暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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キング・アーサー ~新作DVD~

b0046687_17535760.jpg歴史スペクタルというジャンルは個人的に大変好きである。この作品は、当ブログを立ち上げる少し前に公開されたものなので、DVD購入に併せてレビューを書こうと思っていた。

作品を見る前から興味が沢山あった。ひとつはアーサー王には沢山の伝説があり、どの説を取るのかという興味であった。事実、これまでも結構多くの作品に「アーサー王」は登場する。又、アーサー王伝説というよりも、エクスカリバーの「聖剣伝説」であり、「アーサー王と円卓の騎士たち」伝説であり、更には「ランスロット伝説」だったりと関連・付随しているものも大変数が多い。個人的な興味による偏りもあり、例えば「魔法使いマーリンに育てられたアーサー」だったり、「王妃とランスロットの不倫」等、断片的な物が多い。この点に関して、物語は「ブリテンの成立と王の即位」をゴールにして、アーサーという人物像を掘り下げるわけではなく、ローマ帝国の崩壊とヨーロッパ史の大きな転換点にあることを中心に纏めてしまっている。本質に触れずに上手く逃げたというのが筆者の印象であり、そのお陰でアーサー自身を暈してしまったことにより、主人公への感情移入が困難になってしまった。こういう作品であるから、それもオーケーだが、「ベン・ハー」や「グラディエイター」の様に時を越えても、人間性という物への強い感動を吹き込むことが出来なかったのは残念である。結局この作品も「アーサー伝説」で終わってしまい、それは、子供の夢枕に聞かせる冒険小説と寸分の違いが無くなってしまっている。

もうひとつの大きな興味は、ジェリー・ブラッカイマーという今もっとも旬な製作者が始めて扱った「歴史史劇」という事であった。「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、ディズニー物というだけでない新しい境地を開き、興行的にも、作品の質的にも大きな成果を残した彼が、どんな影響を与えるかに注目したが、それは大部分で満足のいくものであった。特に、ブラッカイマーらしいと思ったシーンが「大氷原」でサクソンと戦闘するところである。公開中の作品でないので多少ネタバレすると、氷を下から撮っているカメラワークの発想や、氷が割れていくシーンの構成などは、他の製作者の作品には中々ありえない。この辺りに、「ザ・ロック」や「パールハーバー」に共通するものを見出せる。しかし、ひとつだけ、「音楽」は頂けない。如何にもブラッカイマーの共通旋律であった。これは残念ながら、大きくこの映画の評価を下げる要因である。

音楽といえば、最近は18~19世紀のように、音楽と演劇という文化的コラボがとても希薄になっていることを感じる。例えば、個人的な趣味で恐縮だが、リックウェクマン等は「アーサー王」の物語の一大組曲を作曲していて、この作品は音楽だけでアーサーという人間を発想できるほど素晴らしい。例えば、シェイクスピアとメンデルスゾーンがコラボった様に、現代でも、「音楽家の半生」を描くようなものでなく、音楽作品ありきの、映画制作がもっとあっても良いと思う。

作品としての評価は然程高く出来なかったが、今後のブラッカイマー製作には数々のレシピを提案できたことに、期待値は高い。


allcinema ONLINE
goo映画の作品ページ

アーサー王の関連サイト
「アーサー王伝説とケルト人伝説」


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by turtoone | 2005-01-22 22:32 | 映画(か行)