暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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新春時代劇 「国盗り物語」について・・・

正月特番の予定を見ていたら、気になることがひとつあった。テレビ東京系列が例年1月2日にb0046687_2164144.jpg放映している新春ワイド時代劇「国盗り物語」である。この正月特番は、例年10時間を通して放映する、最近では正月特番でも常連となってきたが、筆者が問いたいのは、この局の時代物に対する考え方と、この作品を選んだことである。

原作は御存知、司馬遼太郎先生の作品であり、大河ドラマでも1973年に一年を通して番組化された。主人公は斎藤道三と織田信長である。この時は高橋英樹演ずる信長が「みつひでぇ~」と目の下だけヒクヒク動かす演技が話題になった。

ここで気になったのが「濃姫」である。今回は菊川怜が演じるらしいが、これについて一言だけ言っておきたい。そもそも濃姫とは名前でなく、斎藤道三の娘として美濃から来た姫君なので、呼称としてだけで(それも後世で当時はそう呼ばれていた確証は低い)正式名は帰蝶。そして、従来時代劇では、信長と帰蝶は鴛鴦夫婦と言われた時代もあったが、最近の研究では、実際のいつも信長の傍らに居たのは側室の生駒(吉乃、しの とも呼ばれる)という女性であることがわかってきた。

又、濃姫は本能寺の変で一緒に死んだことになっているものが従来多かったが、そういう史実も、一緒に本能寺で死んだ女性もいない。時代小説でいえば、この「国盗り物語」も、山岡荘八の「織田信長」も、濃姫本能寺の変死亡説を取っている。

しかし、これらの小説が書かれた時代には、まだ帰蝶の歴史的研究が不足されていたことにあり、その後、帰蝶に関する論文等が出され、その後に書かれた信長関連の時代小説には、信長・濃姫鴛鴦夫婦説は消えている。NHK大河でも、1992年の「信長」、1996年の「秀吉」はすべて、この説で書き直されている。

筆者が言いたいのは、テレビ東京では、今回も、又何年か前に放映した新春スペシャル、山岡荘八の「織田信長」でも、濃姫本能寺死亡説を取ることである。歴史という学問はも一般には余りしられていないが、次々と新しい学説が発表される。一方で時代小説も立派な文学である。だからこそ、NHKでは、このところ「原作」と「脚本」を切り離す手法から「脚本重視」の考えをしているが、これは、歴史に忠実に、且つ、原作の再現を目指している点にある。

今回のテレビ東京のスペシャルは開局40周年記念番組でもあるらしい。細かいことかもしれないが、興ざめしてしまうような展開は避けて欲しい、それがプロの番組作りだと思うのだが・・・。



テレビ東京正月特番のサイト
帰蝶に関する研究のサイト

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by turtoone | 2004-12-15 22:44 | 文学・歴史