暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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カテゴリ:映画(か行)( 49 )

ガンジー ~My Collection~

b0046687_23194486.jpg1982年・第55回アカデミー賞の作品賞、監督賞(リチャード・アッテンポロー)、主演男優賞(ベン・キングズレー)、脚本賞(ジョン・ブライリー)の主要4冠を始め、撮影賞、美術監督・装置賞、衣裳デザイン賞、撮影賞の計8冠に輝いた人間ドラマ超大作である。

インド独立運動の指導者、マハトマ・ガンジーの生涯を綴った作品であるが、こういう映画にありがちないきなり衝撃的なシーンで始まり、ある種、作品全体がフラッシュ・バックの手法で描かれる、追想・回顧型の展開である。歴史大作では一番無難な作り方であり、「アラビアのロレンス」も「ラスト・エンペラー」も皆、この類いの組立がされており、筆者は勝手に「歴史オスカー仕様」と呼んでいるくらい、決まって、この形式が多い。ひとつには、こういう作品は上映時間が長いことにある。ガンジーは188分になるから、途中でいくつかの山を作らないと、見ている方も辛い。その辺りの計算に関しては少し甘かった作品だと思う。というか、ガンジーという人物を映画化したという熱意は認めるものの、偉大な人物には違いないが、どちらかというと映画という総合芸術のテーマにはなりにくい人である。この辺りはクレオパトラやモーツァルトとは少し違う。また、最初は商社の顧問弁護士だった彼が人種差別を受けたので発起して、平和運動に繋がるというくだりであるが、当人の歴史的事実は兎も角も、この作品の中では、残念ながらその辺りの葛藤を描ききれていない。だから、その後必要にインド独立の「切り札」として英国側からもインドからも重宝がられ、いい様に使われ、突如、断食に入ったり、巡教し出したりするから、返って、政治的背景があるのでは無いかと、そのための布石だと考えられても仕方無いと思われてしまう。こういう歴史上の偉大な人物を主役とした作品で難しいのは、主人公の心境を通した時代背景が、常に実際の歴史事件を反射されてしまい、妙に主役を奉ってしまって、歴史の真実と、同時に作り手の本当に言いたいことを主役が代弁してくれないところにある。結果偉大なる人物の半生を綴っただけに過ぎず、それ以上の感動を与えることが少なくなってしまった。これは前述したように、「ロレンス」にも「ラスト・エンペラー」にも同様に言える共通項である。

筆者にとってこの作品で特筆すべきは音楽である。特に、シタールを中心としたインド特有の楽器が奏でる音楽の数々は、一種特異な世界に導いてくれる。この年のオスカーでは作曲賞は「E.T」に、音楽賞はノミネートすらされず、「ビクター/ビクトリア」がそれぞれ獲得したが、この作品の音楽は素晴らしい。どうもオスカーの審査員は音楽関係の賞を選ぶのは下手だと思う。この音楽が良かったお陰で、実は、ストーリー全体が単調にならずに済んでいる。

しかし、一方でこの作品でガンジーがどういう人生を送ったかということを知った人はたくさんいると思う。そういう意味では「ガンジー」という名前は知っていても、「具体的に何をした人」というのを存じ上げない人には、たった3時間で、20世紀に最も地球と平和を愛し、祈った人の生涯を見ることの出来る映画として、なかなか良い教材であると思う。

この「偉大なる父」の映画を作ろうとした人たちの情熱に、拍手と乾杯を捧げたい。



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by turtoone | 2005-03-04 23:14 | 映画(か行)

仮面の男 ~My Collection~

b0046687_2117664.jpg別に「アビエイター」がオスカーで惨敗したのから、レオ様の出演作品をレビューしているわけでは無い。(か行)はディカプリオの映画作品が沢山あるだけなんで・・・。筆者もそんなに往生際の悪い方では無い。週末には、もう一度「Ray/レイ」を見てこようと思う。おっと、その前に「コラテラル」の新作DVDを購入して・・・。

