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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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映画という総合芸術は時には世相を反映するものであった。しかし、ここ数年映画にそういう「高尚な価値体系」を見出すことが出来なくなっている。特に、アメリカ。この世界恐慌の再来を映画という土壌で予測できた内容はあったのだろうか。勿論、今年は「アメリカの原点」に帰ろうと試みた作品が幾つもあった。しかし、それらの起点は9.11であり、その意味では巨大マスメディアの垂れ流し情報と大きな相異はない。そして映画も規模は巨大メディアと同格もしくはそれ以上の力を持ったものの、それに見合う「芸術性」は忘れ去り、それに見合う「大仕掛け」に偏向した大衆娯楽となった。勿論、それが悪いと言っているのではないが、1940年代にあった映画作品の「初々しさ」というものが殆ど忘れられ、同時に映画だから出来る「主張」も置き去りらされてしまった様だ。

今年は前半71本、後半は特に12月に来てペースが落ち56本、合計127本の鑑賞であった。しかし、邦画が41本と、久しぶりに30%以上を占めた。例年通り、筆者の採点による、B+ランク以上(85点以上)の作品を公表させて頂く。

1. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 95点
2. レッドクリフ Part1 93点
3. ジェシー・ジェームズの暗殺 92点
4. つぐない 92点
5. ダークナイト 91点
6. ブーリン家の姉妹 91点
7. 告発のとき 90点
8. スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 90点
9. テラシビアにかける橋 88点
10. おくりびと 88点
11. 奇跡のシンフォニー 88点
12. ザ・マジック・アワー 87点
13. ノーカントリー 86点
14. 容疑者χの献身 86点
15. JUNO/ジュノ 85点
16. バンテージポイント 85点
17. 20世紀少年 第1部 85点
18. ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛 85点

(点数が同じ場合、物語20点満点の配点を上位に、それが同点の場合は10点満点の獲得項目が多い作品を上位にしている。)

b0046687_22562556.jpg2年振りに「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が特A作品(95点以上)に輝いた。この作品は筆者の好きなパターンが沢山詰め込まれているので、贔屓めの特A入りだったかもしれない(尤も、特A作品なんてみんなそうか・・・)。「レッドクリフ」はPart2が早くも来年の特A入りの予感をさせる期待の高得点である。この2作の比べ、「ジェシー」、「つぐない」、「ダークナイト」は可也評価に迷った。それぞれレビューでも書いたが、「ジェシー」は、物語云々より、登場人物の駆け引き、心理描写が素晴らしく、また観客をそこに引きずりこんでしまう構成と技術は卓越している。「つぐない」は、脚本・編集・効果といったところは今年度のどの作品よりも優れているし、また斬新さを打ち出してくれた。「ダークナイト」はスーパーヒーロー物としては過去に観た作品の中でも最高点を付けたのは、現代の世相にスーパーヒーローは不要だということをスーパーヒーロー当人の内面から提言した。つまりは、冒頭に述べた様に、以前の映画の枠組では絶対に高評価をされないこれらの作品は、逆に、ある部分で「傑出した何か」を持っていることで、特別な作品になっているのである。それは「ブーリン」にも言えることで、実は「エリザベス・ゴールデンエイジ」はこのランキングには入っていb0046687_22574345.jpgないように、「正統派」を描くより、サイドストーリー的作品の方が面白いのである。
邦画も健闘した。というか、後半は邦画のレビューばかり書いていたような気がする。ただ、洋画にも言えることであるが、ミニシアター系が殆どランクインしていない。今年に限って言えば筆者の鑑賞したミニシアター作品は散々であり、この中では「JUNO/ジュノ」くらいであろうか。また、近所のシネコンが、つい数年前なら単館系作品をショートで上映することがあるという点もあり、以前とくらべ、拡大と単館の区分けは難しくなった気がする。


さて、同時にこれも恒例である、各部門賞を同時に発表させていただく。

作品賞 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
主演男優 ダニエル・デイ=ルイス (ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)
主演女優 アンナソフィア・ロブ (テラビシアにかける橋)
助演男優 ヒース・レジャー (ダークナイト)
助演女優 シアーシャ・ローナン(つぐない)
最優秀監督 ポール・トーマス・アンダーソン(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)
脚本賞 つぐない
美術賞 レッドクリフ Part1
音楽賞 奇跡のシンフォニー
撮影賞 レッドクリフ Part1
効果賞 つぐない
特殊効果賞 テラビシアにかける橋
編集賞 つぐない
最優秀アニメーション 該当なし 
最優秀邦画 おくりびと
企画賞 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
特別賞 緒形拳

悩んだのが「主演女優」である。妥当だと思ったのは「エディットピアフ」のマリアン・コティアールと「ア・ウェイ・フロム・ハー」のジュリー・クリスティー。しかし、何れもアル中とアルツハイマーという特別な役柄。ここ数年、何か特別な役柄が賞を独占するという傾向があり正統派を選びb0046687_22584992.jpgたかった。そこでケイト・ブランシェットが出てきたが、「エリザベス」の作品の出来と、今まで多く彼女を選んで来たが一方で更にそれらから抜きん出ているかというと疑問も多かった。助演女優のシアーシャが早々に決まっていたし、それではいっその事U20から将来の映画界を背負って立てる人材をと、エレン・ペイジとアンナソフィア・ロプの一騎討ちとなった。助演男優も、当初は、ケイシー・アフレック(ジェシージェームス)と、ハビエル・バルデム(ノーカントリー)の争いだったが、「ダークナイト」で一転、ヒース・レジャーを選出した。ヒースは主演といっても良いくらいだと思うが、哀悼の意を込めているものの、だからといって優遇した訳でなく、映画史上に残る名演であることは衆目の一致するところではないか?
その他の賞では「つぐない」が目立つ。脚本賞も迷ったが、逆の見方として脚本の完成度が高いから、こういう技術賞にも波及したという言い方も出来る。昨年の「パンズラビリンス」と同じパターンである。アニメーションを該当なしとした。「ウォーリー」をここで選ぶかどうか迷ったのだが、アニメという枠ではないし、他に秀作が殆どなかったのも事実。この分野も興行成績は取れても、所謂「お子様」というドル箱狙いだから、ここ数年で過渡期に入った様だ。事実、宮崎ですらまだ「ハウル」はそこそこ見せ場があったが、「千と千尋」が頂点であり下る一方である。ディズニーもしかりで、新しい才能に期待したい。
b0046687_23272948.jpg邦画でも各賞を選びたかったが、40本程度の鑑賞では賞を選出できる基準に達しているとは思えず遠慮したが、主演男優は本木雅弘(おくりびと)、主演女優は永作博美(人のセックスを笑うな)、助演男優は堤真一(容疑者xの献身)、助演女優は上野樹里(グーグーだって~)である。実は公表していないが、毎年この賞だけは選んでいて、本木は「シコふんじゃった」以来の二度目の選出、上野に至っては、主演女も含めて3度目である。堤と永作は初選出。
特別賞に緒形拳を選んだ。日本の映画人で一番好きな人だった。映画ではないが最後の出演となったテレビ番組「風のガーデン」は、今年の隠れ1位かもしれない。

例年よりもコメントが長くなったが、2006年の総括で「分岐点」といったが、ついに今年は映画そのものが世界中で「過渡期」となった様だ。経済のように「世界恐慌」へ一触即発の状態にあることを再認識したい。


ご参考までに・・・

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by turtoone | 2008-12-29 23:28 | 映画関連