チャーリーとチョコレート工場
2005年 09月 11日
たが、一方でこのウンパ・ルンパの「楽曲」に繋がる「5人の当選者」のキャラ設定も絶妙だった。しかも、このキャラクター、やっと字幕の漢字を何とか把握できるようになり、いよいよ吹替えを卒業したばかりの10歳の次女にも前半でネタバレしてしまうほど見事で単純明快な設定なのである。ゴールデン・チケットを手にした5人の子供たちがそれぞれ、分かりやすい環境、分かりやすい性格、分かりやすい体格、且つ分かりやすい顔立ちをしている点もこの作品、いや、この監督の高い創作力を物語っている。そして、この作品についていえば、すべてはエンディングや、ウィリー・ウォンカ(ジョニー・ディップ)の生い立ちではなく、ウンパ・ルンパのオンステージから逆算して発していると思われるところが、この発想を終着できる創造力を持っているところである。また、ティム・バートンも、自身のための色々な仕掛けをしてくれているのが可笑しい。「バット・マン」を感じさせるオープニングだったり、「シザー・ハンズ」だったり、チョコレートの川には大きな魚でも泳いでいたら「ビッグ・フィッシュ」だぜと、そこまではやり過ぎない所が、筆者のような凡人と違い(すみません、又、同じ土壌で語ってしまい・・・)、彼の超一流なところである。
思えば今年度の新作鑑賞は、「ネバーランド」の感動から始まった。あの作品は勿論ストーリーもさることながら、ジョニー・ディップと、フレディー・ハイモアの演技力が涙と感動を誘った。特に、フレディーを見ていると(特にこの作品では貧しい生活環境もあり)余計に本筋以外の感動を呼び起こしてしまう。勿論、テイム・バートンがそんな人の映画の感動を計算に入れて作品を作るような輩ではないが、鑑賞者の側には、ディップとのコンビは、すぐにでもあの作品にフラッシュ・バックできる筈である。そういう勝手なエモーションをしかし最後には超えさせてくれるところに、今回でいえば、ディップの役づくりと、フレディーの末恐ろしい表現力が、鑑賞者の感動体験を遥かに上回っている。オマージュとして、最後には「ネバーランド」と同じというところも、ティム・バートンの「落としどころ」の妙であろう。
但し、採点が難しい作品になった。悪いところは何もないのだが、どうしてもティム・バートンの場合は彼自身の過去作と比較してしまう。勿論、人様へのお薦め度は満点に近い。勿論、シアターで、できれば家族で、更に小学生高学年は字幕をお薦めする。
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by turtoone
| 2005-09-11 15:36
| 映画(た行)