さて、「三銃士」であるが、所謂、「三銃士物語」というのは何篇にも亘って書かれていて、この「仮面の男」は、確か、「ダルタニアン物語」の最終章?「鉄仮面」という話の映画化で、原作は何れも、「岩窟王」で著名な偉大なフランスの文豪アレクサンドル・デュマである。この「三銃士」というのは原作本を全部読んだことがない。というか、筆者の少年期には、大きな図書館に行っても、日本語訳でこれら全巻を所蔵しているところは、多分国立図書館くらいだったであろう。大学の図書室にはあったが全部仏語版であったのを覚えている。ネットが普及して、半年ほど前、何かの発表で「三銃士」を引用しようと思って検索をかけたら、何と、「三銃士大好き系サイト」というのが沢山立っていて驚いた。なるほど、フランス史の中でもアイドル的な存在になりうるキャラでもあると妙に納得した。

さて、「鉄仮面」の章は、この一連の三銃士物語の中でもストーリー展開が暗い。映画ではそうでもなかったが、原作では年老いた、アトス、アラミス、ポルトスと、王への忠誠に全身全霊を捧げるダルタニアンとの間に確執が生まれてくる。最後にそれは解消されるのだが、最悪の結末が・・・。しかし、このイギリスとの微妙な関係が全て修復し、その後の「ルイ14世」の時代は、フランス史上、いや、世界史上でも類い稀な治世と、権威と、栄華を後世に示した時代となった。というのが、三銃士物語の大団円である。三銃士が介在していたからこの名君が生まれたというのが、とてもフランス人らしい考え方であろう。

そしてこの映画作品を高く評価するのは、キャスティングである。特に、三銃士のキャスティングは最高である。アラミスに「運命の逆転」でみごとにケビン・コスナーを抑えてアカデミー主演男優賞を受賞したジェレミー・アイアンズ、ポルトスにフランスの名優、ジェラール・ドパルデュー、そしてアトスに筆者も大好きなジョン・マルコビッチ。更にダルタニアン役には、「若草物語」でウィノナ・ライダーの相手役で筆者にも覚えの高いガブリエル・バーンと、何れも、ひとくせもふたくせもある俳優陣は、とてもアメリカ映画とは思えない。そして、ここに、当時弱冠24歳のディカプリオがルイ14世と双子の弟フィリップの2役で主役を張っている。正直、この作品で、ディカプリオは然程目立っていないが、一方でこれだけの陣容の中で影が薄いわけではない。この作品を始めてみたとき、「ギルバート・グレイプ」以来、久々に若手の演技派を筆者が確証した作品でもある。特にこの作品では、ルイ役とフィリップ役の時の彼の「目」に注目して欲しい。ルイ役の時に見られる傲慢で、横柄で、冷酷なまなざしと、フィリップの優美で、繊細で、しかし何処か不安なまなこの使い分けを目だけで演じきってしまうところは、この若さでという次元でなく、天性の俳優としての資質を実感できる。

この作品は「タイタニック」から2年後の作品だ。本人が好むと好まざると、「タイタニック」に出演したのは事実だし、確かにあの役柄では演技派としてのディカプリオを表現しきれなかったというのは理解できる。だが、これだけの演技をしている自分というのを、自身で分析したことがあるのだろうか。今、それを是非、ディカプリオに伝えたい。

歴史物は悪戯に大作になり易いが、この作品は全く違う土壌で勝負している。派手ではないが、この「おとなのための三銃士」作品を今後も、たまに見るのも良いと思う。


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by turtoone | 2005-03-01 22:18 | 映画(か行)
b0046687_177864.jpg一般的にオスカー五冠と言われるのが、「作品賞」、「監督賞」、「主演男優賞」、「主演女優賞」、「脚本賞」である。過去76回の中でこの五冠に輝いたのは、7回(1934)の「或る夜の出来事」、64回(1991)の「羊たちの沈黙」と、この48回(1975)の「カッコーの巣の上で」の3作品しかない。その中でも、あくまでも「オスカー作品」として考えてもっとも相応しい(所謂、ベスト・オブ・オスカー?)のが、この作品であろう。

まずは題材がオスカー好みである。作品賞として選出されるかどうかは別として、オスカーで好まれるのは、「精神異常者」、「アルコール中毒」、「受刑者」、「歴史上の人物」色々あるがその筆頭である。しかも、この作品は舞台が、オレゴン州立精神病院であることが最初から相当ポイントが高かった。また、この年は対抗する相手にも恵まれた。最大のライバルは「狼たちの午後」であった。しかし、よくよく考えると、この作品をきっかけに、主演のジャック・ニコルソンは、オスカーの常連になっていくのに比べ、一方の「狼たちの午後」で受賞を逃した主演のアル・パチーノは、暫く、オスカーから嫌われた。どう考えても俳優の人と成りの「誠実さ」とか、演技の「手法」等から考えても、アル・パチーノの方が正統派であり、コンサバなオスカー好みだと思うのに、ジャックがコレだけ評価されている基点というのが、この1975年のオスカーでの受賞の如何だったのではないかと、邪推してみたりする。

