暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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少年メリケンサック

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クドカンと筆者は余り相性が良くなく、それは多分、最初の出会いが村上龍作品の映画化「69」だからだったと思う。この作品は、村上の「限りなく透明に近いブルー」と並ぶ自伝的な作品で、でも1969年佐世保の話だから、あの時代に生きていなくて、肌で1969年を感じていないクドカンには無理な作品化であった。大体からして村上作品の映画化というのはすべて原作が原作だけに掴み所や、中心に置く主題や、プロットの組立が難しい。現実に、村上作品の映画化で成功したものは何一つないし、「コインロッカー・ベイビーズ」、「テニスボーイの憂鬱」なんていう秀作は映画化すらしていない。余談だが「コインロッカーベイビーズ」が映画化されたら主要3人は誰が演じるのだろうか? 数年前にハリウッドで映画化の話があったが、いずこへ?。日本に彼らを演じられる俳優など全く思い浮かばないが、ハシとキクは無理にしてもアネモネは最近では香里奈とかなら筆者のイメージとしては出来そうだが・・・。おっと話が逸れたが、それ以来ちょっとクドカンからは惹いていたのだが、この作品のコンセプトは気に入った。なんといってもパンクロックといったら、隆盛期を良く知っているからこのクドカンの思いが理解できる一人だと思う。クドカンの思いよりも、レコード会社社長ユースケの思いというのであろうか。

パンクロックというのは、筆者の認識ではグラムロックの枝分かれから始まっている。ニューヨークのアングラミュージシャンの中から1960年代にはその原型が誕生していたが、やはり象徴的なのはヴェルベット・アンダーグラウンドとイギー・ポップだと思う。そして本格的に商業ベースに乗ってくるのは、1970年代になったからで、中でも、やはりラモーンズの登場が衝撃的だった。しかし、その後ロンドンのパンクロックシーンが世界を席捲し、中でも、音楽性の高いストラングラーズ、強いメッセージを持ったクラッシュ、兎に角過激なセックス・ピストルズが、筆者の認識する「御三家」である。クラッシュは後発だったが、後々のバンドに与えた影響き大きく、その流れとしてザ・ジャムなどは国民的スターダムにのし上がった。また、この頃になるとパンクロックの領域が随分広くなり(というか、音楽シーンに広く認知されたと言ってよい)、あのポリスですらもデビュー時はパンクロックという位置づけをされた。

おっと音楽の話をしだすと止まらないから困る。それで、この映画作品だが、上記の様なパンクへの思いがクドカンと筆者の考え方や、距離の置き方等のスタンスが非常に良く似ているので、結果、この作品には「填まって」しまって、ポップコーンを殆ど口にせず映画に集中してしまった。色々な出演者がいたが、そんなの誰が誰だかどうでも良いと思ったほど、ストーリーに没頭してしまった作品は珍しい。音楽物を見るときは要注意だ。なぜ今パンクなのかということに関して言えば、それは「20世紀少年」ケンヂのなぜ今グラムなのかということに等しいと思う。上記パンクロック歴の続きになるが、90年代にニルヴァーナ、そして近年はグリーンディがグラミーも獲得した。最早、このジャンルはパンクという特異なものでなく、ロック音楽のひとつとして立派に定義付けされたことに等しいが、だからこそ、本当のパンクってなんだったのだろうっていう原点はこの作品にもあるように、スリーコード中心の音を出したいという衝動が全てなのであって、そのバンドの代表としての「メリケンサック」を宮崎あおいというヒロインを通して遠巻きに観ているコンセプトが至極共感できる。

軽自動バンでのドサ回りだったり、「ニューヨークマラソン」、「さくらら」、「アンドロメダおまえ」、「僕らのネバーマインド号」など、音楽はすべて笑える。特にニューヨークマラソンのオチは最高。それからやたらとシド・ヴィシャスを意識している台詞や映像があって、メリケンサックが尊敬しているのはピストルズなのかもしれない。そういえば、シドは生きていれば50歳の筈だから。こういう邦画は最高だ。


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by turtoone | 2009-02-14 22:36 | 映画(さ行)