暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


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<   2005年 03月 ( 25 )   > この月の画像一覧

b0046687_0294889.jpg実は、筆者は余りジョニー・ディップに関して詳しい方ではない。勿論、名前は良く知っている。例えば、ブラッド・ピットと同じ1963年生まれであること、そのブラピと「テルマ&ルイーズ」のキャスティングを争ったこと、筆者の大好きだった故リヴァー・フェニックスの親友だったこと、筆者の大好きなウィノナ・ライダーと「シザー・ハンズ」で共演し、一時期は婚約者だったこと、筆者の大好きなディカプリオの名演技「ギルバート・グレイプ」で共演していること、そして、筆者の好きな映画「ショコラ」に出ていた事、前述の「シザー・ハンズ」と同じ、筆者の大好きなティム・バートン作品の「エド・ウッド」、「スリーピー・ホロウ」に出演していること。なんだ、良く知っているじゃないか?良くこうもスラスラ出てくるよと思いきや、前述したものには、「ジョニー・ディップだから~」というものがひとつもない。筆者の中では長いことそれだけの印象しかなかったのも事実。

しかし、それを一気に覆してくれたのが、あろう事か、この「パイレーツ・オブ・カリビアン」という作品だったのである。この作品も例に漏れず、「ジョニーで・・・」観たわけではない。御存知、ディズニー絡みということで、ある意味では「トイ・ストーリー」や「ポカホンタス」と余り変わらない感覚で観にいった。それが、驚いた。ジョニーという俳優はもっと軟弱な俳優だと思っていた。彼の演じているジャック・スパロウという役どころがまた何とも言えない。最初に出てきたところから、健康的な意味で可也観客の度肝を抜く。ジョニーのファンには、嫌ダァと思わせたに違いないが、筆者的には「やるなぁ」と高めの評価から始まる。そして。ジャックの言うこと、やることのひとつひとつが少しずつ「妙」で、分かっていても、ズイズイ引きずりこまれる。この辺りのつかみというのはとても巧妙で、それもそのはずなのが、ジェリー・ブラッカイマーだからである。彼の製作する作品は、どれも最初の「掴み」が上手い。まだ観ていない最新作「ナショナル・トレジャー」もそれを期待。

ストーリーも面白い様に、「思惑通り」に進む。メイドの忠告に、自分の名前を偽って窮地に入り込む、キーラ・ナイトリーだったり、オーランド・ブルームも救済にジャックの力を借りるという殆ど予想通りの行動をする。それでいて期待を持たせるのは、このジョニー演ずる海賊が、本当は何物なのだろうとか、本心は何処にあるのだろうという見た目にも「ふらついた」演技に見事に観客として振り回されるところにある。正直なところ、記事の冒頭からズラズラ列記したジョニー・ディップ関連の作品を一度、今までと違い、彼を中心に見直す必要があることを感じさせた。更には、今年、公開の「ネバーランド」がこの衝動に追い打ちを掛けたに相違ない。次の作品も、久々、ティム・バートンとの共演で「チャーリーとチョコレート工場」(こういう日本語タイトルになったそうだ・・・)。期待が持てる。

海賊といえば、先日も日本船が海賊に襲われるという事件が起こった。あの界隈に海賊が頻繁に出るようになったのは15年くらい前からで、これまで、日本船は殆ど見逃されていた。アジア各国政府や、海の警察が日本船を対象外にするようにと警告していたし、勿論、直接では無いが、日本籍船は便宜を図られてきた。今回の事件は、彼らが無国籍になったのか、当該国政府の力や警察の監視が衰えたのか、それともどこかの国のテロ組織同様、無差別になったか、逆に、アメリカの同報日本船だから狙われたのか、事実は闇、ならぬ海上の霧の中である。いずれにしても、この映画に出てくる、愛嬌のある奴らではないことは確かである。

作品ではジョニーと共に、ジェフリー・ラッシュが光っていた。そもそもは舞台俳優で、演出など多才なところをみせていたが、映画デビュー作「シャイン」で、いきなり、トム・クルーズを抑えてオスカーを獲得したことで、筆者の顰蹙を買ったが、それも束の間、何といっても「恋に落ちたシェイクスピア」の演技は絶賛。特に、あのなげやりな笑い方は、この作品でも健在で、他の主要出演者の個性が弱い(というか、キーラもオーリーもまだ若く、浅い)分をカバーして、尚、余りある存在感である。絶賛、プロの仕事を実感する。

「ヴァンヘルシング」同様、この作品も「娯楽」である。娯楽だから、「2」も「3」も製作されるのであろう。


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by turtoone | 2005-03-31 23:55 | 映画(は行)
b0046687_2114647.jpgディカプリオ作品が続いているが、単なる偶然である。マイコレで、中々(タ行)~(ワ行)の作品が先に進まないのでというのが理由である。「タイタニック」という作品に関して、今更、何かを提言する積もりは毛頭ないが、色々な意味で映画界の価値観を変えた作品であることは事実である。かくいう筆者も、この作品の成功で随分映画の価値観を替えられたのも事実である。