この作品は、ストーリーもさることながら、出演している役者のそれぞれの演技が素晴らしい。まず、ジャックを凌ぐ演技力をみせたのが、この作品が殆どデビュー作に近い、ブラッド・ドゥーリフである。オスカーには助演男優賞でノミネートされていたが、残念ながら受賞を逃した。ジャックが取れなくても、彼は最有力と思われていたのに、オスカー審査員は、多分、彼の「若さ」を危惧したのではないかと思う。彼はこの作品で英国アカデミー賞とGG賞の新人賞の栄誉に輝いたのだが、やはり、オスカーとこれらの賞の違いは相当あるらしく、その後、出演作品は多いものの中々良い役に恵まれなかった。しかし、彼の存在が(少なくとも筆者には・・・)再びクローズアップされることとなったのが、「ロード・オブ・ザ・リング2 二つの塔」のグリマ役である。この役は久しぶりに彼の存在感を大きく示した役柄であった。とにかく、何度見ても、この作品の青年役は素晴らしく、決して大げさでなく、中々このような神懸り的な演技においそれとお目にかかれるものではないということを特筆したい。

また、彼だけでなく、この作品に出ている役柄は、この年のオスカー助演男優賞のノミネート枠5つを、全て埋め尽くしても良いくらいの演技力大合戦である。そして、この作品が「不思議」なのは、観客は皆、この「精神異常者」たちの誰かに感情移入しているということ。そこで生きてくるのが、この病棟の婦長役を憎々しく演じ上げて、見事主演女優賞に輝いた、ルイーズ・フレッチャーである。それを最も理解していたのが本人であり、オスカーの授賞式では、「受賞できたのはみなさんが私のことを憎んでくださったからです。憎まれるって大好き」とスピーチ。さらに彼女は、「両親に感謝します」というスピーチをテレビに向かって手話を交えて行った。彼女の両親は聾唖者であり、彼女の行動は会場を感動と喝采の渦に巻いた。しかしながら、彼女のこれらの行動はすべて、オスカーでよくありがちの「役者の固定観念」に結びついてしまった。事実、ルイーズは、この作品が映画出演3作目。それで「カッコーの婦長役の~」というレッテルをはがすのは難しく、ブラッド・ドゥーリフ同様、その後中々陽の目をみていない。

もうひとり、クリストファー・ロイドもこの作品の「精神異常者役」がきっかけで、その後のこの人の映画界での活躍に関しては、御存知り通りである。それ以外にも、マイケル・ベリーマン、ウィル・サンプル、ダニー・デヴィートと何れもが前述した様に助演男優賞にノミネートされても決して不思議ではない程、この人たちの演技は圧巻である。

監督はミロス・フォアマン。「アマデウス」で2度めのオスカーを受賞している。どちらの作品が好きかと言われるとかなり悩む。できれば返答したくない。「ヘアー」というこれまた素晴らしいミュージカルも手がけている。そして、何れの作品も登場人物のひとりひとりを丁寧に描いている。この作品でも、彼の「丁寧に描く」というコンセプトが役者のひとりひとりの名演技生んだのであろう。彼は、両親をアウシュヴィッツで亡くしているという過去がある。しかし、彼は決して、その方面での作品や、巨匠が陥りがちなユダヤ民族を描いたりということをまだしていない。その過去と関係あるか分からないが、登場人物のひとりひとりを大切にするという観念はどの作品をみても変わりない。監督作品は少ない方であるが、それが納得できる監督でもある。

ベスト・オブ・オスカーと前述したが、だからといってこれが「映画のお手本」では無い。しかし、30年を経た現代でも、決して題材が古さを全く感じさせないところが、この作品で役者ひとりひとりが表現している、人間としてのメッセージなのである。


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by turtoone | 2005-02-27 18:34 | 映画(か行)
b0046687_12201398.jpgアカデミー賞授賞式が間近だが、当方は閑話休題。アカデミー受賞作という「繋がり」としてこのレビューを書く。

