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暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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アニー・ホール ~My Collection~

アニー・ホール ~My Collection~_b0046687_10194678.jpg1977年の第50回オスカーで、「作品賞」、「監督賞」、「主演女優賞」を主要部門を獲得した異質の話題作である。監督だけで無く、主演男優賞にノミネートされていたウディ・アレンは、その後1986年のオスカー、「ハンナとその姉妹」で脚本賞を獲得したが、残念ながら主演男優賞にはその後、ノミネートもされていない。

この作品がとても小気味良いのはテンポが速いこと。これはウディの作品には統一されてある、彼独自のスピード感である。ただ、テーマによっては、そのスピード感が妙に鼻についたりするのだが、この「アニー・ホール」の主題には丁度適当な速度が働いていると言える。当時のアメリカの世相から、離婚なんていうのは、ごくごく普通にあることだったが、男性の持つ執拗な嫉妬心と誇大妄想的な自分主義をこれほど如実に、且つコミカルに表した作品は他に無い。

又、注目すべきはダイアン・キートンのファッション。この時代のアメリカのファッションは余り特徴が無いが、ダイアンは一昔前のサイケデリックを基調に、彼女の体型でないと到底滑稽に写る格好を思いっきり楽しんでいる。回りのエキストラに比べ、彼女がスターであることが良く分かる。ダイアン・キートンといえば、この作品の前までは「ゴッド・ファーザー」。特にPART2で見せた彼女の役柄でマフィアのボスを相手にする「強さ」に、全米の女性たちは拍手を贈ったと同時に、それまで言われていた「ウーマン・リブ」という言葉が単に、精神主義の一環に捕らえられていたに過ぎなかったことを、実際に「女性はこう、強くあるべき」を打ち出し、新しい女性像を塗り替えた。そして、この作品で、更に女性の自立は特別な人しか出来ないことでなく、もう現代ではごく余り前のことなのよと、スクリーン一杯に演じてみせた。実に、この国の世相を引っ張る女優である。因みに彼女の本名は「ダイアン・ホール」。そう、この作品で、初めてこのトップスターが、自由に自身を演出したことが、その評価の高さに繋がったことは間違いない。

勿論、それを監督した、ウディの裁量はいうまでもないことだ。


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by turtoone | 2004-12-26 10:54 | 映画(あ行)