正直、この作品を見るまで、ディカプリオのことを殆ど知らなかった。後々から、「ああ、あのギルバート・グレイプの少年ね」というくらいである。「ロミオとジュリエット」で話題になった時も、作品を見もせずに、「あの小僧ね」という評価だった。しかし、この作品で189分、彼の演技につきあうことによって、若いとか、格好いいとかでなく、久しぶりにしっかりした演技のできる若手俳優が出てきたなと、ひとつひとつシーンに刮目した。

例えば、「スター・ウォーズ」がそうだった様に、こういう超ビッグ・ヒットに出演した俳優というのは、若ければ若いほど、中々そのイメージを打開することが出来ず、一発で終わってしまうケースが多い。ディカプリオに関して言えば、昨年、それとない発言があったのも事実であるが、決してそんなことは無く、常に自慢することは無くても、この事実を卑下する必要は全くない。世界で最も多くの人が観た映画に主役として出演していると、誇りに思って欲しいことである。

今、改めて見ると、例えばCGが古くて、その表現法にちょっと笑ったり、衣裳考証は良いのだが、今ひとつ遊びや冒険が無かったり、(ここ数年、衣裳は随分進化した。歴史劇が多く、発想がかなり自由になったからかもしれない)美術なんかも例えば、船はあれだけ良く再現されているのに、肝心の氷山に激突するところはもう少し何とかならなかったのかとか、色々時代が立つにつれ古さを感じつつあるものの、トータル的な出来は素晴らしい作品である。逆に言うと、これだけ「賞狙い」の作品を作り、見事にそれに填まって数々の栄誉に輝いたというのも、関係者は気持ちが良かっただろう。だから、逆にディカプリオは、ここで主演男優賞を取ってしまっては、それこそ「タイタニック効果」といわれこのイメージを払拭できず、今日ある、演技派ディカプリオは存在しなかったであろう。早い話が、ケイト・ウィンスレットがそうである。最近やっと、「ネバーランド」、「エターナル・サンシャイン」で、全く新しい彼女の魅力を出すことができ、いよいよ本領発揮というところであるが、「タイタニック」から、既に8年が経過しているではないか。

1997年当時は、今ほど映画作品を頻繁に見ることはなかった筆者であり、せいぜい多くて新作だとシアターで月に1本くらいだから、年間10~12本程度、現在の8~10分の1くらいである。だから、この作品が何故こんなに大ヒットしたのかは理由が分からない。筆者も勿論、シアターまで足を運んだが、そんなに混雑していたという記憶(例えば、「スター・ウォーズ」とか「E.T.」の様に・・・)は無い。ただ、もう既に入れ替え制だったかな? 「スターウォーズ」みたいに朝から晩まで映画館に入り浸りで一日4上映見られたという時代ではなかった。「ポセイドン・アドベンチャー」というやはり筆者が子供の頃流行った映画があって、やたらとダブっていた部分もあったが、何といっても、主人公ふたりが「唾」を飛ばすシーンがあり、映画を観終わった後には不届きにも、このシーンが一番印象に残っていたと思う。

この若い二人を取り巻く、ベテラン俳優陣が凄かった。キャシー・ベイツ、バーナード・ヒル、ヴイクター・ガバナー、フランシス・フィッシャーなど、ディカプリオ作品は、いつもワキが豪華である。やはり、この俳優が着実に進歩しているのは、こういう良い環境と高い次元のパフォーマンスに囲まれ、自身の演技欲と相俟って、新しい発見があるからだと思う。

書きたいことは沢山ある作品であるが、でも映画はやはり観る物。多くを発見して多くを語らずが良いと思う。


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by turtoone | 2005-03-30 22:34 | 映画(た行)
2005年も早いもので四半期が終わる。年頭に「2005年期待度ランキング作品編」を発表したが、記事にもあるようにオスカー前だったので、オスカー絡みの作品が多く、ベスト10中から既に4作品が公開している。それだけ充実していた滑り出しだったとも言える。

さて。今回は春夏(4月~6月)でランキングを設定した。既に「エピソード3」の様に公開が7月に決定している物に関しては、今回は省いた。逆にもしかしたら、7月以降になるかも知れないが、公開日が今日現在決定していない(筆者が知らない)作品はランクに入れた。

