暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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<   2007年 10月 ( 4 )   > この月の画像一覧

b0046687_23343626.jpg1944年第二次世界大戦禍、ナチスの占領下にあった「オランダ」が舞台の作品を、オランダ人監督の、ポール・ヴァーホーベン、オランダの女優、カリス・ファン・ハウテンの主演で、オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギーの4国合作で製作された期待の作品である。

ポール・ヴァーホーベンといえば、「ロボコップ」、「トータル・リコール」や「スターシップ・トゥルーパー」で、確かに「氷の微笑」などもあるが、前者の様な作品以外は、超不評作品となった「ショーガール」などもある意味代表的で、果たしてこういう社会派テーマをどの程度扱えるかというのが、公開前からの期待であった。ただ、単館上映でしかも短期が多く、筆者も2回目を鑑賞しようと思ったときには既に東京では上映していなかった。そこでDVDの発売を只管待ち望んでいたのである。

戦後60年以上経って、今尚、この問題が取り上げ作品化されるということに、極東に生まれた筆者にはどうにもピンと来ないのが実際である。しかし、翻って、では、わが国がやって来たことについて言えば、やはり同じような立場から、歴史の事実を風化させたくないという近隣の事情を理解できないでは済まされない。そういう意味で全世界的にナチスはその象徴を未だ背負っているが、同時にこれは全人類への警鐘である。オランダという国は王国であり、また民度の高い国で、国民の力強い国である。しかし、この国はその歴史が示すように、人間同士の戦いの前に大自然との戦いが今も続いている国である。ヨーロッパの各国が、自然を支配しようと考える中で、このオランダは共生の道を考えて来た。いや、考えたのではなく、それしか方法が無かったのである。だから、人間同士の戦いは二の次になってしまい、結果、一時期は世界の海を支配するほどの航海技術と政治力を持っていたが、18世紀末のフランス革命の影響以降は、中々、国家を取り巻く環境は複雑・混沌としていた歴史を持っている。また、この作品とは直接関係ないが、第二次世界大戦で日蘭は戦争状態にあった。日本はオランダが植民地支配していたインドネシア(当時は東インド)を侵略、オランダ軍は降伏した。日本軍は捕虜の中から女性を強制連行し従軍慰安婦としたという所謂「白馬事件」も起こり、結果、戦後日本は1000万ドル(1956年当時36億円)を支払っている。しかし、そもそもオランダの参戦はアメリカの抗日戦争勃発に呼応するもので、戦争を仕掛けたのはオランダの方であるから、ナチスの占領とは可也意味合いが違う。

ナチスを取り扱った作品は多く、筆者もこのテーマは前述のように「ピンと来ない」と言いながらも、殆ど鑑賞しているし、「シンドラーのリスト」に関しては、筆者の映画採点でも最高得点を獲得している。この作品もストーリー的に衝撃的なものは何もなく、今まで色々と証言されてきたことの集大成のようにうまく纏めてある。だが、それ以上にこの作品が、こと「映画」として価値があるのはなんといっても、カリス・ファン・ハウテンを「綺麗に」撮っていることである。女優を綺麗に取るというのは、映画の原点であると、筆者は常々言っているが、この作品はこのことに尽きるし、それがナチスを扱った作品の中で実現したという点も大きな魅力である。この監督は確かに「氷の微笑」などで、女優の妖艶さは随分撮ってきた。「ショーガール」もあるダークな部分の美しさは撮っていた。しかし、この作品は違う。このカリス・ファン・ハウテンは、映画の王道としての美しい女優を撮り尽した素晴らしい作品である。これがオランダ監督、オランダ女優によるものというところが大きい。

ナチスとユダヤのことは兎も角も、是非これからも美しい女優を撮り続けて欲しいと願うのである。


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by turtoone | 2007-10-27 23:35 | 映画(は行)
b0046687_1982972.jpg以前に「食人大統領アミン」という映画があり、わが国では食人族のブームもあって注目された。勿論、アミンが食人しているわけでなく、それほど残虐だったということであるが、正直内容は殆ど覚えていない。しかし、いずれはまともなこの人物を描いた映画作品化があると思っていたが、ジャイルズ・フォーデンのこの小説作品を原作に持ってくるとは意外だった。アミン大統領はこれまでにその足跡等は書かれていないのである。

