暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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チャンス ~My Collection~

b0046687_20345545.jpgピーター・セラーズという俳優は、映画ファンなら彼の存在を普通に知っていても、日本ではこの名前では馴染みが薄い。寧ろ、「ピンク・パンサー」のクルーゾー警部と言った方が、顔を思い出すのでないかと思う。しかし、その「ピンク・パンサー」自体も、アニメーションの豹はすぐ脳裏に浮かんでも、警部は徐々に忘れられつつあるのではないか。それもその筈で、このピーター・セラーズという喜劇王が亡くなってから早いもので四半世紀が経過している。

この作品は、この喜劇王が亡くなる前年に全米公開された作品であるが、筆者にとっては氏の最高傑作だと思っている。日本公開は、残念ながらピーターの訃報が入ってから一年後であったので尚更だ。特に、彼の若すぎた死に、作品の後半部分は随所でオーバーラップするところがあり、涙なくして見れない鑑賞であった。上映館が「入れ替え制」ではなく、且つ学生であった筆者にとって、この作品も、講義をサボって何日間もシアターに通ったが、いつも、最後まで涙が溢れて見られなかった記憶のある作品の一本である。そして、この作品から学んだ事はたくさんあり、幾つか列記すると、「人間に偉い、偉くないはない」、「いつどんなときでも、自己表現をはっきりすれば物事は相手に伝わる」、「一度学んだことは忘れない」、「謙虚な姿勢は権力をも圧倒する」、「死ぬときは名誉も財産も必要ない」、「情報は時として何も生み出さない」、そして、「愛は乞うものでなく求めるものである」という、当時の筆者の境遇において、人生のヒントを沢山教えてくれた。半分眠っている講義よりもずっと有意義な時間だったのである。

また、共演者もピーター・セラーズの最期を飾るに相応しいほど素晴らしい。まずはシャーリー・マクレーン。筆者はこの作品の時点で彼女の初オスカーは獲得できたと思ったが、ノミネートすらされなかった。結局4年後の「愛と追憶の日々」までお預けとなるが、この2作を見比べてみると、本作品のシャーリーは異常に若い気がする。又、大統領役で出演した、ジャック・ウォーデンは、そのシャーリーの弟であるウォーレン・ビーティの作品に出演することが多く、1975年に名画「天国から来たチャンピオン」でも好演し、オスカーにノミネートされている。そして、メルヴィン・ダグラスである。この作品で自身二度目のオスカー助演男優賞を獲得した彼の名演技は、とぼけたピーターとは対照的に重厚で、人生の深みを鑑賞者に訴えかけて終わっている。そして、悲しいかな現実でも、ピーター・セラーズの後を追うように、1981年に亡くなっている。二人共、映画の中では全くそういう素振りがなかっただけに、残念ながら、二人の「遺作」という形になり、いつ間にか「不朽の名作」入りをしていた様な気がする。

この作品が今、この時期に新作として公開されても、別段話題にならないかも知れない。というか、こういう内容の作品はプロデューサーも配給会社もこの時代には見向きもしないであろう。しかしながら、映画ファンであるなら、是非一度は観て頂き、この作品内のいたるところに散ればめられた万民へのメッセージを各々の感覚で受け止めて欲しい・・・、そんな静かなる名作である。


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by turtoone | 2005-06-29 22:52 | 映画(た行)