公開前情報や口コミで、前回と順位の入れ替わりは当然ある。また、今回も公平を期するためも拡大とミニシアターも同じ土壌のランキングとした。

1. バッド・エデュケーション
2. コンスタンティン
3. ミート・ザ・フォッカーズ
4. レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
5. コーラス
6. 海を飛ぶ夢
7. 宇宙戦争
8. チャリー・アンド・チョコレート・ファクトリー
9. ライフ・イズ・ミラクル
10. キングダム・オブ・ヘヴン
次点 クローサー

b0046687_22562047.jpg

公開が近づくに連れて、やはり「バッド・エデュケーション」への期待は大きい。「TMD」はチェ・ゲバラという個性の強い「軸」に加え、南米の大自然という味方があったのに比べ、今回のテーマは繊細だ。この多少、入り組んだストーリーをどこまで描けるかに注目したい。「コンスタンティン」に関しては、年頭では殆ど期待薄だったが、あれだけシアターでガンガン"This is Constantine,John Constantine"って、近日上映を流されたら、なんたって視聴覚の申し子世代には、期待もしたくなりますわな・・・。それで2位に急浮上。思えばマトリックスも第一作目は良かったし。「ミート・ザ・フォッカーズ」も年頭にはなかったが、最近前作をおさらいしたのがきっかけと、やたらアメリカでも評判が良い。レモニーは予定より早めの公開になりそう。「コーラス」、「海を飛ぶ家」とミニ・シアターが続き、「宇宙戦争」はタイトルの日本語訳が気に入らないが、この辺りで・・・(これもトムじゃなきゃ、ここにはランクインさせないのだけれど・・・)、「チャリー~」は今一番気になる、ティム・バートン&ジョニー・ディップの作品。ディップは「ネバーランド」が良かったから、もっと上位でも良いかも。「キングダム~」は、オーランドは上手くないのであまり期待をしていないが、リドリー・スコット監督の「グラディエーター」以来の歴史劇。前評判は良くないものの、やはり気になる作品。

「キンゼイ」の日本公開が決まらないので、ランクインできなかった。また、「ミリオンダラー・ベイビー」もまだ公開日が確定していない。(尤も、「ミリオン~」は確定していても、この作品陣相手にトップ10は無理だっただろうが・・・)。日本映画では「亡国のイージス」がかなり気になったが、やはりこの中には入れない。その他、ミニシアター系はまだまだ良い作品がありそうだが、封切り情報がもう少し早く分かれば良いと思う。

1-3月では予想を超えてヒットしたのが「オペラ座の怪人」。4-6月では、ビッグヒットの予感が無い。「宇宙戦争」は当るだろうが、これは6月というより7~8月にかけて、しかも「エピソード3」に絡まって、相乗効果での大ヒットというシナリオもある。「マイノリティーリポート」があれだけヒットしているのだから、あのラインを最低線とみて、戦略としては「エピソード」より前に公開を持ってきたのは正解であろう。

いずれにしても、見たい作品が多すぎる・・・。



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by turtoone | 2005-03-29 22:57 | 映画関連
b0046687_035513.jpgレオさまのバイオグラフィーで考えると、この作品は「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」の間に位置するが、公開された「アビエイター」に出てくる、パンナム社やTWA社と幾つか重複するカテゴリーがあったので、直にDVDをもう一度見直した。そのレビューになる。特に、TWAについては、レオさま演じるパンナムのパイロットに化けたフランクの役が、TWAの旅客機にデッド・ヘッド(無賃乗車)する処が大変可笑しい。この作品のときから既に、「アビエイター」向きに(アビエイターの構想は、8年以上前からあったと言っている)わざわざこのシーンがあったのか、単なる偶然か分からないが、鑑賞者としての勝手な理屈をいえば、この風刺は面白かった。

監督がスビルバーグ。日本での公開は、「G.O.N.Y」と「キャッチ・ミー~」は1ヶ月ぐらいの間隔しか無かったと思う。それもそのはずで、「G.O.N.Y」が制作費も製作日数も莫大に費やしたのにくらべて、「キャッチ~」は何日か忘れたが、大変短い日数で完成したと当時も話題になっていた。この3作品をレオさまの主演作という共通項以外で比較することは出来ないが、演技だけのことをいうと、「キャッチ~」の演技が、一番軽くて好き・嫌いで物をいえば、一番好きである。ディカプリオという俳優を考える時、難しいのは「演技能力」と「演技の好き嫌い」のふたつが一致しないということである。勿論、元々が大変上手い人であるが、やはり、「上手い!」って思う作品は「ギルバート・グレイブ」だったり、「アビエイター」だったりするのだが、「好きだ!」という演技は「タイタニック」であり、この作品である。これは、例えば「仮面の男」を観ればよくその辺りが分かるのだが、ルイ14世役はとにかく「上手い」と思うのだが、決して好きでなく(寧ろ憎々しいほどうまい・・・)、双子の弟・フィリップ役には大変好感が持てる。思わず応援したくなる。こう考えると、この俳優は、やはり2枚目で好感青年を演じている時が、最も絵になる俳優なのだと思う。筆者がよく言う、例えば、レニーやセロンみたいに、本来上手な人が何も、役作りだからといって、太ったり、醜くなったりして欲しくないように、ディカプリオという俳優も、わざわざ「俺はこんなに上手だぞ」とひけらかすような役どころには着いて欲しくないというのが、勝手な解釈と意見である。

