ワールド・オブ・ライズ

新年最初のレビューだが、2008年末の未鑑賞作品である。リドリー作品であり、また、久々のディカプリオであり、この作品すら観られなかったのだから昨年末の忙しさは例年以上であったのだと我ながら驚く。しかし同時に、「原作を先に読んでおくのだった・・・」と後悔した作品でもあった。時間がないと良い作品も良い鑑賞が出来ず、結果、正当な評価を下せなかったのかも知れない。
中東問題という言い方は、アメリカの勝手な表現だと思わないか。なぜなら、この地域は、紀元前から色々な問題提起をする、歴史的にも世界の要所である。そしてそれを人間的に加速させてしまったのがイスラムとアメリカである。アメリカが介入してくるまで、ここには別の意味での戦いが演じられていた。そして何時しかそれはアメリカの勝手な定義付けにより、イスラムとキリスト教の聖戦に化してしまった様だ。少なくとも当事者も含め世界中にそう思い込ませた。しかし、これはアメリカの陰謀である。中でもCIAは良くも悪くもアメリカの頭脳である。この作品には「事実にほど近いフィクション」という趣旨の冒頭説明があったが、最早、CIA自体が嘘の塊りであり、その存在がフィクションだと言っても過言ではないほど、設立時の意味合いや崇高な理念は失われている。アメリカが建国時に掲げた自由の精神と主張の殆どがこの組織によって画策され崩壊されてしまったことを考えると、その渦中に「聖戦」の名の元に巻き込まれた中東のイスラム教徒が一番の被害者なのではないだろうか。
1929年の世界恐慌が生んだものは何だったか? 世界的にはドイツやソ連に代表されるような世界の枠の組み換えを意図した戦いの始まりであり、そのために2回目の世界大戦の勃発に繋がった。対ユダヤという共通項からヒトラーを利用したのはスターリンであり、結果、戦果が最も多かったのはソ連だった。日本は軍部の暴走にも繋がった。同じく結果満州事変を経て、世界大戦へと繋がっている。そして今また、世界は同じことを繰り返そうとしてはいないか。「聖戦」の内は良い(失礼、極論を導くための言葉のアヤである)が、やはり「背に腹は変えられない」のが人間の性であり、昨年からの経済危機がもし世界恐慌のレベルに達した時、人類は同じことを繰り返すのであろう。そして今度は、欧米・ロシア・中国に、中東も、更にはアフリカや北朝鮮も加わって来る。まさに世界大戦であり、キャスティングボードは「核保有国」が握る。無論、その裏ではCIAが暗躍するのであろうが、ハイテクな米国より、アナログな中東が優位に立つこの作品の一場面などは皮肉にしてはリアリティが高すぎて、先の大戦の様に情報戦だけでは決定的勝利に繋がらないことを示唆している。つまりは今度世界大戦になったら、終戦はないのではないかという不安が現実のものに帯びてくる。そう、何があってもこれから先、世界大戦を起こしてはいけないのであり、そしてもしかしたらこの2~3年が最も危険な年なんだと思う。そんな問題意識だけが沢山残った作品で、正直、映画が終わるまで気が気ではなかった鑑賞だった。
リドリー監督はここのところ現代作品が続いた。CIA絡みはかなりお得意の様だ。今回もラッセルに最高の共演者、ディカプリオを持ってきたが、ラッセルの役作り(メタボ作り?)といい、ディカプリオの気合の入れ具合といい中々見応えがあった。ディカプリオは今年も話題作がまだまだ続く。一ファンとして楽しみである。
しかし世界を救うのが「嘘」だなんて、クラトゥが来るまでもなく人類は処置無しの様だ・・・。
公式サイト
allcinema ONLINEの作品ページ
goo映画の作品ページ
よろしかったら、こちらにご協力を。映画のブログも検索できます。
人気blogランキング
音楽のブログを立ち上げました。
こちらにもお立ち寄りください。
「音楽は語るなかれ」
ついでながら姉妹ブログへもどうぞ
時事問題のブログ 「情報過多で悩むあなたに」
下町探索記 「東京の原景を探して」
ただの日記「turtoone主義」
by turtoone | 2009-01-04 00:08 | 映画(わ行)
















































































































