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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ダークナイト

ダークナイト_b0046687_124483.jpg

今年は7月の後半から特に忙しなくなってしまい、思うようにレビューが書けず滞っているが、若干休みがあったのでやっと落ち着いてレビューを書ける。

そんな中、いきなりであるが、この作品、タイトルから「バットマン」がなくなった理由が実は映画作品の最後でわかる。但しこれがいわゆるこの作品の主題であるから、この事について書いてしまっては、作品全体のネタばらしをしてしまうことになり、筆者の当ブログの基本方針に外れてしまうので、今回は中途半端なレビューになることをお許し頂きたい。

筆者にとってのバットマンとの出会いは、勿論「バットマンムービーズ」である。最初に映画作品として登場し、そののちテレビ・シリーズになった。日本でも何度か断片的に放映されていたし、なにしろ、このバットマンは当時からとても、「愛すべき」ヒーローであった。逆に言うと、当時の日本のヒーローというのは、常に色々なものを背負っていて、たとえば星飛雄馬なんかは貧乏と同時に大リーグ養成ギブスも背負っていたし、あしたのジョーも、タイガーマスクも暗かった。極め付きのウルトラマンは、作品全体のコンセプトから、常に世相に批判的であり、その象徴である「怪獣」を正義の味方が「倒さなければならない」という風刺は、幼いながらも色々なものを背負わされた悲劇のヒーローだと痛感しながらテレビを見ていたものだ。それに比べると、バットマンとはなんとおおらかな存在なのだろうかと大変興味深く感じていた。また、出てくる悪役というものが、ジョーカーにしても、ツーフェイスにしてキャラが強すぎて、逆に愛すべき存在になっていたことも事実だし、色々秘密兵器を持っていのが、結構笑ってしまうものも多かった。しかし、このバットマンの印象を大きく変えてしまったのが、ティムバートンである。筆者はティムの創出したバットマン像、及び、ゴッサムシティーの世界観に大変興味を惹かれた。そして、何時の頃からか、バットマンというヒーローはとても影のあるキャラとして認知されてしまったようだ。確かに、ティム・バートンが、サブリミナルのように各作品に埋め込んだ、「バットマン幼少の記憶」に関しては、作品を追う毎にそのパーセンテージが強くなり、孤高のヒーローとして変化していったが、まだ、ティムの作品シリーズには、ある種の「可笑しさ」がストーリーやキャラの中に残されていて、悲しさや内面を強調する反面、苦笑や希望を作品に残していたために救われていたと思う。但し、世紀末から9.11など一連の事件や世相という時代背景も可也強く相俟ってか、ヒーローがどんどん暗く、かつ受難していく時代に突入していったのは言うまでもない。そんな中で「こうもり」の名前を持つこのヒーローは、そのほかのどのヒーローよりも更に暗く、更に悩まなければならない宿命を持たされているというのが実際なのであろう。

前作の「バットマンビギンズ」からして、新しいバッドマンシリーズの輝かしい第1作という訳にはダークナイト_b0046687_1254036.jpg到底ならなかった。バッドマンに与えられた使命とは、最早街を守ることではなく己の出自との戦いでしかない。たとえば、この作品でも前作同様、170分という長い作品の中で、敵との戦いを描いている訳ではない。寧ろ、それは現在の世相と同じく、誰が正しくて誰が悪者なのかをはっきりとさせない(できない)。ジョーカーもそうであるが、彼が悪役なのか、いや悪いのは、狂っているのは世間ではないのかという部分が強すぎて、正直、単なるヒーローものという目線で見ていると理解ができない展開である。そう、この作品はもはや、ヒューマンドキュメントに近く、そして可也難解な作品になった。だが、色々な点で的を射ている作品であるのも事実。もしかしたら、過去のバットマン作品の中では最高傑作なのかもしれない。残念ながら、ヒーロー物の鑑賞を予定していた筆者にとっては、その辺りの心の準備が出来ておらず、物語を追うのがやっとで、中々それ以外の要素を追っかけられなかった。しかしながら、それだけ秀逸な作品であることは間違いなく、年内にDVDの発売を期待したい。

また、この作品がヒース・レジャーの遺作だと思うと残念だ。彼の最後の素晴らしい演技に多大なる拍手と敬意を表したい。

同時に、このバットマン・シリーズはここで終わってしまった方が良いのではないかとも思う。


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by turtoone | 2008-08-17 22:15 | 映画(た行)