作品に戻ると、この作品はレオさま的に考えると、パンナムやTWAのリンクがあるが、トム・ハンクス的にいうと「空港」というキーワードで「ターミナル」にリンクしている。冒頭近い部分で、トム・ハンクス演じるFBI調査官がフランス警察で、自分の名前を中々きちんと発音してもらえないシーンがあるが、まずそこから既に「ターミナル」の「クロコウジア」に繋がるし、この作品は空港でまんまとフランクに巻かれてしまうが、「ターミナル」ではその空港に居住し、誰よりも空港施設に詳しくなっているというところがやはり可笑しい。但し、残念だったのは、この作品ではストーリーがそうであるから仕方ないが、トムとレオさまの絡みが少なかったこと。嫌、逆を言うのであれば、この物語にしては、逆に結構絡みを作ったのかもしれないと思う節が幾つかあった。どちらかというと、内容や人物像(実在の人物)よりも、プロモーション的には、スピルバーグとトムとディカプリオの豪華共演というのが前面に出していたので、そんな脚本のサーピスもあったのではないかと思われる。だから、それほど主役の人物像に注目されなかったにもかかわらず、ディカプリオが16歳の彼を見事に演じたところには高い評価をしたいと思う。

そして、その演技の裏には、クリストファー・ウォーケンとマーチン・シーンというふたりの名優が存在していることも忘れられない。ウォーケンは、それこそ「ディア・ハンター」以降は、余り筆者の記憶に無い。一方のマーチン・シーンは、若い俳優の良さを引き出すことが巧みな逸材である。ディカプリオの作品に関していつも思うことであるが、本当に共演者やスタッフという部分に恵まれている。これも、持って生まれた天分であり才能でもある。

ディカブリオ出演作の中では、テーマ性が重くのしかかってくるものでもなく、また必要に長くもなく、筆者には丁度鑑賞に適当な作品だと思う。


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by turtoone | 2005-03-28 21:43 | 映画(か行)

アビエイター

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念願の日本公開である。この作品を全く観ないうちからこのブログでもかなり大々的かつひとりで騒いでいたが、色々な意味で「ギャング・オブ・ニューヨーク」を引きずっていたのだと思う。本日、初めてこの作品を鑑賞することによって、その一連の騒ぎに取り敢えずの終止符を打つこととなった。

こういう書き出しをすると、ネタバレしてなくても、このブログ記事が何を言わんとしているかがなんとなく分かってしまうと思うが、筆者の文章構成で得意(特異?)とする、冒頭に結論を持ってくる形式でなく、まずは、今回の鑑賞での率直な感想を順序だてて公表させて頂く。

まず、物語と構成については、168分という作品が長いとは感じなかった一方で、息をつく間がなかったというのも事実。映画作品というのは、ある意味で「捨てカット」というのが必要だということをつくづく感じた。歌舞伎でいう「弁当幕」というのであろうか、この作品は、次々と展開していく一方で、残念ながら、それらのシーンを完結させていない点が、余計なストレスを生んでしまった。もし、これを逆手にとってハワード・ヒューズという人間像を描きたいという、スコセッシのテクニックが背後にあるのだとしたら、それを全ての観客レベルに終着させるには、作品全体を通しての確固たるポリシーが不可欠だったとしか言えない。その辺りがこの巨匠には珍しく、伝え切れずに終わってしまった。そしてこの原因の多くはこれはファースト・シーンに問題がある。史実としての伝染病も良いが、同時に"The Aviator"(飛行家)というタイトルをつけたのであれば、寧ろ平凡かもしれないが、氏が何故、空に拘ったか、飛行機に関する興味を示したか(途中のシーンでは何箇所かあったものの、弱い・・・)の動機を明確にした方が、観客に何を基準としてこの作品を鑑賞して欲しいかの導入になったと思う。この点がまず残念である。

また、ファースト・エピソードを引っ張り過ぎたのも失敗であった。筆者は基本的にフラッシュ・バックは好まない。ストーリーは分かり易く、単純明解なものをより好むのは普通であるが、この作品は逆で、現在進行形に忠実過ぎるが故に、作品自体のテンポと、主人公の実際の生き様のテンポとの不一致が大き過ぎた点が作品全体をより分かりにくくしてしまったことは歪めない。筆者の知っているハワード・ヒューズの印象をことごとく崩壊させてしまったことも事実であり、その点は氏を良く知る、アメリカのエンタメ・ファンにとってはそれ以上だと推察する。「策士策に溺れる」という格言があるが、前述したように、これが全て「テクニック」だとしたら、本作は完全に策に溺れたというのが筆者の評価である。

