暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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コーチ・カーター

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この世の中には、何かを成し遂げた者にしか行き着くことの出来ない世界というのがある。世界というよりも境地という言葉の方が適切かもしれないが実は良く分からない。映画「ザ・エージェント」で、プロアメフト選手のロッドが「クワン」という単語で表現している境地。クワンとは報酬だけで得られる境地ではないが、言うなればこれが最も近い世界かも知れない。日常で言う、「達成感」の最高のランク、最大レベルにあるものであろうか、勿論、筆者には体験の無い世界である。そう、この作品は「文武両道」なんて言葉で現せる次元ではない場所へいざなう、カーターは導師なのである。そういえば、ケン・カーターを演じるサミュエル・L・ジャクソンは、「スター・ウォーズ」ではジェダイ・マスター、いわば指導者であり導師の役であったが、あのシリーズでは新しい可能性を認めようとしないもどちらかというと保守的で、余り、導師としての存在感はなかったが、その代わりかどうか知らないが、この作品での存在感とその教え導く姿はヨーダに近い。

勿論、スポーツモノであるから、それなりの轍は殆どすべて踏んでいる。脱落もするし、戻る時にはドラマもある。恋もあり、従って悩みもあり、そして自惚れも油断もある。バスケットというチーム・プレーだからこそという連帯感も備わって来るのも大事な要因だ。しかしながら、今までのバスケ映画(スポーツ映画)と明らかに違う点がふたつあった。

ひとつは音楽である。全編に流れるのはHIPHOPである。これは学校のある街、生徒の置かれている環境を表現するのにはとても効果的に使われていた。台詞もリリックが生徒たちの日常の会話に用いられている点を表現する場面もあり、音楽が所謂、「効果としてのBGM」でなく、文化的要因として舞台設定の土台のひとつに使われた点は高く評価できると同時に、ストーリーをより分かり易い物にしてくれた。

もうひとつ、これは文章だと余り伝わらないかもしれないが(鑑賞すれば言いたいことはすぐ分かって頂ける)、エンディングの部分である。「シュートを放つまでは一緒だが、しかし・・・」というストーリー。その後はご自身でお確かめ頂きたいが、言うなれば、クライマックスがシュートとイコールで無い。そう、クライマックスはもう少し手前にある。だからこれでも良いし、感動する場面は既に終わっている。感動の場面をシュートの前後に持ってきている。これは、事実に忠実だからというだけでなく、スポーツ物が、クライマックスで感動し、そのままエンドロールという最後にどっと畳み掛けて終わりというだけでなく、この作品の様に、感動を前後におくことで、実話であるところを強調し、且つ、最も映画を通して言いたかった余韻というのを観客に保持してもらう効果を生み出した。当然、この余韻が会場が明るくなっても残っていた。この最後の作り方、筆者は高く評価したい。

良く例に挙げるが、このタイプの作品で最も完成度が高いと筆者が評価するのは「ヤング・ゼネレーション」であるが、あの作品も最後は畳み掛けてしまい、いわば「勝利」に酔いしれ、作品の主題を最後に喝采の中にうやむやにしてしまった。あの映画もこういうラストの纏め方にすれば、感動の余韻をもっと残せたと思う。

昨日はバンド映画で、本日は、筆者的に言うと、その前にやっていた部活である「バスケット」が題材だ。実は我々も母校では20年ぶりの全国大会へ行った。そして、この作品と同じ様なラストになった。しかし、こんなコーチは居なかったし、こんな指導は受けられなかった。なぜなら、我々はロッドのいうところの「クワン」には遭遇できなかったからである。


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by turtoone | 2005-08-10 21:44 | 映画(か行)