というか、正直にこの作品は古さを隠せない点が多い。

まず、映像に関して、南部地区背景の美しさや、冒頭の舞踏会の豪華さやその美術も、公開当時としては芸術的な映像だったかも知れないが、現代に於いては残念ながら、この作品を最初に見たときの「感動」以外には、何も感じない。つまり、直接的な感動は期待できない。

物語に関していえば、この作品は前半と後半で見事に方向転換をしているので。それに関して言えば、悪戯に続編を作る最近の風潮と比べると、多少作品が長くても、それを十分に賄うだけの展開はある。しかし、後半の約120分というのが、主人公であるスカーレットの内面に入り過ぎていて、結構前半から比べるとそれが突飛に来るので、その意外性に観客がついていかれない部分があり、これが勿体無い。当時の映画の作り方として、「前後半を分けて」劇場でも公開していたが、DVDもそれに沿って作成しているから、それに慣れていないと少し戸惑うと思う。(これに関しては面白い話があり、先日珍しく大きな劇場で「アレキサンダー」を見たときに、隣席老夫婦に休憩は途中で入るのか聞かれた。成る程、この映画の世代の方達だと思った) 「タラが嫌いですって!」と妹達を一括するスカーレットの態度は、前半からは想像もつかない始まり方をするからだ。

この作品は、筆者にとっては「ヴィヴィアン・マジック」以外の何物でも無い。ヴィヴィアン・リーという女優は世界の映画ファンにとってもそうであるように、筆者にとっても別格の女優である。要するに、時を経て、またDVDという限られた空間での映像で鑑賞すると、ヴィヴィアン・マジックも少し薄れ、同時にそれ以外の物も魔法が解けているから、ごく普通にしか見れないのが残念だった。特に、アシュレイ役のレスリー・ハワードに関しては、なんでこんな男にスカーレットの様な女性が惚れるのだろうという違和感を払拭できない。

一方でこの作品を改め見て発見したのが、メラニーという役柄である。彼女の役柄はスカーレットの惚れているアシュレイの奥方なのだが、スカーレットの表向きの優雅さに比べて女性としての真の強さを表現している。当時の南部はこういう女性が支えたのだと思うと、この映画作品の本質は、スカーレットの恋ではなく、この二人の女性を対比させて描くことによってのアメリカの行く末を模索しているものだという主題が浮かびあがってくるのである。

初めて、この作品を見たときには、このことに全く気がつかなかつた。これも「ヴィヴィアン・マジック」だったのだと思う。

そこで、是非、提案がある。「風と共に去りぬ」を新しく作りなおそうという提案である。

筆者の案は、監督にこの時代のアメリカを描かせたら右出るものがいないマーチン・スコセッシであるが、それ以外はまだ未定。というか、正直良く分からない。女優ではニコールがダントツなのだが、前半のスカーレットを年齢的に出来るかどうか。また、レッド・バトラーに匹敵する男優も、今は全く思い浮かばない。ジョージ・クルーにーとかでは軽すぎる。アシュレイは、美しいだけということで選んで良いと思う。そして、メラニー。ジョデイ・フォスターが最適なのだが、これも年齢的に・・・。或いは、作品のコンセプトを全くかえるために、いっそ、ミュージカルにしたらどうだろうか?

是非、是非、映画ファン諸兄にも、このキャスティングで良い知恵、良い提案を頂きたい。


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by turtoone | 2005-02-27 13:05 | 映画(か行)
b0046687_17535760.jpg歴史スペクタルというジャンルは個人的に大変好きである。この作品は、当ブログを立ち上げる少し前に公開されたものなので、DVD購入に併せてレビューを書こうと思っていた。

作品を見る前から興味が沢山あった。ひとつはアーサー王には沢山の伝説があり、どの説を取るのかという興味であった。事実、これまでも結構多くの作品に「アーサー王」は登場する。又、アーサー王伝説というよりも、エクスカリバーの「聖剣伝説」であり、「アーサー王と円卓の騎士たち」伝説であり、更には「ランスロット伝説」だったりと関連・付随しているものも大変数が多い。個人的な興味による偏りもあり、例えば「魔法使いマーリンに育てられたアーサー」だったり、「王妃とランスロットの不倫」等、断片的な物が多い。この点に関して、物語は「ブリテンの成立と王の即位」をゴールにして、アーサーという人物像を掘り下げるわけではなく、ローマ帝国の崩壊とヨーロッパ史の大きな転換点にあることを中心に纏めてしまっている。本質に触れずに上手く逃げたというのが筆者の印象であり、そのお陰でアーサー自身を暈してしまったことにより、主人公への感情移入が困難になってしまった。こういう作品であるから、それもオーケーだが、「ベン・ハー」や「グラディエイター」の様に時を越えても、人間性という物への強い感動を吹き込むことが出来なかったのは残念である。結局この作品も「アーサー伝説」で終わってしまい、それは、子供の夢枕に聞かせる冒険小説と寸分の違いが無くなってしまっている。

