暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

ガンジー ~My Collection~

b0046687_23194486.jpg1982年・第55回アカデミー賞の作品賞、監督賞(リチャード・アッテンポロー)、主演男優賞(ベン・キングズレー)、脚本賞(ジョン・ブライリー)の主要4冠を始め、撮影賞、美術監督・装置賞、衣裳デザイン賞、撮影賞の計8冠に輝いた人間ドラマ超大作である。

インド独立運動の指導者、マハトマ・ガンジーの生涯を綴った作品であるが、こういう映画にありがちないきなり衝撃的なシーンで始まり、ある種、作品全体がフラッシュ・バックの手法で描かれる、追想・回顧型の展開である。歴史大作では一番無難な作り方であり、「アラビアのロレンス」も「ラスト・エンペラー」も皆、この類いの組立がされており、筆者は勝手に「歴史オスカー仕様」と呼んでいるくらい、決まって、この形式が多い。ひとつには、こういう作品は上映時間が長いことにある。ガンジーは188分になるから、途中でいくつかの山を作らないと、見ている方も辛い。その辺りの計算に関しては少し甘かった作品だと思う。というか、ガンジーという人物を映画化したという熱意は認めるものの、偉大な人物には違いないが、どちらかというと映画という総合芸術のテーマにはなりにくい人である。この辺りはクレオパトラやモーツァルトとは少し違う。また、最初は商社の顧問弁護士だった彼が人種差別を受けたので発起して、平和運動に繋がるというくだりであるが、当人の歴史的事実は兎も角も、この作品の中では、残念ながらその辺りの葛藤を描ききれていない。だから、その後必要にインド独立の「切り札」として英国側からもインドからも重宝がられ、いい様に使われ、突如、断食に入ったり、巡教し出したりするから、返って、政治的背景があるのでは無いかと、そのための布石だと考えられても仕方無いと思われてしまう。こういう歴史上の偉大な人物を主役とした作品で難しいのは、主人公の心境を通した時代背景が、常に実際の歴史事件を反射されてしまい、妙に主役を奉ってしまって、歴史の真実と、同時に作り手の本当に言いたいことを主役が代弁してくれないところにある。結果偉大なる人物の半生を綴っただけに過ぎず、それ以上の感動を与えることが少なくなってしまった。これは前述したように、「ロレンス」にも「ラスト・エンペラー」にも同様に言える共通項である。

筆者にとってこの作品で特筆すべきは音楽である。特に、シタールを中心としたインド特有の楽器が奏でる音楽の数々は、一種特異な世界に導いてくれる。この年のオスカーでは作曲賞は「E.T」に、音楽賞はノミネートすらされず、「ビクター/ビクトリア」がそれぞれ獲得したが、この作品の音楽は素晴らしい。どうもオスカーの審査員は音楽関係の賞を選ぶのは下手だと思う。この音楽が良かったお陰で、実は、ストーリー全体が単調にならずに済んでいる。

しかし、一方でこの作品でガンジーがどういう人生を送ったかということを知った人はたくさんいると思う。そういう意味では「ガンジー」という名前は知っていても、「具体的に何をした人」というのを存じ上げない人には、たった3時間で、20世紀に最も地球と平和を愛し、祈った人の生涯を見ることの出来る映画として、なかなか良い教材であると思う。

この「偉大なる父」の映画を作ろうとした人たちの情熱に、拍手と乾杯を捧げたい。



allcinema ONLINEのページ
goo映画の作品ページ

よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
[PR]
by turtoone | 2005-03-04 23:14 | 映画(か行)