」が幾つもちりばめていることと、所謂ストーリー展開は「コメディ」である。確かにサム・メンデス監督は、この作品以外に「ロード・トゥー・パティション」位しか知らないが、これもストーリーの流れは大変暗い。当作品もひとつ間違うとドキュメントになってしまうのだが、それをぎりぎりのところで「コメディ」に変えているのがアネット・ベニングの役割である。彼女の喜怒哀楽に対して一番感情移入しやすく、またすることによって、作品内容を主体性を持って取り入れることができる点が、彼女の演技力を高く評価した所以である。ケビン・スペイシーも決して悪くないが、アネットのパワーを吹き飛ばす力もなければ、交わす技量も無いところに、やはり、今でもアメリカは女性にイニシアチブがあるということを払拭できない。残念である。
他の出演者ではクリス・クーパーの演技が必見である。現代に生きる軍人の苦悩を見事に演じている。この作品では賞の対象になれなかったが、2年後に「アダプテーション」でオスカーその他の助演男優賞を見事に受賞している。
テーマも、また主人公の設定も筆者に通じるものもあり他人事では無く本来好きな作品に入る筈なのだが、職を変えたりする部分の動機が不明で、その辺りが現代の「米社会の病巣」という簡単な熟語で片付けられるものでは無く、同時に作品の幅を狭くしてしまっているのが大変残念だ。
以前、「アメリ」の鑑賞について色のことを書いたが、この作品も「赤」に色々な意味を含んでいる。しかし、この点に関しては、最近知りえた、筆者も大好きなブログ、「映画の心理プロファイル」の「アメリカン・ビューティー」に詳細な記述があるので、是非、こちらをご参考にして頂きたい。
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by turtoone
| 2005-01-09 22:05
| 映画(あ行)