もうひとつの大きな興味は、ジェリー・ブラッカイマーという今もっとも旬な製作者が始めて扱った「歴史史劇」という事であった。「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、ディズニー物というだけでない新しい境地を開き、興行的にも、作品の質的にも大きな成果を残した彼が、どんな影響を与えるかに注目したが、それは大部分で満足のいくものであった。特に、ブラッカイマーらしいと思ったシーンが「大氷原」でサクソンと戦闘するところである。公開中の作品でないので多少ネタバレすると、氷を下から撮っているカメラワークの発想や、氷が割れていくシーンの構成などは、他の製作者の作品には中々ありえない。この辺りに、「ザ・ロック」や「パールハーバー」に共通するものを見出せる。しかし、ひとつだけ、「音楽」は頂けない。如何にもブラッカイマーの共通旋律であった。これは残念ながら、大きくこの映画の評価を下げる要因である。

音楽といえば、最近は18~19世紀のように、音楽と演劇という文化的コラボがとても希薄になっていることを感じる。例えば、個人的な趣味で恐縮だが、リックウェクマン等は「アーサー王」の物語の一大組曲を作曲していて、この作品は音楽だけでアーサーという人間を発想できるほど素晴らしい。例えば、シェイクスピアとメンデルスゾーンがコラボった様に、現代でも、「音楽家の半生」を描くようなものでなく、音楽作品ありきの、映画制作がもっとあっても良いと思う。

作品としての評価は然程高く出来なかったが、今後のブラッカイマー製作には数々のレシピを提案できたことに、期待値は高い。


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アーサー王の関連サイト
「アーサー王伝説とケルト人伝説」


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by turtoone | 2005-01-22 22:32 | 映画(か行)

カンフーハッスル

b0046687_16375257.jpg中国って、昔からこういう要素がある。昔って近代・近世のことでなく、ずーっと昔のこと。例えば、「三国志」なんかを読んでいても、強い武将ってスケールが違う。例えば、呂布とか関羽・張飛とかって、滅茶苦茶にケタはずれに強い。ただ単に強いだけで無く、その描写が凄い。首なんかどこにとんでっちゃうのか、赤兎馬に跨ってどこまで走って行っちゃうんだかって、そりゃあもう凄いレベル。

それは武将だけではなくて、色々な部分で「描写」が凄い。
例えば董卓っていう人物が一時期、漢王を抱えこんでその権勢を奮っていたのだが、策略から配下の呂布に殺された後、贅沢三昧で脂肪の溜まったそのお腹に火をつけたところ、何週間も消えなかったとか等、三国志って2~3世紀の出来事だから、その頃から中国って国は面白い。
又、「水滸伝」で梁山泊にいる輩は皆、一芸に秀でていた者(それも、とてつも無い秀でかたなのだが・・・)達で、やはり、レベルが違う。日本だと、鎮西八郎為朝が保元の乱で、一矢で8人倒したとか、源九郎義経が壇ノ浦の戦いで八艘飛びをみせたとか、確かにそれはそれで凄い離れ業なのだが、やはりスケールというのか「考え方」が根本的に違うようだ。

そして、そんな中国のルーツは常に大事にされ、現在では映画作品にこういう発想が登場する。実に快感である。こういう作品はストーリーなんてどうでも良くて、ただ、彼らの持つパフォーマンス、次に何をやってくれるかというのが楽しみなので、それ以上の評価もする必要が無い。

但し、これは、機会があったら書きたいが「ワイヤーアクション」は又少し別のもの。勿論、こういう類の映画にはオッケーなのだが・・・。

ひとつ御詫びしたいのは、この映画の監督、周星馳 (チャウ・シンチー)って、「不夜城」の馳星周さんとは、違うんだよね? というのは、香港映画って良く分からないので、実は同一人物じゃないかって思ってて・・・、これ、ネタじゃなくて本当に。それぞれのファンの方には、大変失礼を。


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by turtoone | 2005-01-04 16:44 | 映画(か行)

