暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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ゲロッパ! ~My Collection~

b0046687_110160.jpg井筒和幸監督といえば、「ガキ帝国」でメガホンを取った当時、深夜番組で「これからの日本のあり方」的な討論を島田伸助と共にしていたときに、表向き過激な発言している割に最終的には保守的な人だなぁという印象があった。但しその放送中、当時「なんとなくクリスタル」を引っさげて文壇に輝かしいデビューをした田中康夫現長野県知事に関しては、彼のコメントひとつひとつに敵意を抜き出しにしていた姿がいまでも印象的だ。当時は、好き嫌いは別として「なんクリ」で新しい文学の潮流を志した一橋大学生田中氏に対して、能書きの割には作品の程度が今一であることと、だったらこんな閉鎖的な日本みたいな土壌で映画制作なんかしなければ良いのにと、氏の才能をこの段階では見極めることができなかった自分が懐かしく思う。井筒氏の作品に関しては、その後「岸和田愚連隊」まで、その類い稀な才能に筆者が気がつくことはなかった。逆にいえば、最初の段階で井筒氏のインプットをしていなかったので、例えば「二代目はクリスチャン」等の、当時、メジャーの広告宣伝に乗っかった邦画作品として一纏めにしてしまい、公平な視点で評価をしようとは考えられない中に入れてしまった。要するに井筒監督作品の評価に象徴されているのが、筆者が邦画に対して持つスタンスの一番の「失敗例」である。

今回、改めてこの作品を鑑賞しようと思ったきっかけは、「星になった少年」ですごい演技をしてくれた常盤貴子である。彼女の映画出演作品は少ない一方で、とても印象的な作品が多いので、見方によっては圧倒的に出演の多いテレビよりも、映画女優だと思ってしまう節がある。勿論テレビでも衝撃的な役柄の「悪魔のkISS」から始まり、「ビューティフル・ライフ」、「カバチタレ」等、彼女は色々と作品にも恵まれている。恵まれているが故に、中々「女優」としての正当な評価をされにくい点も、逆に彼女には不利な面もあったと思う。「綺麗な女優さんだけど、演技はどんな役をやっても同じ」というというのが、彼女の一般的大多数の評価である。「星に~」での母親役は見事であったが、その瞬間に筆者は「ゲロッパ」でも母親役をやっていた事は一切忘れてしまっていた。それほど、「星に~」の演技は今後の彼女の役者人生の中でも大きな転機になるのだと思う。

作品に戻ると、ヤクザといい、音楽といい、青春グラフィティっぽい要素の含みといい、井筒監督の得意分野を終結した様な作品で、公開当時にも中々脚がシアター向かなかったのを覚えているが、予告編でJBのそっくりさんを本物の出演と勘違いして、観にいった覚えがある。西田敏行の演技は別格としても、このとき印象に残ったのは、子役の大田琴音くらいで、演技的に事を言えばストーリーに泣かされることはあっても、演技に泣かされる部分は、少なくとも常盤に関しては無かった。そしてそれは今回も同じであった。

それよりもこの作品ストーリーに少し触れると、こういう作品の流れというのはどんなものかと思う。つまりこの作品の着眼点は面白いが、最初に「出口」を作ってしまっているストーリー展開だけに、作品へ入り込めない。物語の始まりは親分の長期拘留を機会に思い残すことがふたつあり、そのひとつが別れ離れになった実娘と、もうひとつがJBのコンサートであるというが、いずれもそんなことは「昨日・今日」決まることでなく、何で直前になってそんな話になるんだろうという「動機の根拠」が足りない。更に、可也早い段階から首相なる人物が登場して、エンディング・マジックが予想されてしまうこと。ようするに、最初から出口に向かってストーリーが走っているために、出演人物それぞれのエモーショナル・ラインが確立されていないまま展開してしまった。唯一、そのラインが明確だったのは、前出の子役、大田琴音ちゃんが演じた、親分の孫娘役だけであった。だから、彼女の演技がやたらと印象に残ってしまったのである。しかし、それでも今回「泣いて」いるというのは、もしかしたら常盤効果なのかもしれない。この辺は分析が難しい。

又、邦画ならではの不要シーンも多すぎる。借金取り、タクシー運転手、フィルム受取人のシーンというのは、わざわざそのシーンの為にビッグネーム俳優をそれぞれ使っているにも係わらず作品の展開上全く不要なシーンである。このシーンをカットして、冒頭の希薄な動機付けをもっと丁寧に描くべきである。平均点なのかも知れないが、この作品で「良し」としてしまうようでは、残念ながら邦画の将来は暗い。

そういえば、プライベートの常盤貴子に通じる部分でいえば、長塚圭史さんはどんな人か忘れていたのでそれを確認できて良かった。

最後に筆者が「常盤貴子」に他の俳優よりもやたら思いを馳せるのはごくごく単純で、誕生日が同じだからである。有名人・著名人の誕生が大変少ない日なので余計である。これが筆者における「常盤効果」なのかも知れないが・・・。


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by turtoone | 2005-08-13 22:12 | 映画(か行)