イディ・アミン・ダダ・オウメが、世間から注目されるようになったのは、多分1978年にタンザニア侵攻し、大失敗したときが最初だったと思う。筆者も当時はまだ現代のアフリカというものには然程興味を持っていなかった。無論、歴史という観点からみれば、15世紀以降の悲惨な状況については、色々研究材料にしたり、文献も読んだ。ただ。この当時は国際ニュースの中にも今のように頻繁にアフリカ情勢は伝えられなかった。大体、マスコミが国際ニュースを一日何度も報道するようになったのはバブリー前夜で、日本人の投資先がアフリカを関係する資源やビジネスに向いてきてからの話である。なので、それ以前のアミンの消息自体、筆者はリアルタイムでの知識はない。ただ、ウガンダ共和国には、丁度この前後に、有名なアユブ・カルレというボクサーが居て、確か、日本人チャンピオンを破って世界チャンピオンになった筈である。デンマークの選手とだったが、出身はウガンダということだったのでとてもよく覚えている。そういえば、アミン大統領もボクサーで、ヘビー級チャンピオンだった。アントニオ猪木との異種格闘技試合を計画されたが、その後のクーデターでお流れになった筈だ。

アミン大統領には余り良いイメージはない、後々の言われたことであるが、ヒトラーを尊敬していたとか、40万人の虐殺を行ったことから「食人大統領」だとか。だが、この作品では、アミンのイメージから比べると主演のフォレスト・ウィテッカーは、ずっと優しい感じがあり、結構それが最後まで払拭出来なかったが、考えてみれば、前述した通り、筆者の知っているアミンというのはウガンダで大量虐殺を繰り返し、国際的に批判が高まり「人食いアミン」などと言われた頃だから、この作品のラストよりも後の事である。そういう意味では、ガンジーのベン・キングスレー、マルコムXのデンゼル、レイチャールズのジェイミーの様に、本人にそっくりになってしまうというパフォーマンスは、役者魂を感じると同時に、実物に左右されてしまう嫌いがある。
勿論、ハリウッドスターだから物真似の域からは突出しているが、一方で本人を越えられないという悲しさがある。有名人を演じるのは色々難しいというものだ。

しかし、この作品では、敢えてアミンに似せなかった事で、かなり新しいアミンの人物像を取り入れられ、同時に新しい「アミン」を鑑賞者に提供できたのでと思う。そもそも軍事クーデターなんて、一参謀総長ができることではなく、その背後には必ず黒幕がある。アフリカ大陸諸国においては殆どが欧州各国である。舞台をアフリカ大陸においているだけであって、要は国と国とのボードゲームの範疇に過ぎない。アフリカはいつも犠牲者だ。アミンにはダークな部分が多いが、ただ、この作品ではその匂いは極力抑えて、人間アミンを描こうとした点は見事である。タイトルにあるように「スコットランド」に拘ったのも良かった。彼自身は英国でいえば、大統領になろうがなるまいが「一方面隊長」でいるよりも、ラグビーやボクシングで活躍し、五輪のイギリス代表になった方が良かったのじゃないかと思う。作品はそこまで極端には言ってないが、そういうところを彷彿させる箇所は幾つかあった。

作品も全体的に単調で、もう少し起伏を持たせれば良かった。ただ、フォレスト・ウィテッカーの演技は流石であり、このオスカー受賞は当然である。


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by turtoone | 2007-10-24 18:59 | 映画(ら行)

ツォツイ ~新作DVD~

b0046687_17592746.jpg昨年から今年にかけてアフリカの映画作品が多いが、この作品も南アフリカの現状をあらゆる角度から表現している。物語は不良少年が、赤子を拾い、人間的な感情を取り戻していくという(一部の映画雑誌には、「初めて人間の感情に目覚める」と書いてあるがこれは違う。)至って単純な映画作品であるが、その背景になるものは大変大きく、そして重い。筆者も劇場公開中だけでは、この背景になるもののとの関連が一度観ただけでは分からずに、DVDの発売を待っていた。

