暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

スタンドアップ

b0046687_22192690.jpg

この作品のレビューに関して言えば、多分、男性と女性では随分感想や作品の見方が違う筈だと思う。予め申し上げておくが、もし何か女性方に失礼な表現があったとしたらお許しを願いたい。この作品に限って言えば、男性では全く気づかなかったり、普通に使ってしまう言葉でも、作品に関連して、女性を傷つけたりしないかと不安である。と、同時に、本質的に見るところや、気になるところが違うと思う。R-15指定には、そんな含みも感じられる。

結論からいうと、この作品、この半年間の間に鑑賞した作品の中では色々な意味で一番素晴らしい。「シンデレラ・マン」以上かもしれない。理由を挙げると、まず作品の構成である。特に、フラッシュバックの繋ぎが良く、法廷シーンの感動と時系列の処理がうまかった。法廷モノも回想で繋ぐと、ポイントがずれてしまうことが多いために、殆どの作品(法廷が出てくる作品)では、どこかに法廷シーンを纏めて持ってくる。纏めて持ってこない作品は、主人公が弁護士や検察官で、その事件そのものや法律家に焦点を当てている物が殆どである。二次的にこういう作品は、裁判内容のポイントがずれてしまうが、この作品は、裁判も大きな要素であるが、本題は炭鉱における男女差別の遍歴と、そこから権利を勝ち取ろうとする一女性の半生にある。その焦点が最後まで呆けなかったのは構成と脚本の妙である。

しかし、それだけでなくこの女性は、この男女差別な環境と、そこから立ち上がろうとすることによって、人間として失ってしまった大切なものをひとつずつ取り戻していく。つまり、自身も成長し、自身も本当の人間としての素晴らしさを始めて気づいていくのである。その辺りのアメリカ人の大好きなテーマを作品の中にものの見事に埋め込んだと思う。この点に関しては、筆者が登場人物の中で、父親役(リチャード・ジェンキンズ)に一番感情移入できた点にある。特に終盤の労組大会のシーンでの父の発言には涙が止まらなかった。初めて娘を信じ、理解し、誇りに思った瞬間は、二女の父である筆者にはここでエンドロールが出ても良いと思った。そして、父の信頼を勝ち得たヒロインがラストに向けてまでの行動は力強かった。この辺りのボルテージが、ここ半年、いや、ボルテージだけだったらここ数年観た作品の中ではトップだと思う。何度、彼女の勇気に拍手をしようかと思ったが、多分この辺りが冒頭に述べた女性の方とは、感動のポイントが違うのではないかと思ったのである。

また、扱っている問題の重さにくらべて全編を通して思ったほど作品の色が暗くならなかった。これは、シーンの合間に入る音楽の効果であると思う。何が特別に良いというのでなく、挿入の仕方が実に上手かった。流石はボブ・ディランというか、安心感を与える声が今後の展開をある程度予想させ、音楽効果って作風をこういう様に変えてしまうことが出来るのだと思えた使い方であり、ひとつ勉強になった。

そして、シャーリーズ・セロン。「ウォーク・ザ・ライン」を観ていないからリーズ・ウィザースプーンの演技の程が分からないが、回りに演技巧者が揃っていながら、この光る演技は見事。「モンスター」ではない、素顔のオスカー受賞に繋がって欲しい。勿論、フランシス・マクドーランドも受賞の対象になってくる筈だが。ショーン・ビーン、両親役のジェンキンズと、シシー・スペイセクと、勿論今までに幾つも名演技があったが、この作品はそれ以上である。思えば、今までこういうヒロインはジョディ・フォスターやジュリア・ロバーツの独壇場だった気がするが、シャーリーズ・セロンも、ついにその域に上がったと言えるのではないか。撮影効果として、セロンがどんどん綺麗になって、ラストが一番綺麗な彼女に戻っているところも、ちょっぴりファン・サービスの要素も入れた作品の「遊び」という言い方は失礼だろうか。

ニュージーランドの才媛監督、ニキ・カーロの活躍には、今後も期待するところ大である。


公式サイト


allcinema ONLINEの作品ページ
goo映画の作品ページ


よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
[PR]
by turtoone | 2006-01-29 22:24 | 映画(さ行)