ディカプリオ始め、演技に関しては誰もが素晴らしい演技だった。特にディカプリオの強迫神経症の演技は、実際に彼が何度も病棟に通い、患者の症状を研究した成果は全て出し切っていた。脇役の面々でも、アラン・アルダの上院議員の憎々しさ、嫌らしさは絶品。オスカーも獲得したケイト・プランシェツトのキャサリン・ヘップバーンは彼女の再来かとも思った。また、往年のプレイボーイ、クラーク・ゲーブルに「世界一美しい女性」と言わせたエヴァ・ガードナーの神秘的な妖艶さを再現したケイト・ベッキンセールといい、共演者のすべてが、それぞれこれまでの輝かしいパフォーマンス以上の物を発揮した点も、その水準の高さは目を見張るものであったことも事実である。

しかし、役者がどんなに見事な演技をしようが、その結果がイコール作品のクオリティを上げるとは限らないという難しさを改めて認識させることになった映画であることも事実である。

このことは、美術と音楽にも言える。美術は欲張り過ぎだったし、音楽も全体を通しての一貫性は感じられなかった。この辺りの「効果」も奇をてらった狙いは十分に考えるものの、それぞれの選曲の統一性とその裏にひしめいている共通項を感じるのが、かなり後半になってからその法則性をやっと理解できるようになるが、時既に遅しと、作品を総合的に観れば観るほど、これらの「効果という脇役」のひとり歩きも大きい。各々が各々の立場で最高の精神状態とパフォーマンスをみせてくれたのは事実。しかし、物語の根底に流れるものを作品に盛り込めなかったのは事実であり、この点は制作者サイドの包括力が足りなかったと言わざるを得ないのもまた事実である。

これらのことを総括すると、この作品は、オスカーの「一年の象徴」である作品賞に届かなかった理由が大変よく理解できた公開となった。個々のパーツは完全に近いのに、その統合体、所謂「総合芸術」としての映画という観点からみたときは、残念ながら、本作品はその年を代表する作品にはなれなかったというのが筆者の結論であり、「ミリオンダラー~」の良し悪しとは別に、作品賞にならなかったことは、かえって今後の取組みに良い影響になるという事を実感させられた作品であった。

スコセッシとディカプリオは次回作、更に次々回作でも共演する。(バス・ラーマンの「アレキサンダー」は何処へ・・・) 今回は評価の難しい作品となった。筆者の個人的な希望は、史劇である。このコンピでの史劇も是非鑑賞したいものある。


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by turtoone | 2005-03-27 01:42 | 映画(あ行)

サイドウェイ

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この作品のレビューが遅れたのは、東京広しといえども、何と、六本木だけしか公開されていないという「立地条件」にあった。20年前は自分の略棲家だったこの町も、山手線の北側に住んでいる現在の身としては、中々行く機会も無く、またさらに、「ポンギに映画」を観に行くには、それなりのシテュエーションも大事。そういう訳で相手探し、鑑賞後のディナースポット等を探している間に時だけが無残にも過ぎていった。オスカーの候補作にもなり、また、GG賞の作品賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したほどの作品なのだから、もう少し色々なところで公開して欲しかった。

映画という物は、一回の鑑賞で全てを理解できるものでは無いというのが持論であり、毎回、前情報を元にどの部分を見ようかと決めるのであるが、正直、この作品は、「生情報」が多すぎて自分で「何処を見るか」決められなかった。生情報が多かったのは、特にオスカー情報を貰ったときの米在住の友人からが多く、彼らの中ではイチオシだった作品の鑑賞も区々だったので、だったらカリフォルニア・ワインの紹介映像程度に気楽に観ようと思った。タイトルもsideways(寄り道)だしと思っている内にいきなり主人公と親友は寄り道してしまうが、ここでいいオトナが親のお金をくすねてしまうシーンを観た瞬間、いや、待てよ、このsidewaysは「斜め」とか「横向き」の方じゃないかと、主人公を通した人間性を提言しているところを観た方が面白いんじゃないかと軌道修正した。鑑賞の途中で「鑑賞方針」を変えるという作品も近年では珍しい。

この方針は正解だった。筆者も大体、この作品の年齢層であるから、マイルス(ポール・ジアマッティ)の心境も、ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)の気持ちも大変良く理解できた。特にマイルスの心境は、そもそもこの旅の企画が親友の独身最後のなどと言いながらも自身の現実逃避旅行であるところだったり、親友に嘘を突き通すところ、また同時に親友の窮地を救うところというのは、殆どの部分で共感できた。

筆者も学生時代に、友人とふたりでクルマの旅に出たことがある。日本縦断の旅で、おおよそ1ヶ月を費やした。その間には色々なことがあったが、振り返ると信頼と友情というよりも、妥協と浪費の産物だったと思う。しかしそれを不定期的に打開するのが、若気の至りである、興味本位という奴だった。この作品ではその興味の対象が明らかに違うふたりであるが、だから1週間が限度だったのかも知れないし、逆に1週間持ったのかもしれない。筆者の経験から、この作品を観て、(余りいないと思うが)もし、友人とふたりで長期の旅に出ようとという計画を持ったとしたなら、それは是非中止されることをお薦めする。