アフリカの民主化ということが世界的にも叫ばれているのだが、果たして、アフリカに「国境」という西洋の概念を持ち込んだことの責任というのは何処にあるのであろうか。要するに、15世紀以降、西洋の国家が勝手にこの国土のすべてを蝕んだてめに、20世紀以降、欧米を中心とした「世界標準」の定義にそぐわないものは、すべて民主化という判で押したような方針を勝手に決められ、それを各地域のカリスマ性のある一部の人間の後押しをすることで、二次的な遠隔操作権を獲得していこうというのが、その後の欧米の考えだ。簡単にいえば、金は資源としての金は掘りつくしたから、次は政権を操作し、民から金をせしめようと言う方向性である。ここ数年はこの醜い欧米の争いに、ロシア・中国・インドまでもが参加し始めている。わが国は少しスタンスが違うが、ODAという隠れ蓑で国家の給付をアフリカ経由で民間が吸い上げる、なんとも遠まわしな方法で潤っている。しかし、これも税法上を考えると、日本企業でありながら、税収が国家に入らないから、国民的には一部の企業を太らせているだけだと怒りを持っても良い行為だ。南アフリカはネルソン・マンデラがいたから、余計にこの構図は複雑だ。以前はアフリカの黒人りヒーローであったが、今、彼を崇拝する人間は恐らく何も知らない層だけであり、喜んでいるのは欧米の資本主義国家だけである。そのことに象徴されるように、アフリカで「利口」な人間はたった一握りである。

物語で言えば、やはり赤子を拾ったところからそこを中心に見てしまうが、それよりも、特に車椅子の老人との関係、品位を語る仲間との関係のふたつに、主人公デビッドの現在の境遇と、この国の問題点を集約している。但し、意図してかどうかわからないが、デビッドの真の中身というのは表現しきれていなかったのも事実。車椅子というのは自分の意思があってもそこにたどり着くのは大変な苦難であるという国家の現状、意思は国家だが車椅子の大きな擁護があり、しかもそれが時として意思を阻むことを表現している。またそういう境遇になったのは偶発的な事故だと皮肉っている。またデビッドとの仲間の関係の希薄さは、アフリカの同胞だけで生きることが不可能に近いことを表現している。時には仲間を殴り、殺し、しかし又、敬う。その繰り返しである。ただ。光明が見えたのは、ラストシーンで、デビッドは責任を全うしようとするところで、アフリカの国々の今後への提言を行っている。だから、DVDの特典についていたアナザーエンディングは、ストーリーとしては面白いが、撃たれたり、逃げたりでは、アフリカの今後は今と変わらない。このストーリーは、やはり劇場公開のエンディングで、アフリカの希望を象徴している。その点は、一見尻切れ蜻蛉のラストの様だが、公開中も「希望」だと思ったが、今観ても変わりがないことを確認できた。

しかし、前述したデビッドの意思と赤子関連が希薄だったのは残念。あの場面で何か「アフリカ」として伝えるものは、極端な貧富の差(そんなことは、何もこの映画で言わなくたって日々の報道で誰もが知っている)とDV以外の何もなく、ストーリーの骨格と為すところだったでけに、何か強いメッセージが欲しかった。結果、全体的に前評判の割には単調な作品に見えてしまったのも事実。この作品を鑑賞され、多くの人がアフリカについてその実態をもっと知って欲しいと思うのだが、そこまでには至らないだろうと思う。

細かい台詞やシーンとして、殴られた「品位」が数日で感染症をおこしたり、赤子の体に蟻がたかったりというシーンだけでも、この大陸が政治以前に本質的な「世界標準」(こんなものはアフリカに不要だが)にないところにもメッセージが隠されていた。


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by turtoone | 2007-10-20 17:50 | 映画(た行)

ボビー ~新作DVD~

b0046687_12541044.jpgロバート・ケネディだけでなく、ケネディ一族を取り巻く憶測や因縁めいた部分は謎が多い。筆者は米国民ではないからその辺りのことは良く分からないが、恐らくジョン・F・ケネディというのは優秀且つ、大衆に正義なる人物に最終的には写ったのだと思う。今でも、アメリカの大統領というと、JFKはジョージ・ワシントンやリンカーンと並んで人気と知名度が高い。しかし、それは残念ながら、彼の最期がああいう形だったからだということも言える。

