暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

リバティーン

b0046687_18105219.jpg
ジョニー・ディップというこのところ筆者にとって可也評価の高い男優と、彼を起用した歴史物という待望の作品化に、その内容の如何を問わず、年頭から高い期待度を持っていた。そもそもがこの作品の主役である、ジョン・ウィルモット(ロチェスター伯爵二世)という人物がどんな人なのかは全くわからないし、多少、欧州史を(日本史や中国史ほどではないが・・・)齧っている身としていえることは、この人物の確かな情報を日本語に訳されている文献で探し当てるのは並大抵のことでは無いと察しがつく。したがって、事前にこの難解な主人公に関しての予備知識を得ることは止めた。というよりも、チャールズ二世という色々な意味で英国史に残る人物がこの作品の時代背景を象徴しているという言い方も出来る。

映画史上(という大袈裟な前提ではないが・・・)英国の歴史を扱った作品というのは思ったほど多くは無くて、筆者にとっては、「ブレイブ・ハート」に尽きる。大英帝国が欧州、及び、世界の中でその存在が大きくなっていったのは、やはり対フランスとか、そういう時代からであり、逆に歴史というよりも伝説的なもの、或いは、ヒーロ的なものが多く、アーサー王であったり、ロビンフッドであったりするのである。しかしこの辺りは、筆者が「極東」の人間であるからで、地球の中心にある国のことは全く分かり得ないのは、英国人と「お互い様」なのだと思う。従って、筆者がチャールズ二世を知っているということは、時代的にいえば少し歴史好きな英国人が、徳川家康を知っているというレベルだと思うので、つまりはこの作品の主人公は、英国人でいえば、天海上人(彼を選んだ大意はない、人物的にジョン・ウィルモットとダブルところはないが、それぞれが権力に程近いという意味で・・・)を知っているかというレベルだと思う。英国での文献も彼の名前では大変探しにくいだろう。

さて、作品に触れると、英国に限らず、中世モノも映画作品というパターン化に填まってきたという印象がある。この主役の人物選定は決して悪くないが、才能はあるが、反体制で、酒と女で身を滅ぼすくだりとなる現代ミュージシャン物や、近代アーティスト物と変わらない。こういう括りって多分、話を纏めやすいのだろうが、逆に纏めやすさに走ってしまうが故に、このロチェスター伯爵二世の真意はどこにあったのか(作者サイドは、真意が何処にあつたと思ったのか)を伝え切れていないのが残念であるチャールズ二世という皇帝は、歴史教科書的に言えば、王政復古を果たしたある意味転換期の存在であるが、同時に在仏時代は道楽を全うした人物という言い方もできる。男性避妊具の原型を考案したのも彼だと言われているが、その辺りの皇帝への風刺が、ジョン・ウィルモットの皇帝への罵声や、性を誇張した舞台劇にも現されているが、この部分はこの皇帝のことを良く分かっている英国人には溜まらないシーンなのだと思う。尤も、映画作品上に於ける、この演劇部分の小道具の演出の悪趣味は頂けなかったが・・・。

それらを除いては中々見所のあった作品だ。特に、演技に関しては、ジョニデを中心に、神がかり的な演技でいつも驚かしてくれるサマンサ・モートン(但し、今回は平凡。彼女は現代物に限る)、その存在自体がいつも嬉しいジョン・マルコビッチ等特異な個性がぶつかる辺りは、まさにこの舞台となった時代背景を象徴していた。残念だったのは、ラストに繋げる部分で、余計なところに話が逸れてしまった事と、最後は純愛物と変わらなかったこと。歴史物といっても現代で製作・公開されているのだからこの点は致し方ないのは分かるが、折角、題材と内容に突飛な要素を持ち込んだのなら、最後までそれを貫き通して欲しかった。

全編で一番良かったのは音楽。この作品DVDは買うかどうか分からないが、サントラは今すぐ欲しくなってしまった。


公式サイト


allcinema ONLINEの作品ページ
goo映画の作品ページ


よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング

ついでながら姉妹ブログへもどうぞ
「情報過多で悩むあなたに」
「東京の原景を探して」  
[PR]
by turtoone | 2006-04-23 18:14 | 映画(ら行)