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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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妖怪大戦争

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このタイトルの作品を観るのは何年ぶりだろうか。確か、何作か続編が作成されて、ガメラかなんかとの2本立てで、最後に観た作品には、タイトルに「東海道」と着いていた筈だ。以前から筆者は邦画に対して、素材は良いものが沢山あるのだから、後は時間とお金の使い方次第だと述べている。無論、邦画の方向性はそれでなく、先日鑑賞した「リンダ リンダ リンダ」の様な日常の描写に関しては米・英・仏の映画作品と比較しても卓越した物がある。そもそも近年アメリカでも注目されつつあるドキュメント作品についても、まだまだアメリカ映画でも「NHKスペシャル」の制作力、取材力を超えられる物は少ない。その一方で、このジャンルの作品は原作や素材、コンセプトは面白い物が沢山あるだけで、映画作品として満足できた物は殆ど無い。この際は原作の映像権を販売して、ハリウッドで作成した方が良い素材は沢山ある。どうせハリウッドもここ数十年は慢性的な原作不足に悩んでいる訳なのだから。

この作品は勿論、子供を対象に製作されたものであるのだから、然程、作品の主題を前面に打ち出すことは避けているのは分かるが、あの「スネコスリ」は頂けない。いくら特殊映像技術が世界レベルに無いといっても、このぬいぐるみに毛に生えた様な塊に、例えば、家に帰ればアイボなんかがリビングルームで待っているような環境のある家庭の子供たちに、どういう映像のリアリティと想像力を与えられるというのであろうか? 筆者は残念ながら、このスネコスリで引いてしまったために、後の内容はどうでも良かった。例えば、「グレムムン」なんかは20年以上前にあのレベルの撮影を可能にしているのであるのだから、幾らなんでもそのあたりの技術を何とか使用できなかったかと思う。というか、エンディングに出てきた、半分透明なスネコスリが居たが、あの方がずっと良かった。

今回はある意味で 「妖怪たちのメイク」を観にいった。タイミングよく、娘も「マダガスカル」を蹴って一緒に着いて来てくれた。確かに、妖怪メイクに関しては、邦画としてはレベルの高いものだったかもしれない。しかし、静止画のメイクとしては納得できる部分で、例えば「ろくろ首」の描写に関しては見るべきものは何も無い。逆に言えば、技術的・描写的に明らかに劣っているシーンをなんでこんなに引っ張る必要があるのだろうという疑問も生じる。これは、技術以前に、作品づくりの根本の部分である。ようするに現在の邦画には、特殊映像以前に、こういう作品を作る基礎が全くなくなってしまったのだと理解した。尚且つ、だからこそ、この類いの作品が30年以上も製作されることか分かったのである。

プロデュース・チーム「怪」というのが組織され、水木しげる氏や、荒俣宏氏が製作に関与されたお陰で、舞台設定や妖怪等の民俗学的考証の部分には納得のいく整理がされていたのが、単に、子供映画ではなく、学術的に本物を提示してくれた意気込みには満足した。

最終的には神木君と栗山千明に随分助けられた作品だと思う。


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by turtoone | 2005-08-16 23:55 | 映画(や行)