クイズ・ショウ

DVDの廉価版がたくさん出ているが、このDVDは同一シリーズで2枚購入して、後から1枚送ってくれた物だ。昨日届いたので、今日レビューを書いた。
b0046687_17243136.jpg勿論、過去にも何度か見たことがあるが、色々な意味で興味深い作品だ。

まず、ロバート・レッドフォードについて、この小さい枠内で彼のことを言い尽くすのは無理であるから、事ある毎に触れたいが、この作品ではメディアの横暴もさることながら、ユダヤ人に関する偏見を表現している箇所が興味深い。クイズというヤラセだけを主題にしたのでなく、全米に蔓延る大きなテーマを回顧調で扱ったところがなかなかの演出である。

次にレイフ・ファインズについて、この人に関しても色々触れたいが、やはり「イングリッシュ・ペイシェント」をレビューで書いたときに詳しく触れたいが、この作品と前後して、「シンドラーのリスト」で、あの憎憎しいゲート役を演じて、見事、オスカーの助演男優賞を獲得している。本当にあの役は表現が悪いが殺してやりたいほど憎らしく、それくらいの名演技だったが、その後のこの「クイズ・ショウ」の大学教授役で、筆者的に、彼は救われたと思っている。
因みに、弟はあのジョセフ・ファインズ、「恋におちたシェイクスピア」での名演技が忘れられない。こうして考えていると、またまた、次に見なくてはいけない映画が次々と派生して来てしまう。これらの作品のレビューが近日ここに掲載されるだろう。

ロブ・モローはこの作品で小気味良い中に重たい演技をしてくれて注目したが、その後は残念ながら、パっとしない。


この程度のことで大陪審になってしまうアメリカ社会ってなんだろうと考える。しかし、1950年代、アメリカが国家として成熟をしていく中でのほころびのひとつだと考えると、この陪審でメディアの総懺悔にまで、追い込むべきつただかもしれない。


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by turtoone | 2004-12-06 18:37 | 映画(か行)

グッバイ、レーニン!

b0046687_23303994.jpg

この作品は、本当にタイミングが悪く、公開中に見逃してしまったが、年内にDVDが発売されて良かったと思っている。

作品内容は、所謂、設定から想定するようなエキセントリックなストーリー展開は無い。また、もしハリウッドがこのコンセプトで作品を作ったら(そんな訳は絶対に無いが・・・)もっと爆笑物になっただろう。というか、ドイツ映画としては、これでも精一杯のコメディである。

作品を通して流れる、ある名も無い家族の目に見えない絆と信頼というものは、何百台の戦車があっても、何十万の兵隊が目前に現れても、更には、国のひとつやふたつが変わったとしても、その程度の事で左右されることのない、人間の力強さを滾々と語っている。

思えば、戦争を背景にした映画というのはたくさんあるが、ドイツ絡みでこういう内容というのが描かれること自体が「グッバイ、レーニン」なのだと思う。

映像の中には、将来的に20世紀の記録として財産になるものがたくさんあったのも嬉しい。個人的には色とりどりのトラバントが1990年の筆者の記憶を今一度鮮明にしてくれた。


必見の作品である。ゆえに、ここでは多くを語らない。


「グッバイ、レーニン」の公式サイト
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by turtoone | 2004-12-03 23:49 | 映画(か行)

華氏911

この作品が全米でロードショウ公開される直前に、カンヌを賑わし、b0046687_22461258.jpg25分にも及ぶ、スタンディングオベーションの末第57回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール、国際批評家連盟賞ダブル受賞に輝いたことは記憶に新しい。

そして、全米では配給先が中々決まらなかったことも、更に、先日の米大統領選の直前にテレビ放送をされたということも、又、記憶に新しい。

日本での公開もつい先日までミニシアターでは上映しているところもあったことも記憶に新しい。

しかし、今、改めてDVD化され、パッケージ化され、更に他の商品と同列に音楽ショップに陳列されている同作品を手に取ると、一体あの記憶に新しい一連の騒動はなんだったのだろうと思う。

そして、やはりこの作品を恵比寿の銀幕で見たときと同じ様に、「ボウリング~」のドキュメントとしての完成度に比べると、単に個人攻撃の域を出ていないと感じるのは筆者だけなのだろうか?

取りあえずあの一連の騒動の記念として、私のコレクション棚にも陳列はしておくが・・・
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by turtoone | 2004-11-23 23:02 | 映画(か行)