20世紀少年 第2章 最後の希望
2009年 02月 08日
「20世紀少年 第1章」から僅か5ヶ月の続編の速さには驚いたが、今回の番宣は異常な程の力の入れようだったと思う。そして、第1章のレビューではこの3部構成の製作化に気合の入った試みだと高い評価を下したが、残念ながらこの2作目を観たところでは、試みは立派だったが、結局実績が伴わなかったという評価である。
筆者はこの3部作映画作品が完結するまで、原作は読まないと誓ったのには沢山の興味があったからである。その大きな理由のひとつは、この時代背景てであり、更にこの時代に略同世代で生きた「少年」を描いているからである。要するに「20世紀少年」というタイトル通り、日本で20世紀の少年を一番象徴できる世代はどこかというと、この60年代安保前後に誕生している世代である。この世代は未就学児のときに東京五輪が行われ、小学校高学年でアポロの月着陸をテレビで視聴し、そのお土産だった月の石を大阪万博で観る。松下館が考案したタイムカプセルを模写して、卒業記念に学校の片隅に穴を掘って思い出の品々を持ち寄り埋めた。また、秘密基地の好きな世代だったし、未来予測に対してものすごく前向きな世代だった。「よげんの書」の様なものは、クラスで1人は必ず書いていた。(そういう筆者も書いていたが、ミッションスクールだったので、どうも新約聖書の黙示録がダブル・・・)。よげんの書でなくても未来都市構想というのを殆どの人が持っていて、夏休みの自由研究は毎年、数人が「未来都市」を作って2月期に提出したと記憶している。卒業制作で作ったクラスもあった。だから、この世代の少年時代はまさに「20世紀少年」の名に相応しいし、第1章ではその背景が良く描かれていたのである。
原作は良く分からないが、多分、「20世紀少年時代」が可也フラッシュバックで沢山登場すると思うのだが、今作品の大きな失敗は、「ともだちランド」と「記念館」にあった。こういうストーリーが原作に有る無しでなく、この作品でここまで大きく描く内容であったかは疑問が多く、別段、ここをクローズアップしなくても、理科室やサダキヨの話はどうにでも結び付けられる。というのは、トモダチは今や、一宗教教祖ではなく、世界から尊敬されているという設定に、あの思いっきり洗脳されたトモダチランドのスタッフ(特に小池の顔は異常だ、本当に洗脳されているのではと過剰演出だ)は、この後の展開との乖離を著しくするものにほかならないからである。そして、別に基督教徒でなくても、キリストを知っている人であれば、意図も簡単に、「神になる」の意味の謎(というレベルの物ではないが)が解けてしまうのである。この点は非常に残念だった。
また、主役が唐沢からトヨエツではなく、かんなを中心に描いたのも、平が悪いというわけではないが、彼女には力量不足で、寧ろ小泉響子の方が登場人物的に魅力があった点も残念な点である。とって付けた様な「しんよげんの書」の出現も、作品の軸を何処に置いているのかを不鮮明にさせる(この点は第1部でも述べた、もし、わざとそうしているのだとしたら脚本ミスだった)要因である。結局は第3部への期待というのは「ともだちは誰なんだ」という事しか残らなくなったのも、この作品が第1部の良いところを残さず、数々の説明不足(例えば、藤木まで起用したチョーさんの孫ってあの程度? ホームレスから金持ちになった神、民友党党首とトモダチの関係)の上に余計な新たであるが陳腐なストーリーを乗っけたことにある。とても残念である。
当然であるが第3部にはケンヂが戻ってくる。そうでないと筆者は納得しない。第2部で裏切られたが8月29日が待ち遠しいことに変わりはない。
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by turtoone
| 2009-02-08 18:56
| 映画(な行)