最後にヴァージニア・マドセンについて、一言だけ。オスカーとGGでの助演女優賞はノミネートだけで終わったが、この作品で「全米批評家協会賞」等数々の受賞があり、見事な復帰をした。20代の前半は、所謂、「青春映画」のセクシー女優であったが、この作品で見事に知的なオトナを演じあげたことに拍手をもって賞賛したい。ベッド・シーンは無かったが作品の風潮からしてそれで良かった。この年齢でこの路線の女優は、正直ハリウッドでは常に不足気味である。今後は主演も増えることを望みたい。

しかし、ワインを飲んだままクルマの運転をしているが、アメリカでも随分飲酒運転には罰が厳しくなったのでは? 日本では絶対に考えられない。次回はDVDが出たら、それこそ自宅でカリフォルニア・ワインと共に楽しみたい。


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by turtoone | 2005-03-26 15:53 | 映画(さ行)
b0046687_22112623.jpgこのタイプの映画の共通項というのは大概決まっている。主人公は天才。しかし天才が故に孤独で協調性が無い。そして、ライバルと恋人の出現。恋人は最初は高嶺の花、ライバルは殆ど意地悪。順調に見えても見えない壁に当って挫折、結果リタイヤするも、復活して、カタストロフィは勝利と喝采。と、このように相場が決まっている。この作品も、殆どこのパターンだった。なんだ、土壌をファントムや、ダンス、アメフトやカーレースから、マーチング・バンドに変えただけか・・・、と、高を括っていたら、いつものパターンと違うことに気がついた。この作品には、今までのお決まりなのに、無いものがあった。「友人の死」と、「血の滲む様な努力」である。天才の傍らには、お決まりの「唯一の理解者」ってのが居て、これが一番いいところで事故や挫折で死んでしまったり、死ななくても夢半ばで諦めてしまったりする。それと、壁を破るための努力。大概この「日々の鍛錬」の映像はテーマソングがバックに流れたりするのは、「ロッキー」以降、「お約束」シーンである。しかし、この作品にはそれが無い。

それだけでは無く、この作品では、中々努力をしようとしない天才主人公に対して、ライバル君がご丁寧に手取り足取り教えてくれる。この展開には、思わず拍子抜けしてしまった。おっと、調子こいて書いているとこの勢いで全部ネタばらしてしまうので、この辺でやめておく。

以前、「スウィング・ガールズ」か何かのレビューで書いたが、筆者が選出する、映画作品の中で最高のライバル役は、「トップガン」のアイスマンである。しかし、21世紀には中々アイスマンの様なキャラが輩出しにくいのかもしれない。また、「マーチング・バンド」という連帯責任の世界、大勢でひとつの事(この場合、音)を成し遂げる環境設定だから、対立ばかりしていられないのかもしれない。しかし、「お決まり」とは別に、ライバルキャラが弱いと、ストーリーも脆弱に見えてしまうから面白いものだ。

であるが、ストーリーが脆弱な分、ドラムの演奏が見事。しかも、この作品に拍手したいのは、このドラムの場面を練習も含めて、惜しみなく露出しているところである。大体こういう作品では、演奏にしてもダンスにしても、勿体ぶって、散々期待させといて、最後にちょっとしかやらないのが多く、「なんだよ。こんだけのために2時間も見ていたのかよ」系ってのがかなり多いのだが、これはそんなことない。特に、ニック・キャノンは流石だ! 十分にドラムを堪能させて頂いた。そういう意味では評価は高い。

俳優に関しては、特筆すべき人はいないが、ヒロインのゾーイ・ザルダナは「センター・ステージ」に出ていたのを覚えているくらい、印象の強い人である。今後にも期待したい。

この作品、残念ながらスクリーンで観なかった。こういう作品を銀幕で再演してくれる映画館というのが本当に無くなったのは、シネコンが出来る一方で残念だ。名画座ではないが「みゆき座」が閉館するのは残念。筆者には思い出深く、なんと、「エマニエル夫人」を見た映画館である。
ありがとう、みゆき座!



