暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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プライドと偏見

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「恋におちたシェイクスピア」のレビューで書いたように、奇しくも今週あの名作の栄誉を広告手法に使用した、2本のオスカー狙い作品が公開された。この「プライドと偏見」と「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」である。まずは、上映時間の都合から表題作を先に鑑賞した。

原作は、「ブリジット・ジョーンズの日記」でも知られる、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」。この作品がやたらとオスカーの呼び声が高いのは、この原作に基づいた文芸ロマン作品にある。よくよく考えてみるとこの一年はこの類いの作品が少なく、所謂「オスカー好み」のひとつである文芸大作が少ない。18世紀末のイギリス、その保守的貴族社会の中での男女関係は、昨年の作品賞「ミリオンダラー・ベイビー」に繋がる人間ドラマをも彷彿させる。

しかし、正直なところを書くと、筆者的には前半は睡魔との戦いであった。確かに冒頭から舞踏会の場面までは流れが良かった。イギリスの爵位の無い中流家庭の描写は美術的には良く出来ていた一方で、物語は特に目新しい素材もなくトントンと進んでしまう。しかし、約50分くらいのところで急展開する。それ以降は、ストーリー的には次のシーン、また次のシーンへま期待が膨らむテンポの良い展開である。この辺りまでくると、漸く、この5人娘の家庭と、それぞれのキャラもしっかり把握出来る様になる。言い方を返れば、序盤の舞踏会のシーンを除けば、やっとこの辺から面白くなってくるのである。逆にいうと、前半は、やたらとこの時代の背景(女性には相続権がなく、資産家の男性と縁組をしないと幸せが訪れない)説明と、長女の話を引っ張りすぎてしまった感がある。実は、筆者がもっとも感情移入できたのが、ベネット夫人(5人娘の母)役のブレンダ・ブレシンであったのも自分で笑ってしまう。「親」という立場もあるが、5人も娘が居て、自分以外の家族の6人が全て女性だと、父親(ドナルド・サザーランド)はこんな借りてきた猫みたいになってしまうのかという部分での共感(筆者は3人の女性に囲まれて同居)もあるが、彼女のコミカルな名演技も含め、作品の出演人物の中で最も共感が出来た。逆の言い方をすれば、キーラ・ナイトレイ演じるヒロインが然程魅力的に感じなかった。キーラはまだ若いからかも知れないが、感情が前面に出てこない俳優だ。黙っていると潤んだ瞳が綺麗なので素敵な女優だなぁと思うが、後は得意の超早口(これはどの作品でも同じ?)くらいで、残念ながらまだそこまでである。今後に期待。

さて、冒頭にも書いた様に、この作品がオスカー候補になるかどうかに関しては甚だ疑問である。文芸ドラマという領域で考えても、そんなに内容の濃い物語だとも思わない。一昨年、「コールド・マウンテン」でレネーが助演女優賞を獲得したが、内容的に、この作品と比較しても、「コールド~」には見劣りしてしまう。美術も、単純に「シェイクスピア」と比較はできないか、このオスカー作品が17世紀イギリスの町並みの再現と、衣装その他に歴史的考現学を持ち込んだ新解釈を打ち出したことに比べると、そんなに観るべき物が無かった。それに前述したが、やはり前半の退屈な部分は、作品への感情移入を妨げられたという点で大きなマイナス要因である。

敢えて賞に絡むとすれば、助演女優で母役のブレンダ・ブレシンだけでなかろうか?


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by turtoone | 2006-01-14 21:36 | 映画(は行)