暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

チェ 39歳 別れの手紙

b0046687_185897.jpg

第1部「チェ 28歳の革命」のレビューでの懸念が、筆者に取ってはそのまま反映した鑑賞になった。なぜ、今、この時期にゲバラなのか。そもそも1本の作品を2分割することによって得られる効果はあるのか。ゲバラが革命を通して生涯残したたかった事を作品で表現できたのか。総括してこの3つの疑問に対し、やはり、作品を2分割してしまったことは大いなる間違いであったし、作品としてのゲバラの探求も十分出来ていたにも関わらず、これも2部構成にしたためにエモーショナルラインを途中で遮断されたしまったことで、第2部はリスクの大きなスタートになった。それが証拠に、この作品の冒頭部分は、まだ第1部の名残が残っていたために(本編から興行用にどの場所で切るかは大変難しかったと思うが、ここに前編の余韻を残したはじまりは大変良かったと思う・・・)、作品の期待感が増したが、物語が進むに連れ、残念ながらその期待度が徐々に低下し、結局、途中からはひとつひとつの発言に関しても、前編の何処に相関しているのだろうという戸惑いが生じて、中々困難な鑑賞となってしまった。4時間30分を越えても、これが1本の作品であったら、こんなことは無かったと思うと大変残念である。

但し、全く別の見方も出来るのであって、つまりは、前編が存在しなかったという前提だ。実は、奇才ソダーバークなのだから、興行に当たってはその辺りを狙ったとも思える。何しろ、主人公が有名人であるからにして、所謂、キューバ革命の一般論的な作品を作っても面白く無い訳だ(と、思う)。現に、ゲバラの代表作として「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、「まだカストロに出会う前のゲバラ青春の回想」という様なサブタイトルで、今まで余り語られなかったゲバラの青春時代を見事に描写・作品化し、関係各位の注目と高い評価を受けている。勿論、筆者もこの作品は大好きだ。青春があるのだとしたら、当然、後日談もあるわけで、つまりはもソダーバーグが本当に作りたかったのは、こっちの作品なんじゃないかという作品手法を随所に感じたことも事実である。前作はやたらと回想シーンが多かったし、プロットの組み立ても、最初は中々掴めなかった。しかし、本作品は所謂我々が歴史として知っているゲバラの要素をなるべく取り除き、彼が本当に求めたものは何かの「映画作品」としての追求を行い、その組立としてこの作品を作り上げたという言い方が出来る。そう考えると逆に静かな作品で、起伏も少ないが、只管平和を願った一人の男の終末を見事に描いているのである。

つまりは、4時間30分通してで見た時と、前編・後編を分けた場合ではそれぞれ評価が変わってしまうという面白い作品で、特に後編に関しては、前編を見た場合の評価と、前編が無かった場合との評価も違ってくる。ああ、なんというか、ソダーバーグらしいというか、彼はひとつの作品で、ひとつの主張をしたのではなく、我々に色々な物を問いかけて来たということが言える。だが、それも、この、エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナという極めて稀な人物を扱ったからこそ出来る離れ業であり、評価の高低とは別に、映画史上に残る作品であることは事実である。

全編を通して、デルトロの演技も良かった。喘息で苦しむシーンは実際には然程なかったものの、彼の(演技としての)表情には、常に、喘息で悩む主人公の姿を見てとれた。そして、エンドロールの試みは館内が長いこと静まり、離籍する人も少ない中スクリーンだけが淡々と流れていた。筆者も色々な思いが交錯して席を離れられなかった一人であるが、死亡時に遺体を公開されたり、更に30年後には墓を発掘され遺骨の公開と、死後2度もその姿を公開されるという非情な仕打ちを受けた革命の英雄に対し、何も関係の無い筆者ではあるが、彼への鎮魂の念と、自身は何が出来るのかという問いかけの時間を与えてくれたのだと、このエンドロールの趣向には感謝している。


公式サイト


allcinema ONLINEの作品ページ
goo映画の作品ページ



よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング


音楽のブログを立ち上げました。
こちらにもお立ち寄りください。
「音楽は語るなかれ」


ついでながら姉妹ブログへもどうぞ
時事問題のブログ 「情報過多で悩むあなたに」
下町探索記 「東京の原景を探して」
ただの日記「turtoone主義」
[PR]
by turtoone | 2009-02-11 19:21 | 映画(た行)