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by turtoone | 2005-03-24 22:59 | 映画(た行)
b0046687_21264162.jpgもし、今、何故この作品をレビューするのかを尋ねられても、上手く回答できない。タイミングとしては「プリティ・プりンセス2」に出演していたからという理由かも知れないし、その作品のための来日が印象的だったのかも知れないし、というか、この映画作品というのは、何かこうやって畏まって書こうとして作品に向き合うのが、不思議な現象だと思ってしまうくらい「身近」な作品なのである。そして、それは筆者だけでなく、映画鑑賞が趣味な人は元より、一般の方にとってもそうだと思う。また、この作品ほど、公開の後、色々な作品にパロディとかネタに使われたりする作品も珍しい。記憶に新しいところでは、「ムーラン・ルージュ」であったり、「天使にラブソングを」だったりする。

20世紀FOXでも、この作品の扱いは一番大きい。以前にFOX作品を纏めたドキュメントや、自社のプロモートDVDでも、「サウンド・ミュージック」に割かれたいた時間が一番長く、この作品があったからこそ、FOXは今も健在だと言わんばかりであった。御存知の通り、FOXといえば、70年代後半以降、「スター・ウォーズ」であり、「ダイ・ハード」、「ホーム・アローン」、「インディペンテ゜ンス・ディ」という代表作が目白押しで、勿論「史上最大の作戦」と並びこの表題作も、FOXの代表作であるが、やはりこの作品は、破産寸前の時期にあった同大手映画会社の窮地を救った点にあるのかもしれない。

しかし、なんといっても、このミュージカル作品で歌われている楽曲の殆ど全てが、この映画の全編を鑑賞したことがなくても、なぜか自然に口ずさむことが出来るという点が一番大きいと思う。この作品はそもそも「トラップ一家物語」という原本(「菩提樹」ともいう)があり、第二次世界大戦直前のオーストリアが舞台。ドイツ軍の占領下の直前に逃亡するまでの家族の絆を描いた原作であるが、ミュージカル化された時に、覚え易い数々の名曲が生まれ、映画作品においては、アルプスに代表される大自然を随所に折込ながら、完成度の高いミュージカル映画に仕上げた。そう考えると、まさに総合芸術としての「映画」というカテゴリーに相応しい完成形として誕生したのである。この辺りがFOXのみならず、ハリウッド映画界関係者がこぞって一番に名前を挙げる作品なのであろう。

ジュリー・アンドリュースという女優も、なぜかこの「世界」ではひとり別格である。グレース・ケリー、エリザベス・テーラー、オードリー・ヘップバーン、マリリン・モンローと、記憶に残る女優は沢山いるものの、「品位」とか「格調」とか「尊厳」とか、そんな熟語が当てはまる女優というのは、映画界広しといえども、そんなに沢山はいない。このジュリー・アンドリュースを置いて、他に中々見当たらないというのも事実である。

そのジュリーが、何故か、この作品でオスカーを取っていない。この作品は、「作品賞」以下、アカデミー賞5部門に輝く名作であるが、なぜか彼女はこれほどの演技でも選出されなかった。前年「メリー・ポピンズ」で主演女優賞を獲得し、ミュージカルでしかも2年連続という快(怪)挙を、アカデミーのバランス感覚が急に機能して、彼女の受賞を妨げたとしか考えられないが、そんなことすら下世話に感じてしまうほど、この作品の印象度と、ジュリーという女優の偉大さは、後世に語り継がれる功績である。

別に語り継がなくても、映画作品なのだから、見れば良い。時代を超えて通用する作品である。

ところで、このDVD現在999円で販売している。最新DVDランキングでもベスト5内に入っている。本当に良い物は時代を超えて支持される。


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by turtoone | 2005-03-23 22:30 | 映画(さ行)
b0046687_22294910.jpg今週末に「アビエイター」の公開を控えてという訳では無いが、漸くこの作品の順番が巡って来た。色々と書くことが沢山あるのだが、全部書くとこのブログが全て埋まってしまうので、相当割愛・凝縮して書くことにする。この作品の舞台は表題の通りニューヨーク、それも1840~1860年のことである。まず、これでお分かり頂ける様に、同じ、マーチン・スコセッシ作品「エイジ・オブ・イノセンス」よりも、たった10年前のことになる。恐ろしいことに、この10年間でニューヨークという都市は大きな発展と変貌を遂げたのである。人間の力というのは、そういう意味では偉大である。いきなり、ラスト・シーンの解説をして申し訳ないが、ラスト・メッセージに込められた物は、公開当時の全米、特にニューヨークにはかなり辛辣だったであろう。この一連の騒動と、「9.11」を引っ掛けて、再興のエールを送っているのだが、唯でさえ「9.11」の関係で公開も遅れたというエピソードもあり、最後にワールド・トレード・センターを入れるか入れないかで賛否両論が戦った。色々、作品自体以外にも話題が話題を呼び、結果は10部門ノミネートが無冠の惨敗に終わった。先日のオスカーは、その弔い合戦もあったが、どうも、ニューヨーク派のスコセッシは、ハリウッドからは毛嫌いされているようで残念である。