ロバート・ケネディは、1925年に第7子として誕生した。兄、JFKと比べると8歳年下である。ケネディ家はマサチューセッツ州ブルックラインで、アイルランド系移民の子孫。株取引(大恐慌の際、株の空売りで巨利)や禁酒法時代に密造酒の製造で大儲けをし、マフィアとの関係が深かった投資家のジョセフ・P・ケネディ・シニアが当主であり、この様な家柄から、ケネディ家は非常に富裕な家柄で華やかなイメージが強いが、一方で常にマフィアなどの犯罪組織との関係がついてまわり、それに伴いケネディに対しても陰のイメージが付き纏っていた。ロバートはハーバードから海軍入りしたが成績が今ひとつでロースクール入りはできず、ヴァージニア大学ロースクールから法学位を取得した。法律に対する倫理観は幼いころから強いものがあった。卒業後、すぐに兄ジョンの上院議員選のマネージャーになった。その後法廷弁護士を経て、1959年には兄の大統領出馬支援のため、すべての公職を退いた。

ケネディ大統領誕生後はすぐに司法長官に任ぜられ、ケネディ政権中は重要な役割を果たし、組織犯罪の撲滅に尽力、大労働組合などでの不正を徹底的に追求した。ケネディ兄弟が直面した重要問題の中には、1961年のキューバでのピッグズ湾事件、その18ヶ月後に発生したキューバ危機、ベトナム戦争における軍事行動の段階的拡大、公民権運動の拡大と報復的暴力が挙げられる。又、これもひとつ謎として扱われる、FBIがマーティン・ルーサー・キングを盗聴する許可を司法長官に要求したことは確実であるが、ロバートが直接、その許可を与えたかは定かでない。

さらにロバートは当時アメリカで大きな問題となりつつあった人種問題にも積極的に関与した。特に、1962年9月、黒人学生ジェームズ・メレディスがミシシッピ州立大学に人種を理由に入学拒否される、いわゆるメレディス事件が起きたとき、ロバートはミシシッピ州知事ロス・バーネットや大学当局者の説得に当たった。また、1963年にアラバマ州立大学への二人の黒人学生の入学をめぐる問題では、アラバマ州知事ジョージ・ウォレスに対し、二人の入学を妨害しないよう電話で説得した。このときのやり取りはテレビでも放送されたが、あくまでも黒人学生の入学を阻止しようとするウォレスに対し、「それでもあなたはアメリカの市民か!」と怒鳴りつけた。

こうして改めて彼の経歴を探ると、この兄弟が政治の中心にいた時代、アメリカは内外部から今までの歪みが一気に噴出した時代であった。逆に言えば、ケネディという個性の強い大統領とその弟が登場したから、この歪みが前面に露呈したという言い方も出来る。JFK暗殺後のジョンソン政権時代、決して仲が良くなかった彼の後押しを得て、ボビーは副大統領を諦め、ニューヨーク州の上院議員選に立ち、共和党候補を破った。1968年に3月に民主党の指名を獲得すると、4月4日のキング牧師暗殺の日にも、警察や周囲の反対を押し切って演説した。そして、運命の日、6月5日最大の州カリフォルニアの予備選を勝利した直後のアンバサダホテルが舞台となるところまでが、筆者の知っているホビーに対する知識のすべてであった。

この作品で特に印象が強かったのは、ボビー本人でなく、あの日あの場所に居合わせた人を追った構成が見事であるのだが、それは、同時に、アメリカは大統領でなくひとりひとりの国民で支えていくのだという強い主張を感じるのである。ホテルというのは様々な人間が、それぞれの欲求と思惑を満たす場である。ゲストもスタッフもそれは同じで、ゲストは、その瞬間の最上を満喫することにより喜びを感じる。スタッフは対価という以上に、サービスでゲストを喜ばせ、寛いでもらうことにその労働としての喜びを感じる。勿論、どちらも人間だし、たまたまその瞬間居合わせたことによって、ゲストとスタッフという立場であるが、人間社会、特に、アメリカという合衆国ならではの複雑な社会は、この立場が時によって移り行くということも、それぞれのエピソードで見事に表現している。

この作品にある通り、アメリカ国民のひとりひとりがもっと強い意志を持って欲しいと思うのだが、それはわが国も同じであるか・・・。


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by turtoone | 2007-10-06 23:54 | 映画(は行)