暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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キング・コング

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今年最初のレビュー記事であるが、このプログを維持していく抱負として、今年はなるべく後ろ向きな意見は避けようと思う。なるべく作品の中で良いところを探して行こうと思う。但し、間違いはしっかりと指摘していきたいが・・・。

昨年度の公開開始だったのに、年越してしまったのは、やはり188分という本編の長さに年末鑑賞は躊躇したのかも知れない。それもあるが、世界同時公開がマイナスに働いているのかどうか知らないが、アメリカでも日本でも興行成績が芳しくない。前回のL.O.T.Rの大ヒットを考えれば、筆者の予想でもこの作品はハリーポッターに継ぐ成績を収めると思っていたが、この不振ぶりはどうしたものか? 大体、プロモーションが下手だった。筆者はてっきり六本木ヒルズの壁面とか、お台場の観覧車(おっと、これでは「きみに読む物語」か・・・)をキングコングが昇ったりして話題性を高める仕掛けがあるのかと思ったが、そういうことはやらなかった様だ。「マトリックス・レボリューション」がやはり同時公開の利点を活かしたカウントダウンを行ったが、それでも成績が今ひとつだったのは、やはり、同時公開より、アメリカでの成績や風評によって日本での人気も度合いも大きく左右されるというのが定石らしい。新年早々こういう言い方をして申し訳ないが、まだまだ日本は映画鑑賞者の数は少なく、質が高くなく、自立していないのであろう。

筆者はそもそも、「L.O.T.R」の評価は決して高くない。なぜかというと「面白くない」からだ。原作もまだ日本語版があるかないかの時代に原語で読んでいるが、つまらなかったので最後までたどり着かなかったのが事実。そこへ行くと、所謂、「世界三大ファンタジー」では、「ナルニア」や「ゲド戦記」の方が数段面白い。原作が面白くないものは、如何に映像化に話題性や工夫があっても、中々作品に入っていけないのは事実である。正直なところ、「指環物語」に関しては、殆どフリークに近い家内と次女がいなかったら、最後まで観なかったと思う。つまりは、ピーター・ジャクソンという監に対しても決して評価は低くはないが、強い興味を惹かれなかった。

しかし、この「キングコング」は別だ。「L.O.T.R」では評価できなかったが、筆者はこの作品におけるこの監督の感性を大いに指示したい。理由を幾つか書くと、まず、T-REXが出てくるが、映像の中で始めて「あっ恐竜って爬虫類だったんだ」と気づかされた。そう、「ジュラシックパーク」でも「ダイナソー」でも、恐竜を爬虫類だとは思わなかった。そして、キングコングと対決するが、ここでも、哺乳類、しかも霊長類であるゴリラに対して、やはり脳みそは豆粒程度の爬虫類をさらけ出す。そう、この「動き」と「頭脳」に思いっきり爬虫類としての恐竜を意識させてくれた映像作品は過去に無い。逆に言えば、力というより、コングは「頭」で勝負している。そして、「そうか、T-REXってこういう風に倒すんだ・・・」という退治方法まで教えてくれる。そう、我々は、T-REXの共食いはみたことがあっても、他の生物に敗れたところは殆どといって見たことがないからだ。さらに言えば、大きな昆虫も出てくるが、これも昆虫であることを忘れていない。つまりは、この監督は、単にVFXを多用化しているだけでなく、これらの撮影技術を駆使することによって、その生命体毎の本来の動きに拘っているということなのである。そう、これは「L.O.T.R」では気がつかなかった(というかそんなに色々な生物が出てこないせいもあるが・・・)。次に、コングが惚れるアンダロウ(ナオミ・ワッツ)がコングに寄せる「思い」というのが、この作品ほど見事に表現したものはない。他のキングコング作品では感じることが出来なかったが、彼女がコングに対する「思い」というのは、要するに大好きで可愛がっている「ペット」に対する「思い」なのである。だから、人間の男性とは比較できない。コングに対するシーンで、その「思い」の違いを見事に演出し分けた監督の描写と、それに従い演じ分けたナオミ・ワッツには拍手を贈りたい。ナオミ・ワッツというと、「リング」や「マルホランド・ドライブ」、「21グラム」のオスカー・ノミネート等、スマッシュ・ヒットには恵まれていたが、今回の主演で、ハリウッドを代表する女優のひとりに加わったのではないか。

同時にそれは、ジャクソン監督が、この女優を大変「綺麗」に撮っていたことにある。そういえば、「L.O.T.R」でもこの監督、女優のキャスティングは絶妙だった。特に、ケイト・プランシェツトとミランダ・オットーは、役柄と俳優がものの見事にマッチしていたと言えないか。確かにコングが映画が始まって約1時間経つまで全く姿を見せなかったが、それを差し引いてもありあまるくらい、ナオミ・ワッツの魅力を十二分に引き出してくれていたとは言えないだろうか。

冒頭に述べたようにここまで興行的にはあまり良くないが、この作品、上記の様な意味で3時間辛抱しても見る価値はある。確かに、編集でカットして欲しい場面は幾つもあった。説明過多の部分も多すぎたが、1800円払って、恐竜が爬虫類であることと、キングコングは世界で一番でっかいペットであることを認識できると思えば安いものだ。勿論、映像は期待を裏切らない。

最後にひとつ心配なのは、予告編から出ていたピーター・ジャクソンの痩せっぷりって? 何か大きな病気でもしていないと良いと心配しているのは筆者だけでは無いと思うが・・・。


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by turtoone | 2006-01-06 23:13 | 映画(か行)