ディカプリオが「タイタニック」以来、大きな変貌を遂げられたのも、この作品と次の「キャッチ・ミー・イフー・ユー・キャン」である。作品としては「G.O.N.Y」の方が好きであるが、レオさまの演技は「キャッチ~」が気に入っている。寧ろ、本作では、いい意味でダニエル・デイ=ルイスに影響され、刺激され、引っ張られている。彼との出会いはレオさまの役者人生の中でも大きな事件だったはずだ。1997年を最後に銀幕から遠ざかり、靴職人になっていた、「映画の職人」デイ=ルイスをスコセッシ監督とふたりで「三顧の礼」を尽くしてこの作品に迎えたのは、レオさま、その人だからである。デイ=ルイスの今回の演技で特徴的だったのは、19世紀半ばのアメリカ・ニューヨークという、史料が乏しい時代の「ギャング」を見事に再現しているところである。彼が演じる、ブッチャーは紳士である。ネイティブ・アメリカンという誇りを持って生きている。確かに手段を選ばないところはあるが、しっかり人の上に立とうとしている。他の人間と違うのは、自身はどう悪く思われようとも、この町を、この国を引っ張っていこうという気概を持って、それを実現している。「ギャング」は本来、そういうものだったという、この役に対しての誇りを強く感じる。そういうメッセージを沢山投げかけることの出来ている演技である。絶句ものである。

その他の出演者も皆、それぞれ実績と「味」のある役者ばかりで、リーアム・ニーソン、ブレンダン・グリーソン、ジム・プロードベント、ジョン・C・ライリー、ゲイリー・ルイスという一流の俳優が一堂に会すというのも、スコセッシ監督ならではである。キャメロン・ディアスも真価を問われた出演となり、強烈な印象はのこらなかったものの、この環境の中で見劣りすることもなく、良く頑張ったと思う。それもそのはずで彼女はドル箱女優ながら、人目も省みずこの作品のオーディションを受けたのだから、その根性も凄い。そしてもこの演技を見る限り、彼女は正当なオーディション合格者ということを立証している。

そして、この作品は素晴らしい「歴史記録」にもなった。当時の文献も数多く紹介されていたり、また当時、ニューヨークに蔓延っていたギャングの「組」と、その名前もたくさん紹介されている。貴重な映像記録になっていることも付け加えたい。

兎に角、筆者にとっては、色々な意味で大絶賛する作品である。


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by turtoone | 2005-03-22 23:19 | 映画(か行)
b0046687_171149100.jpg「デブラ・ウィンガーを探して」というドキュメント的な映画作品があるが、所謂、映画界における女優の存在意義という物を、年齢をひとつの軸とし考えていた作品で、興味深い内容である反面、一映画ファンとしては、一時期でも銀幕を独占した面々のその後のネガティブなコメントの数々は少し残念に内容でもある。

そのデブラ・ウィンガーが最も輝いていた作品が、「愛と追憶の日々」であるが、表題の作品がこのダイアン・キートンの年代の恋愛を描いているのみの留まったのと、一方でこのオスカー作品が、恋愛のみならず、母娘の関係まで立ち入ったことに、この間の30年近い間の純愛コメディの「平均年齢底上げ」と、時代の風潮を多く感じ、前者がオスカー(別段、オスカー作品が全て良いとは思わないが・・・)に選出されたのと、表題作品が、ダイアン・キートンのGG賞主演女優賞までで終わってしまった処に、大変残念な気がしたならない。ジャックとダイアンの共演は確か「レッズ」以来で、これが2作目というのも意外。今や、この二人の演技力を持ってしては、ラブ・コメディ必須のキャラであると思うが、その辺りも数々の栄光と遍歴を持つハリウッドを代表する二人なのだから、そう簡単な作品には出演しないのだと思う。

その点、この作品に「ハートフル」な部分は沢山感じるものの、残念ながらそれ以上のメッセージが伝わって来ない。例えて言えば、最近はシアターで「夫婦50割引」というのがあって、夫婦の片方どたらかが50歳以上だと、二人で2000円か何かの割引になり大変お得なサービスがあるらしいが、そのキャンペーン広告フィルムとこの作品はそんなに変わらない内容であった。
その辺りがとても残念であった。また、他にも例えていえば、エンドロールのところでも良いから、ダイアンの書いた「舞台作品」の「第2幕の結末」だけでも良いから、ちょっと見せて欲しかった。そんな、観客へのサービスも欲しい作品であった。

この作品レビューに関連して、ダイアン、ジャックという二人の大スターのことをここで余り書く積もりはないが、キアヌ・リーヴスが出演していたのでひとつだけ。彼は「マトリックス」や次回作「コンスタンティン」のようなSFXオンパレードも良いが、こういう純愛物にさりげなく出演しているのも良い。特に筆者は「雲の中で散歩」が大好きなのであるが、この作品でも、フランス料理店での、二人の関係を気遣った見事な「無言の演技」は素晴らしい。こういう演技ができる俳優なので、人間性を出せる作品に出演して欲しいと思うのは、筆者だけではないと思う。

もし、「5本で1000円レンタル」で、1本どうしても足りないときには、序でに借りても損はしない、それ以上の「暖かさ」を感じることの出来る作品である。


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by turtoone | 2005-03-21 17:52 | 映画(ら行)