妖怪大戦争
2005年 08月 16日
この作品は勿論、子供を対象に製作されたものであるのだから、然程、作品の主題を前面に打ち出すことは避けているのは分かるが、あの「スネコスリ」は頂けない。いくら特殊映像技術が世界レベルに無いといっても、このぬいぐるみに毛に生えた様な塊に、例えば、家に帰ればアイボなんかがリビングルームで待っているような環境のある家庭の子供たちに、どういう映像のリアリティと想像力を与えられるというのであろうか? 筆者は残念ながら、このスネコスリで引いてしまったために、後の内容はどうでも良かった。例えば、「グレムムン」なんかは20年以上前にあのレベルの撮影を可能にしているのであるのだから、幾らなんでもそのあたりの技術を何とか使用できなかったかと思う。というか、エンディングに出てきた、半分透明なスネコスリが居たが、あの方がずっと良かった。
今回はある意味で 「妖怪たちのメイク」を観にいった。タイミングよく、娘も「マダガスカル」を蹴って一緒に着いて来てくれた。確かに、妖怪メイクに関しては、邦画としてはレベルの高いものだったかもしれない。しかし、静止画のメイクとしては納得できる部分で、例えば「ろくろ首」の描写に関しては見るべきものは何も無い。逆に言えば、技術的・描写的に明らかに劣っているシーンをなんでこんなに引っ張る必要があるのだろうという疑問も生じる。これは、技術以前に、作品づくりの根本の部分である。ようするに現在の邦画には、特殊映像以前に、こういう作品を作る基礎が全くなくなってしまったのだと理解した。尚且つ、だからこそ、この類いの作品が30年以上も製作されることか分かったのである。
プロデュース・チーム「怪」というのが組織され、水木しげる氏や、荒俣宏氏が製作に関与されたお陰で、舞台設定や妖怪等の民俗学的考証の部分には納得のいく整理がされていたのが、単に、子供映画ではなく、学術的に本物を提示してくれた意気込みには満足した。
最終的には神木君と栗山千明に随分助けられた作品だと思う。
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by turtoone
| 2005-08-16 23:55
| 映画(や行)