人気ブログランキング | 話題のタグを見る

暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ヴェロニカ・ゲリン ~My Collection~

ヴェロニカ・ゲリン ~My Collection~_b0046687_2226467.jpgこの作品実は、殆ど作品内容の予備知識が無くて、ジェリー・ブラッカイマーの製作作品なので公開中もスクリーンで見ていないのに買ってしまった。というか、もう。ジェリー・ブラッカイマーという先入観しかなかったので、正直、作品を見てびっくりしてしまった。12月の新作だったのに、レビューも遅れてしまったのはそういう理由もある。

簡単にストーリーを40字以内に纏めると、「ダブリンの麻薬売買による子供達の惨状を知り、その撲滅に生涯を尽くした女性記者(38字)」となる。これだけ見ると何だか格好いいが、実際の作品はもっと社会派で、しかもこの凶悪麻薬組織はちょっと常識では考えられない報復を繰り返す。これが実話だというのだから、アイルランドという国は(漢字で書くと当て字だが愛蘭、愛なんて感じない)本当に恐ろしい。これまでも結構、アイルランドを題材にした作品は多いが、これほど、国内の問題に痛烈なメスを入れた作品も見たことが無い。筆者が知っているのは、ロンドンに駐留経験のある後輩が「アイルランドほど、怖い国は無い」といって余り、この国について多くを語らないことくらいである。

そういえば、この映画と同じ表題で、この人の本が出ていたのを、何かの書評で読んだことがあったが、その時も、まさかこんな内容だとは思いも寄らなかった。この作品、ある意味で筆者にとっては「逆パッション」である。「パッション」は本当にもう以上イェスを甚振るのは止めてくれと心から懇願していたのだが、この作品は、主人公のヴェロニカが、何度も取材の報復に逢い、もういいから、取材なんて止めて欲しい、これ以上やったら、次は一体どんな報復をされるか、だからもういいんじゃないかと、やはり心で叫んでいた。

ケイト・ブランシェットの演技が素晴らしかった。この人はオーストライアはメルボルンの出身で、舞台俳優としての経験を積み、銀幕デビュー2作目の「エリザベス」で、ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞で主演女優賞を獲得、惜しくも受賞には届かなかったが同作品でオスカーにもノミネートされた。この「ヴェロニカ・ゲリン」でもゴールデン・グローブ賞にノミネートされている程の演技派である。しかし、何といっても彼女を全国区にしたのは「L.O.T.R」のエルフの女王・ガラドリエル役であろう。出演シーンは少ないが、第一作目の「旅の仲間」で、彼女がエルフでありながら、指環を目の当たりにして動揺する演技は、CG処理も手伝っていたものの、葛藤し苦しむ内面を見事に表現した熱演であった。今月末発表の第77回オスカーにも「アビエイター」で助演女優賞にノミネートされたが、強敵・実力者揃いだけに、初オスカーはなるか?興味津々である。

特に、ラストシーンは、当分脳裏から消えそうに無い。この作品、今回は初めてだったのでストーリーの興味で何とか見られたが、再び見るには相当な勇気と、心のゆとりが必要で、当分はDVD棚の肥やしになりそうだ。


allcinema ONLINEのページ
goo映画の作品ページ

よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
by turtoone | 2005-02-08 23:09 | 映画(あ行)