ドラムライン ~My Collection~
2005年 03月 24日
このタイプの映画の共通項というのは大概決まっている。主人公は天才。しかし天才が故に孤独で協調性が無い。そして、ライバルと恋人の出現。恋人は最初は高嶺の花、ライバルは殆ど意地悪。順調に見えても見えない壁に当って挫折、結果リタイヤするも、復活して、カタストロフィは勝利と喝采。と、このように相場が決まっている。この作品も、殆どこのパターンだった。なんだ、土壌をファントムや、ダンス、アメフトやカーレースから、マーチング・バンドに変えただけか・・・、と、高を括っていたら、いつものパターンと違うことに気がついた。この作品には、今までのお決まりなのに、無いものがあった。「友人の死」と、「血の滲む様な努力」である。天才の傍らには、お決まりの「唯一の理解者」ってのが居て、これが一番いいところで事故や挫折で死んでしまったり、死ななくても夢半ばで諦めてしまったりする。それと、壁を破るための努力。大概この「日々の鍛錬」の映像はテーマソングがバックに流れたりするのは、「ロッキー」以降、「お約束」シーンである。しかし、この作品にはそれが無い。
それだけでは無く、この作品では、中々努力をしようとしない天才主人公に対して、ライバル君がご丁寧に手取り足取り教えてくれる。この展開には、思わず拍子抜けしてしまった。おっと、調子こいて書いているとこの勢いで全部ネタばらしてしまうので、この辺でやめておく。
以前、「スウィング・ガールズ」か何かのレビューで書いたが、筆者が選出する、映画作品の中で最高のライバル役は、「トップガン」のアイスマンである。しかし、21世紀には中々アイスマンの様なキャラが輩出しにくいのかもしれない。また、「マーチング・バンド」という連帯責任の世界、大勢でひとつの事(この場合、音)を成し遂げる環境設定だから、対立ばかりしていられないのかもしれない。しかし、「お決まり」とは別に、ライバルキャラが弱いと、ストーリーも脆弱に見えてしまうから面白いものだ。
であるが、ストーリーが脆弱な分、ドラムの演奏が見事。しかも、この作品に拍手したいのは、このドラムの場面を練習も含めて、惜しみなく露出しているところである。大体こういう作品では、演奏にしてもダンスにしても、勿体ぶって、散々期待させといて、最後にちょっとしかやらないのが多く、「なんだよ。こんだけのために2時間も見ていたのかよ」系ってのがかなり多いのだが、これはそんなことない。特に、ニック・キャノンは流石だ! 十分にドラムを堪能させて頂いた。そういう意味では評価は高い。
俳優に関しては、特筆すべき人はいないが、ヒロインのゾーイ・ザルダナは「センター・ステージ」に出ていたのを覚えているくらい、印象の強い人である。今後にも期待したい。
この作品、残念ながらスクリーンで観なかった。こういう作品を銀幕で再演してくれる映画館というのが本当に無くなったのは、シネコンが出来る一方で残念だ。名画座ではないが「みゆき座」が閉館するのは残念。筆者には思い出深く、なんと、「エマニエル夫人」を見た映画館である。
ありがとう、みゆき座!
allcinema ONLINEのページ
goo映画の作品ページ
よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
それだけでは無く、この作品では、中々努力をしようとしない天才主人公に対して、ライバル君がご丁寧に手取り足取り教えてくれる。この展開には、思わず拍子抜けしてしまった。おっと、調子こいて書いているとこの勢いで全部ネタばらしてしまうので、この辺でやめておく。
以前、「スウィング・ガールズ」か何かのレビューで書いたが、筆者が選出する、映画作品の中で最高のライバル役は、「トップガン」のアイスマンである。しかし、21世紀には中々アイスマンの様なキャラが輩出しにくいのかもしれない。また、「マーチング・バンド」という連帯責任の世界、大勢でひとつの事(この場合、音)を成し遂げる環境設定だから、対立ばかりしていられないのかもしれない。しかし、「お決まり」とは別に、ライバルキャラが弱いと、ストーリーも脆弱に見えてしまうから面白いものだ。
であるが、ストーリーが脆弱な分、ドラムの演奏が見事。しかも、この作品に拍手したいのは、このドラムの場面を練習も含めて、惜しみなく露出しているところである。大体こういう作品では、演奏にしてもダンスにしても、勿体ぶって、散々期待させといて、最後にちょっとしかやらないのが多く、「なんだよ。こんだけのために2時間も見ていたのかよ」系ってのがかなり多いのだが、これはそんなことない。特に、ニック・キャノンは流石だ! 十分にドラムを堪能させて頂いた。そういう意味では評価は高い。
俳優に関しては、特筆すべき人はいないが、ヒロインのゾーイ・ザルダナは「センター・ステージ」に出ていたのを覚えているくらい、印象の強い人である。今後にも期待したい。
この作品、残念ながらスクリーンで観なかった。こういう作品を銀幕で再演してくれる映画館というのが本当に無くなったのは、シネコンが出来る一方で残念だ。名画座ではないが「みゆき座」が閉館するのは残念。筆者には思い出深く、なんと、「エマニエル夫人」を見た映画館である。
ありがとう、みゆき座!
allcinema ONLINEのページ
goo映画の作品ページ
よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
by turtoone
| 2005-03-24 22:59
| 映画(た行)