暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ドリームガールズ

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トニー賞を総なめにした舞台の映画作品化であるが、モデルがシュープリームスだったり、ビヨンセが自身の境遇に類するものがありと、色々と公開前から話題の多い作品であった。又、ジェニファー・ハドソンが堂々のオスカー助演女優賞を受賞し、公開直前では彼女が可也クローズアップされた作品となった。筆者にとっての音楽は、多分、余りにも近すぎて職業にしなかった程大事なものであるが、どうも、映画におけるミュージカルという試みは、何度もこのブログで書いているように、特に音楽的に余り褒められたものではない。但し、あくまでもミュージカルという領域で考えれば、この作品は、監督のビル・コンドンが「シカゴ」の脚本も手がけているから、多少「実験的ミュージカル」を期待していた部分もあった。しかし後述するが、彼の脚本の経験も、筆者の前述作鑑賞の経験の何れも、この作品を鑑賞するためには大変な邪魔者になってしまったのが正直なところである。

大体、ミュージカルって、どうして突然歌いだすのであろうか。それから、如何にもミュージカルですってというシチュエーションを作ってしまうのであろうか。つまり総合すると何故この作品をミュージカルにしてしまったか。この点は鑑賞が終わってからも随分引きずってしまった。だって、ミュージャンの作品なのだから、如何に原作がミュージカルであったとしても、それに拘る必要って何もなかったと思う。ハリウッドはどうして、舞台作品の映画化がこんなに好きなのだろうか、解せない。特にジェニファーが突然歌い出すシーンは多く、そのまま楽曲に入るのは良いが、やはりそれが、妙に説明調に転換する。しかも、ミュージカルには不可欠のダンスは無い。その辺りの空虚感は歪めない。筆者はオペラに然程造詣が深くは無いが、オペラがどちらかというと、先に音楽ありきという構成手法に比べると、ミュージカルって、音楽は後付けな気がしてならない。

もうひとつはジェニファー・ハドソン扮するエフィー・ホワイトとどうして主役にしなかったのだろうかと思う。ここも、原作に拘ることに固執してしまう必要性を感じなかった。映画って、もっと映画でなければ出来ないって事をやって欲しいと思うし、その為に、ジェニファー・ハドソンという10年にひとりの逸材にめぐり合えたのだから、そういう作品化もありって気がしてならない。つまりはこの作品でも、実はビヨンセ・ノウルズを主役に据える事によって興行の成功を演出したのではないかという物語さながらの勘ぐりもある。そう、この内容だったら、ミュージカルを捨てて、エフィーも主役にもってきて、グループが成功していくのと相反的に描くことによって、実在するシュープリームスの伝説をより表現できたのだと確信する。その方が、ボーカル交替の話も、盗作の話も、また、モータウンレーベルの大成功と黒人ミュージシャン台頭の新時代到来という現実についてのサブストーリーとして貴重な作品になれたのではないか。これはそう思うのでなく、確信している。そうすれば、ジェニファーも主演女優賞(尤も、この作品でも立派に主演女優という感じてあるが・・・)を獲得したであろう。同時に、序盤のカーティス・テイラーJr.(ジェイミー・フォックス)との関係から、リードボーカル降板後のふたり(エフィーとカーティスの二人)の光と影がもっと明確に描写されて、より、現実味を帯びたのではないだろうか。だからこそ、前述したふたつの点に、一鑑賞者の立場で生意気かもしれないが、拘りたかったのである。「愛についてのキンゼイレポート」であれだけ人間の内面を描写できたこの監督だからこそ、「シカゴ」でなくそっちの面に期待していたのも事実である。

ミュージカルは否定したが、音楽性の大変高い作品であった。特に冒頭からグイグイ鑑賞者を引っ張っていったのは迫力は流石である。この演出は世界広しといえどもも、アメリカにしか無い事実であるし、又、良くこれだけ才能のあるエキストラが沢山いると思うと、日本を始め、世界中何処の国も、総力としての音楽性には到底適わないことを実感した。音楽もエンタメもこの国の宝である。そんな音楽帝国を築いて来た60年代の平均値を底上げしてきたのがシュープリームスの様なグループであった。アメリカの至宝を題材にした作品なのだから、もっと至宝らしく扱って欲しいと願うのは筆者だけだろうか? 蛇足であるがジェニファーは逸材だ。次はロバータ・フラックとかディオンヌ・ワーリツクとかも意図も簡単にこなしてしまうのではないかと、彼女を見ていると黒人女性ボーカルの音楽映画への期待は高まる一方だ。

序でながら、ラストは可也感動的である。特別な要素は無いが、最後の最後で「音楽的満足感」が一気に噴き出るのである。それからもうひとつ、ローレル役のアニカ・ノニローズの方がシュープリームス時代のダイアナ・ロスに似ている思ったのは筆者だけでないはず??


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by turtoone | 2007-03-21 21:14 | 映画(た行)