暫く療養と入院、更に手術をしまして映画ブログは更新を怠っておりました。作品は鑑賞してますので、徐々に復帰させていただきます。今後共、よろしくおねがいします。


by turtoone
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

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ディカプリオとウインスレットの共演だからやはり映画史に残るあの作品「タイタニック」を思い出してしまうのは仕方が無いことだと思う。当のディカプリオですらその類の発言を何度もしているのだから。しかし、あの作品の呪詛を取り除くが如くのウインスレットのゴールデン・グローブ賞での受賞には驚いた。彼女もさることながら、流石にサム・メンデス。そしてかの監督といえば、オスカー作品賞の「アメリカン・ビューティー」を想像するのも当然の流れであり、つまりは一映画ファンとしては色々なことが錯綜した鑑賞になったことは予めご了承頂きたい。

色々な観点を持てる作品だが、やはり中軸に起きたいのは米社会が世界一になった結果と、それによる国内の大きな歪みである。1955年アメリカ。まずはこの時代設定に多くのメッセージが込められている。第二次世界大戦から10年、名実共にアメリカは世界一の大国になったが、並行して国内には様々な歪みが現れた。米国民の目指す方向性が定まらない。景気は好況だが、広がる貧富の差、人種差別、海外に不安が無い国民の関心も建国以来始めて国内に、そして突き詰めれば自分たちの、その身の回りに大きな関心を寄せるようになり、言い換えれば大きな変革の時期を迎えていた。レボリューショナリー・ロードはまさにそんな米社会の象徴である。ここに住む格上の人々の中でも特別扱いされる夫婦は様々な問題を内に秘めているが、それはアメリカ社会そのものである。更に、この社会は一瞬違う方向への可能性を考えるが、しかしそれは本当にこの国の進むべき道なのかどうかを自問自答し、結局は道を修正することなく、この路線を更に進行させ、この路線でもっと強大になることを考える。この二人の夫婦の行動はまさにこの時代のアメリカそのものである。そして、その結果はいわずと知れた、現代のアメリカ及び世界情勢を招いてしまったのである。

しかし、この作品はそれだけではない。まずは冒頭に書いたように、「タイタニック」の続編だと思うと面白い。この作品は船で救助されたふたり(あの作品では片方は死んでしまったが)の後日談だと思うと面白い。なんといってもキャシー・ベイツがまたふたりの間に入る重要な役になっている事もこの作品をダブらせる。最初に「港湾の仕事」をしていたというのも実に面白い。また、「アメリカン・ビューティー」との絡みで考えると、サムメンデスは「家」に可也の拘りを持っている。この両作品ともに家探しのシーンがある。良い家を持つことが良い家族の基本であるが、一方で人生というのは家を手にいれる事が目的ではないという主張が両作品からも観てとれる。そしてもうひとつの大事なキーワードが女性の自立である。人間の長い歴史の中で、どこの国にも無かった「女性たち」が国家の中枢を為すという地盤を築いた時代であるが、その土台作りの時代には、こんな夫婦もあったのである。こういう「変革への挑戦」が新しいアメリカを作ったのであり、それは前述したように強ち悪いことばかりではない。こういうところがこの監督の深い部分なんだろうと思う。ジョン・ギヴィングスという精神を患った数学者が出てくるが、この人が当時の社会の中でもしかしたら一番まともなんだと、風刺ではなく本当にそう描いているところも大変深い。

そして、やはりこの二人、ディカプリオとウィンスレットはゴールデンコンビである。なるほど、ウィンスレットは納得の演技であり、また、夫のメンデス監督はこの女優の素晴らしさをすべて出してくれたが、今回、決して派手な場面は無かったが、ケイト以上の演技をしながらオスカーにノミネートされなかったディかプリオに対しては、最早、オスカー審査員の彼に対しての僻みのほか何物でも無いと思う。

ラストシーンがこれから起こる(我々の時代にとっては既に起こって来た)米社会の現実と、それに対しての皮肉の両方が込められているのが良い。更にいえば実はこの作品の続編は、先に公開された「アメリカンビューティ」にあると言って良い。奥の深い、そして必見の作品である。


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by turtoone | 2009-01-24 21:43 | 映画(ら行)